新型車比較・ライバル車対決
更新日:2022.09.14 / 掲載日:2022.09.09

新型マツダCX-60 ライバル&マツダSUVと先取り比較!

クラス唯一のFR駆動モデルとなるCX-60。これだけでもライバルモデルと戦うことはできるが、さらにコスパに優れるという武器も見逃せない。サイズや価格帯が近いライバルモデルと比べてみると、その凄さが実感できるはずだ。

●文:川島茂夫/月刊自家用車編集部

MAZDA CX-60

●価格:299万2000〜626万4500円
ライバルモデルはズバリこの5モデル!

MAZDA CX-5

●価格:267万8500〜407万5500円

MAZDA CX-8

●価格:299万4200〜499万9500円

LEXUS NX

●価格:455万〜738万円

TOYOTA ハリアー

●価格:299万〜504万円

MITSUBISHI アウトランダー

●価格:462万1100〜532万700円

質感も走りも優等生
コスパの高さも見逃せない

既存モデルを上回るグレードアップを図ることで、プレミアム性を向上させる。これがCX-60の特徴になるが、この視点でライバルを探すとレクサスNXの存在が気になってくる。
 両モデルともグレードによって内装意匠や質感は異なってくるが、同じ価格帯のNXとの比較ならば十分に戦える印象を受ける。NXは2.5ℓガソリン車の最廉価モデルでも450万円を超えるが、CX-60はこの価格で主力の直6ディーゼルターボ車で最上級のエクスクルーシブモードを狙うことができる。CX-60は内装質感も優れており、動力性能にも秀でている。クルマとしての格はNXの方が上だが、CX-60のコスパの良さは圧倒的ともいえる。
 PHEVをキーワードに考えるならば、アウトランダーも有力候補に躍り出る。アウトランダーの最上級グレードの価格は約532万円。CX-60PHEVのSパッケージより7万円程安く、装備面のコスパではアウトランダーが勝る。しかもアウトランダーは3列シートもあるためCX-60の勝ち目は薄い。ただし、ドライブの楽しさを重視するユーザーにとっては、CX-60の走りは気になるはずだ。CX-60PHEVのスペックは公開されていないが、ドライビング性能にこだわるマツダだけに、PHEVモデルの走り次第では評価が逆転する可能性は十分にある。
 プレミアム性でNXに及ばないまでも、価格面で優れるハリアーも中々のライバルとなる。現行ハリアーは悪路対応力や走りの質感、燃費などを改善し、SUVとしての総合的な実力を高めているが、一番の売りは内外装の高級感。レクサスと比較すれば素材や細部の造り込みで格の違いがあるが、分かりやすい高級感やスペシャリティの演出は巧みだ。
 CX-60に限らずマツダSUVが狙うプレミアムは、抑えの利いたシンプルな演出が持ち味。志向的にハリアーとは少し異なるが、コスパに優れるプレミアムという視点では、十分ライバルになりそうだ。ガソリン車同士で比べると、主力グレードはほぼ同等価格の設定。排気量はCX-60にプラス500㏄のアドバンテージがあり、しかも新開発の8速ATを搭載する。ガソリン車に関してはCX-60に分がありそうだ。
マツダSUV選びの
中心になるのは確実

 そして忘れてはいけないのが、マツダSUVとの同門比較。FFのCX-5やCX-8とは異なる、FRプラットフォームによる走りの付加価値や車格感の向上、実用性のバランス、コスパをどう捉えるかで選択が異なってくる。
 実用性と車体サイズを軸にした車格感ではCX-8が魅力的。ただし、ガソリンターボ車をラインナップするとはいえ走りはCX-5の延長線にある。ロングキャビン/ロングホイールベースが穏やかさを生み出すが、ファントゥドライブの楽しさは少し減少してしまう。
 CX-5との比較は走りの方向性の違いが中心になるが、2.5ℓガソリン車同士で価格を比べると、その差は約20万円にしかならない。新開発のプラットフォームで見た目にも上級感があり、それでいて価格差は1グレード上のモデルを選ぶくらいの範囲。「魂動デザイン」も「人馬一体」もCX-60の方が高濃度と予想できるので、そのままCX-5と代替となってもおかしくはないだろう。

【ライバルその1】MAZDA CX-5

CX-60と真っ向からぶつかる存在
 価格レンジはCX-60ほど広くないが、主力モデルが被る価格構成。走りや車体サイズ、上級パワートレーンの車格感ではCX-60に及ばないが、昨年末のマイナーチェンジでアウトドア色を強めたフィールドジャーニーが投入されるなど、多彩なキャラが選べることは魅力。

年次改良を頻繁に実施するマツダ車の中でも、CX-5は特に積極的。主力のディーゼルターボ車も年を追うごとにパワーアップが図られている。

【ライバルその2】MAZDA CX-8

キャビン性能重視ならばチャンスあり
 ロングキャビンの悠々とした外観とサードシートの設定で、キャビン実用性はCX-60より1クラス上。レジャーワゴンとしての適性はかなり高い。ただ、走りの質感とファントゥドライブではCX-60に及ばない可能性が高く、実用と走りで棲み分けることになりそうだ。

走りの方向性はCX-5と同系統だが、車両重量が嵩む分だけ安定性重視の味付けが強まる。動力性能に秀でたディーゼル車がオススメ。
ロングキャビン/3列シートがもたらす居住性能の高さに加えて、プレミアムな内装も魅力の一つ。セカンドキャプテンシート車も選択可能だ。

【ライバルその3】LEXUS NX

同等価格で比べると走りに弱みあり
 プレミアムと走りに加えて多彩なパワートレーン設定を武器とするのはCX-60と同様だが、レクサス流の贅沢な造りもあって、こちらの方が格上の存在だ。ただし同等価格同士のグレードと比べるとその差はかなり小さく、走りに関していえばCX-60の後塵を拝してしまうケースもありそうだ。

【ライバルその4】TOYOTAハリアー

ガソリン車同士がガチンコのライバル
 CX-60とは嗜好が異なるが、伝統的な高級感やスペシャリティな趣を武器とするプレミアムSUV。特にCX-60のガソリン車とハリアーのガソリン車はガチンコの関係になる。ハリアーのガソリン車は2ℓ級では優等生だが、CX-60の2.5ℓ車とスペックを比較すると格下の印象は拭えない。

【ライバルその5】MITSUBISHIアウトランダー

PHEV狙いなら外すことができない
 CX-60PHEVのスペックが未公表のため、走りの優劣は判断しかねるが、アウトランダーはオンロードでも良質な走りを披露してくれるため、走りの面でも勝る可能性は十分。また、キャビンスペースの実用性は3列シート車も備えるアウトランダーの方が上。ここに魅力を感じるユーザーも多いだろう。

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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