新型車比較・ライバル車対決
更新日:2022.11.08 / 掲載日:2022.11.08

新型ZR-Vをヴェゼルと比較! キャラクターからホンダSUVの違いを読み解く

【ホンダ同門対決】HONDA 新型ZR-V vs ヴェゼル 先行比較

前回、クローズドコースでの試乗を紹介したZR-V。
今回は同じホンダSUVのヴェゼルとの比較を通して、
その資質に迫ってみよう。

●文:川島茂夫 ●写真:本田技研工業株式会社
※ZR-Vの写真はすべてプロトタイプ

この記事の目次

プロフィール

クラスの差にとどまらない、方向性の違いが見えてくる

まとまりのいいヴェゼル
付加価値で勝負のZR-V

 ホンダラインナップではCR-Vの後継に位置するモデルがZR-Vだが、ファミリー&レジャー用途向けのミドルSUVとしてバランスよくまとまっていたCR-Vとはキャラが異なっている。CR-Zを彷彿させるフロントマスクが雄弁だが、スポーティ&スペシャリティな雰囲気や走りがアピールポイント。中でもオンロードでの走りへのこだわりが注目点である。
 そう述べるとクルマ趣味に偏ったモデルのように思われるが、実用性とクルマ趣味とのバランスを取っているのもZR-Vの見逃せない特徴。引き締まったスタイルだが、実用性の要点となるポイントはしっかり押さえたパッケージングを採用する。CR-Vが採用していた3列シート仕様は設定されていないが、後席格納はバックレスト前倒しと連動して座面が沈み込むワンタッチダイブダウン式を採用し、積載性を高めている。
 車体サイズはCR-Vより若干コンパクトだが、ほぼ同等。約4・6mの全長はミドルSUVでは標準的である。新開発の2ℓ直噴を核にしたシリーズ式ベースのハイブリッド・e:HEVと1.5ℓターボの2タイプ。CR-Vと同級のパワートレーンを採用している。
 一方、ヴェゼルはコンパクトSUVの標準的コンセプトで開発されたモデル。全長は4・3m強であり、コンパクトSUVでは大柄な方だが、ミドルSUVの標準よりひと回り小柄。採用パワートレーンは1.5ℓを核としたe:HEVとNA仕様1.5ℓの2タイプを設定している。
 フィット/フリード系のハードウェアをベースに開発され、センタータンクレイアウトによるスペース効率に優れた車体とダイブダウンとチップアップの2通りのシート格納機能を備えた後席による多彩な積載性は実用面の大きなアドバンテージである。
 ミドルクラスとコンパクトクラス。車体寸法もパワートレーンの格も異なる。ZR-Vの価格は未発表だが、内容からするとCR-Vより安いとは考え難い。仮にCR-Vと同等価格とするならe:HEVの4WD車同士ではヴェゼルと100万円前後の価格差が見込まれ、燃費にも差があるだろう。キャビン周りの実用性を中心としたコスパではヴェゼルが圧倒的に有利である。もっとも、差は縮小するとはいえ、それはヴェゼルvsCR-Vにも当て嵌まる。その差を埋めるのがSUVに求める付加価値。この両車の比較では走りも含めた車格感の差とその費用対効果の重み付けが重要。クルマ趣味、質とゆとりへの投資価値がZR-Vの評価での決め手である。

HONDA 新型ZR-V

●価格:未発表
●発表年月:未発表(先行予約受付中)
※’22年秋発表予定/’23年春発売予定

【2ℓe:HEV】FF・4WD
【1.5ℓターボ】FF・4WD

e:HEVとターボを展開する
ミドル級クロスオーバー
 ヴェゼルの上位に位置するミドルSUVで、海外ではHR-Vと呼ばれるモデル。基本アーキテクチャーは新型シビックと共通。SUVで定番のルーフレールはメーカーOP、純正アクセサリーともに設定されないなど、オンロード寄りの性格が強い。アウトドアのツールというよりも、都会の日常をメインに、週末はレジャーに繰り出す、というキャラクターだ。

■参考諸元
■車体寸法=北米仕様HR-V 
●全長×全幅×全高(㎜):4567×1839×1611 ●ホイールベース(㎜):2655 
●最低地上高(㎜):178 ※編集部で単位換算
■メカニズム=シビックe:HEV
●パワーユニット:1993㏄直4DOHC(141PS/18.6㎏・m)+
モーター(135kW[184PS]/315Nm[32.1㎏・m]) 
●トランスミッション:電気式無段変速

HONDA ヴェゼル

●価格:227万9200〜329万8900円
●発表年月:’21年4月

【1.5ℓe:HEV】FF・4WD
【1.5ℓNA】FF・4WD

実用機能はトップレベル
コンパクトSUVの定番
 フィットと基本コンポーネントを共有するコンパクトSUV。先代までのシャープ&スポーティなイメージから現行型はボリューム感のあるフォルムに刷新。プレミアム路線へと舵を切ったが、積載性など定評のある実用性はそのままだ。4WDはモーターアシストによる電気式ではなく、パワーユニットからプロペラシャフトを介して機械的に動力を伝えるタイプ。

■主要諸元 (e:HEV プレイ) ※オプションを含まず
●全長×全幅×全高(㎜):4330×1790×1590 ●ホイールベース(㎜):2610 ●最低地上高(㎜):195 ●車両重量(㎏):1400 ●パワーユニット:1496㏄直4DOHC(106PS/13.0㎏・m)+モーター(131PS/25.8㎏・m) ●トランスミッション:1段固定式●WLTCモード総合燃費:24.8㎞/ℓ ●タイヤ:225/50R18

この記事の画像を見る

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

この人の記事を読む

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ