車の最新技術
更新日:2021.12.03 / 掲載日:2021.12.03
レクサス 水素エンジン搭載のROVコンセプトを欧州で発表

レクサスヨーロッパは現地時間の12月2日、水素エンジンを搭載したROVコンセプトを発表した。ROVとは“Recreational Off-highway Vehicle”の略で、軽量ボディにオフロード性能をもつ車両。このROVコンセプトは水素を燃料とする内燃機関を搭載し、ゼロエミッションに近い走行性能とオフロード性能をあわせ持つ、遊び心あふれるレクサスのコンセプトモデルだ。
大胆なデザインがもたらす冒険的なルックス
レクサスROVコンセプトでは、あらゆる自然環境に適した車両が開発された。むき出しのサスペンション、プロテクション・ケージ、泥道を走るための太いオフロード・タイヤなど、オフロード・ビークルとしての特徴を備える。
デザインチームは、レクサスの「人間中心」という哲学を出発点に、ROVの頑丈な性能を失うことなく、高級車メーカーに期待されるような車を製作しようと試みた。乗員の保護はもちろん、レクサスのアイコンであるシグネチャーグリルの採用、フロントサスペンションの十分なストロークの確保などを考慮したボディを設計。また、フロントフェンダーは、石や泥を防ぐためにデザインされている。
リアの水素燃料タンクにつながるサスペンションカバーは、機能部品を保護すると同時に、レクサスSUVと同様に耐久性を表現。ダークブロンズの塗装は、快適性とオフロード走行の楽しさを両立するために設計された軽量ボディやサスペンションとともに、丁寧に仕上げられた。また、Lexus’L’モチーフのフロント・リアランプとリアのLEXUSバッジは、最新のレクサスのデザイン言語を反映している。
インテリアでは、レクサスの新コンセプト「Tazuna」に基づき、ドライバーが運転に集中し、必要な情報を瞬時に読み取れるようシンプルなメーターが採用された。
レクサスらしいラグジュアリー感とクラフトマンシップが詰まった内外装
新コンセプトでは、レクサスのクラフツマンシップを感じさせるラグジュアリーな質感を内外装に採用している。ステアリングホイールは本革製、シフトノブは彫刻を施したものを採用。乗り心地を滑らかにするサスペンションエレメントを採用したシートなど、ラグジュアリーなディテールが取り入れられた。また、シートは耐久性に優れた合成皮革を使用。レクサス初の水素エンジンは、QDR(静粛性、耐久性、信頼性)という自動車メーカーへの要求を満たした上で、オフロード走行にも対応するよう作られたという。
クリーンかつエキサイティングな水素エネルギー

レクサスはカーボンニュートラルに取り組む一方で、クルマを運転する楽しさも追求している。このROVコンセプトでは、エンジンのサウンドと水素の高速燃焼によるレスポンスの良いトルクの立ち上がりを実現しており、水素エンジンとROVとの親和性は高いと同社は太鼓判を押す。
この水素エンジン搭載のROVコンセプトは、低炭素社会でもオフロードの楽しみを残したいというレクサスの願いから生み出された。1.0リッターの水素エンジンは、ガソリンエンジンと同様、圧縮された水素を高圧タンクに貯蔵し、水素をダイレクトインジェクターで正確に供給することで、オフロードの楽しさを実現する。そして走行中のエンジンオイルの消費量はごくわずかで、ゼロエミッションに近いとしている。
アウトドア志向のライフスタイルと新技術の融合

強固なパイプフレームで構成された軽量ボディと、大きなストロークを誇るサスペンションにより、ドライバーは車の自然な動きと「レクサス・ドライビング・シグネチャー」を楽しむことができる。レクサスROVは、機動性を感じさせるデザインと水素エンジンのレスポンスの良さにより、優れたオフロード性能を持ち、運転することが楽しい車に仕上がっている。
レクサスヨーロッパの責任者であるスピロス・フォティノス氏は次のようにコメントした。「レクサスのROVは、高級志向の消費者の間で高まっているアウトドアへの情熱と冒険心に応えるものです。このコンセプトは、ライフスタイルを重視した製品を開発したいという私たちの願いと、カーボンニュートラルに貢献する新技術の研究を融合させたものです。また、水素エンジンを搭載することで、ゼロエミッションを実現しています」