新型車比較・ライバル車対決
更新日:2023.05.08 / 掲載日:2023.05.06
新型クロストレックvs新型インプレッサ/フォレスター “買い”なのはコレだ!
最新「SUBARU」魅力大全!〜理想の走りを貪欲に追求する、愛すべき異端児の「今」に迫る〜
SGPモデルの大ヒットもあって国産屈指の人気ブランドに成長を遂げたスバル。その成功にあぐらをかかず性能向上を第一とする野心的なアプローチは留まることを知らず、毎年のように最新技術を惜しみなく投入している。今回はそんなスバルの現行ラインナップに注目。オンリーワンを名乗るにふさわしいモデルの魅力をお教えしよう。
【ライバル比較 PART1】クロストレック VS スバル同門モデル(インプレッサ/フォレスター)
クロストレックを検討する時に外すことができないのは、メカニズム&装備が共通するスバル同門モデルとの関係だ。特にほぼ同時に開発されたインプレッサは気になる存在。SUVのフォレスターも魅力的だ。ここでは3モデルの特徴を確認しよう。
●文:川島茂夫 ※新型インプレッサの写真はプロトタイプです。
SUBARU 新型クロストレック

SUBARU 新型インプレッサ

SUBARU フォレスター

SUVハンデは最小限
好みで選んで問題無し
新型の外観デザインはクロストレックが先行して、それをベースにインプレッサが仕立てられるなど、主従の立ち位置が多少変化したが、車体も含めた走行ハードウェアは同時進行で開発。クロストレックとインプレッサの本質的な関係は変わっていない。
SGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)を含めた車体まわりの基本骨格はほぼ共用。ボディ周りの艤装で僅かな差があるものの、車体寸法/室内寸法は全高以外はほぼ同じ。当然、キャビンの広さも荷室容量も同じと、クロストレックにSUVらしいアドバンテージはない。
しかし、全高が高い&車両重量が重いといったSUV特有のハンデが少ないこともクロストレックの強み。一般的にSUVは同車格のセダンやワゴンに比べると車両重量はかなり重くなるが、インプレッサとクロストレックの車両重量の差はおおよそ20㎏にしかならない。最低地上高が増加した分だけ高くなった重心の影響も、操縦安定性に悪さしている感もない。クロストレックはインプレッサに比べて大径かつハイトのあるオールシーズンタイヤを履いているのだが、大きな違いは感じない。
高い全高や、大径タイヤの装着は燃費で不利になる要素だが、WLTC燃費の各モードでのインプレッサとの差は、最大で2%強でしかなく、実用燃費では同等の範囲といえる。燃費ハンデはゼロといってもいい。
なお、ほぼ同等装備の最上級グレード同士で価格を比べると、その差は9万円弱。インプレッサはe-BOXERを装着しない2ℓエンジン搭載車を設定しているため、約230万円から狙うことができるが、この仕様は運転支援装備も快適装備も簡略化されている。e-BOXER車同士ならばコスパもほぼ同等と考えていい。外観の好みで選び分けて良い、両モデルはとても近い存在なのだ。
実用面はフォレスターだが
走り基準ならクロストレック
むしろ、同じSUVながらもフォレスターの方が違いを感じるポイントは多い。
クロストレックとフォレスターの実用面での大きな違いは、キャビンを含めたパッケージの余裕だ。フォレスターはミドルSUVとしては標準的なサイズ。ホイールベースはクロストレックと同じだが、全長は160㎜長く、全高は140㎜高い。キャビン周りのデザインはクロストレックよりもボクシーな雰囲気が強く、サイズ感も一回り大きく感じる。居住性も荷室容量もフォレスターが勝っている。
クロストレックがアドバンテージを持っているのは走行性能だ。両モデルの車両重量の差は約30㎏だが、実際に走らせた印象はクロストレックの方が余力感を感じる。
さらに大きな差を感じさせるのはフットワーク。フォレスターにはスポーツサス仕様もあるが、標準サス仕様とクロストレックを比べた場合だと、車両重量の差以上に重々しく感じられる。高めの重心や長いリヤオーバーハング、乗り心地とのバランスを取ったサス特性もあって操縦感覚はルーズで、ロールの挙動収束も甘く感じる。
フォレスターには1.8ℓターボとスポーツサスが与えられたスポーツ系も用意され、高速ツーリング主体のレジャー用途ならフォレスターのベストになるが、スポーティモデルらしい乗り心地が少し気になってしまう。
クロストレックは収まりのいいハンドリングと穏やかな乗り心地の両立がセールスポイント。心地よい乗り味を優先するユーザーにとって最適な選択だ。
新型クロストレック VS 新型インプレッサ








新型クロストレック VS フォレスター





