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更新日:2022.05.06 / 掲載日:2022.05.06

新型シビックのe:HEVに注目すべき理由【石井昌道の自動車テクノロジー最前線】

文●石井昌道 写真●ホンダ

 2021年9月にフルモデルチェンジを受けた11代目シビックは、デザインや質の高い走りで高評価を得るとともに、ユーザーに若者が多いこと、MT比率が高いことなどでも話題を呼んでいる。現行のホンダ車のなかではクルマ好きに受け入れられているモデルとも言える。現在のラインアップは1.5Lターボのエンジン車のみだが、2022年7月には本命のハイブリッド、e:HEVが発売される予定。そのプロトタイプに試乗する機会があった。

 ホンダは1999年にインサイトで初のハイブリッドカーを発売し、おそらく世界でもっとも多くのハイブリッド・システムを市販化してきたメーカーだろう。

 初代インサイトはエンジンとミッションの間にモーターを挟み込んだ1モータータイプでIMAシステムと呼ばれた。トヨタのTHSが2モーターなのに対して、燃費改善効果としては及ばないもののリーズナブルなのが特徴。アコードではV6エンジンと組み合わされるなど幅広い車種で使われた。

 だが、エンジンとトランスミッション、モーターが直結しているIMAはEV走行がごく限られた状況でしかかなわないこともあって燃費改善効果の伸びしろが期待できない。そこで世界最高効率を目指して開発されたのが、2013年に北米アコードに搭載されたe:HEV(当時はi-MMDと呼ばれていたが、2020年に改名)。2モータータイプとなり、しばらくはアコードやCR-Vといった中・大型車用とされていた。IMAはフィットなど小型車用として併売する時代が長く続いた。

 e:HEVは基本的にはモーター駆動でエンジンは発電に徹する。これはシリーズ・ハイブリッド方式と呼ばれるもので、日産のe-POWERが該当するが、e:HEVは高速域・低負荷領域という条件下ではエンジンが直接駆動するモードを持つのが違う。モーター駆動は低・中速域での効率はいいのだが、高速域では落ちてきて燃費があまり伸びないことから、エンジンドライブモードが追加されたのだ。このときはパラレル・ハイブリッド方式に該当する。トヨタのTHSはシリーズ・パラレル方式と呼ばれるが、発進時を含めた低速域、超低負荷時の巡航、(中速域まで)、減速でEV走行が可能。それ以外のほとんどの場合はエンジンとモーターが協調しあったモードになる。また、エンジンが主体でモーターは比較的に小さめでアシストという役割だ。

 それに対してe:HEVはほとんどをモーター駆動しているので電気感が強い。また。モーター走行、エンジン走行が切り替わり、モーター+エンジンの両方で駆動するということはないので、シリーズ・パラレル切り替え方式と呼んで、シリーズ・パラレル方式と区別している。

 ホンダのハイブリッド・システムは1モータータイプのIMA、同じく1モータータイプながらDCTと組み合わせて効率向上を図ったi-DCD、2モータータイプのe:HEV、そしてNSXとレジェンドに搭載される3モータータイプのSH-AWDと、じつにバラエティに富んでいたが、今後はe:HEVのみに絞られ、なおかつ2040年を目標としている脱エンジンまでの20年弱の間は主力パワートレーンとなる。非常に重要な役割を背負っているのだが、シビック用に2.0Lエンジンを新開発したことはその表れと見てもいいだろう。

 e:HEVは小型車は1.5L、中・大型車は2.0Lのエンジンが組み合わされてきたが、それぞれのモデルに乗ってみると2.0Lのほうが印象がいいことが多い。排気量に余裕があるから、低いエンジン回転数を多用できるので、走りの質が高く感じるからだ。高速道路での燃費も良く、アコードやCR-Vでも驚くほどだ。シビックは1.5Lでも成立しないことはないだろうが、ひとまずは2.0Lが採用されたことは朗報だろう。しかも、新開発だ。

 新型エンジンは直噴方式となり、圧縮比は13.9、熱効率は41%を達成しているという。従来の2.0Lポート噴射に比べると全域でトルクが向上してエンジンドライブモードの領域拡大を含め、燃費改善効果が高く、排ガスではNOxやHCをそれぞれ20%以上の低減を果たしている。ユーロ7など将来の排ガス規制にも対応するポテンシャルが持たされている。

 実際に走らせてみると洗練された印象が強く、エンジン・サウンドに気になる雑味などがまったくなく、走行モードの切り替えはまったくわからない。ハーフアクセル以上になると有段ギアのATやDCTのようにエンジンの回転が上下して疑似的なシフトアップがなされるリニアシフトコントロールが効くようになる。ギミックではあるものの、素晴らしく煮詰められたシステムであり、下手なATやDCTよりもシフトの歓びが感じられるほどだ。制御で造り込むので、ギアのステップ比が自由自在であり、本当のエンジン+有段ギアのように苦手な領域に入り込むようなことがない。

 エンジン車でも体感していたシャシー性能の高さは、ハイブリッド化に伴う低重心化でさらに進化している。シビックのシャシーは欧州で鍛え上げられているが、まさに欧州Cセグメントのようにハイクオリティ。王者のVWゴルフと比べても、負けていないどころか勝っている部分も多いように感じられる。まだクローズドコースでプロトタイプを試しただけなので確信とまではいかないが、もう数ヶ月もすれば公道で市販車を試乗する機会もあるはず。ガチンコで欧州Cセグメントのライバルと比較するのが楽しみだ。

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石井昌道(いしい まさみち)

ライタープロフィール

石井昌道(いしい まさみち)

自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイク・レース等への参戦も豊富。ドライビング・テクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。

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自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイク・レース等への参戦も豊富。ドライビング・テクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。

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