新型車比較・ライバル車対決
更新日:2023.11.20 / 掲載日:2023.05.26

新型デリカミニvsスペーシアギアvsタントファンクロス SUV風軽自動車のおすすめはこれ!

スーパーハイト系ワゴン超新星対決「オススメはこれだ!」

MITSUBISHI デリカミニ VS SUZUKI スペーシアギア VS DAIHATSU タントファンクロス

デリカミニが先行2モデルに肉薄することで、このカテゴリーが軽自動車屈指の激戦区になるのは確実。この3モデルはキャラも装備機能も似ているだけに、どれを選べばいいのか?と悩んでいるユーザーも多いはずだ。ここではおのおのの特徴と強みを解説することで、ベストバイをお教えしよう。

●文:川島茂夫

ひとつ上を気軽に楽しめる
成長著しい新カテゴリー

 軽自動車の中でも最もファミリー用途に適しているのは、クラス最大級となるゆとりのキャビンスペースを持つスーパーハイト系ワゴンであるのは間違いない。

 ただ、機能的には満足できても、ふんわりとした大人しめのキャラクターに抵抗を感じるユーザーも少なくないだろう。そんなユーザーの受け皿として注目されているのが、スーパーハイトボディにアウトドアテイストを植え付けたモデルたちだ。

 対象となるのは、デリカミニ、スペーシアギア、タントファンクロスの3モデル。いずれもキャラの確立の手法は共通しており、SUVモチーフの外観デザインを最大のアピールポイントにしている。いずれも基本のボディシェルには大きな変更は加えられていないが、フロントマスクやバンパー、ランプ周りの専用加飾や、フェンダー部のクラッディング(デカール)処理を行うことでイメージチェンジが図られている。

 その一方、力の入った外観デザインに対して、シャシー関連の設計要素にSUVらしさが希薄なことも共通している特徴だ。

 デリカミニは4WD車のタイヤを大径化することで最低地上高を高くしているが、それでも標準仕様車との差は10㎜。スペーシアギアとタントファンクロスは標準仕様車と同じだ。ちなみに最も最低地上高が高いのはタントファンクロスの4WD車だが、それでも165㎜に留まる。いずれにせよSUVに求められる悪路性能を求めたシャシー設計とは言い難い。

 4WDシステムも軽自動車で標準化しているビスカス方式を採用。雪路レベルならば十分だが、悪路向けとは言い難い。ここでコダワリを感じるのがデリカミニで、スリップ制御のグリップコントロールや降坂速度制御のHDCを採用することで、3モデルの中では最も悪路適性の向上を狙っている。

いずれも装備は軽トップ級
見た目で選んで問題なし

 キャビン実用性は標準仕様車とほぼ共通。いずれも大人4名がゆったり乗れて、後席を畳めば大物積みにも対応できる。レジャー用途向けの機能として、3モデルとも撥水シート地を採用している。

 このように標準仕様車に対してプラスαの手間がかかることもあって、3モデルともカスタム系と同格のプレミアム仕様に位置づけられる。デザインだけでなくLEDヘッドランプの採用といった艤装のグレードアップも積極的。それも価格が上がってしまう理由だ。

 装備設定が多少異なるが、標準仕様車とのおおよその価格差はデリカミニが約14万円、スペーシアギアが約19万円、タントファンクロスが約18万円になる。デリカミニが一番買い得に見えるが、3モデルの中では最も価格が高い。装備機能をベースに考えると、最もコスパが優れているのはスペーシアギアになる。

 グリップコントロールなどで走破性を少し高めているデリカミニがリードした感もあるが、この3モデルは機能や性能で決定的な差はない。それゆえ、おのおののキャラとの相性が合うことが大事。外観デザインが好みかどうかで選んで問題ないだろう。

MITSUBISHI 新型デリカミニ

価格:180万4000~223万8500円

■主要諸元(T Premium 4WD)
●全長×全幅×全高(㎜):3395×1475×1830 ●ホイールベース(㎜):2495 ●最低地上高:160㎜ ●車両重量(㎏):1060 ●パワーユニット:659㏄直3DOHCターボ(64PS/10.2㎏・m)+モーター(2kW/40N・m) ●トランスミッション:CVT ●WLTCモード総合燃費:17.5㎞/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/リーディングトレーリング(R) ●サスペンション:ストラット式(F)トルクアーム式3リンク(R) ●タイヤ:165/60R1
5

運転支援機能はACCやLKAを含む安全&運転支援機能をパッケージしたマイパイロットが標準装備。軽自動車トップレベルの装備機能を持つことも魅力。

SUZUKI スペーシアギア

価格:172万5900~192万2800円

■主要諸元(HYBRID XZターボ 4WD)
●全長×全幅×全高(㎜):3395×1475×1800 ●ホイールベース(㎜):2460 ●最低地上高:150㎜ ●車両重量(㎏):940 ●パワーユニット:658㏄直3DOHCターボ(64PS/10.0㎏・m)+モーター(2.3kW/50N・m) ●トランスミッション:CVT ●WLTCモード総合燃費:19.2㎞/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/リーディングトレーリング(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)トーションビーム式(R) ●タイヤ:155/65R14

インパネはツールボックスをモチーフにデザインされるなど、カジュアルな雰囲気。ベースモデルのスペーシアとは違ったアプローチで差別化されている。
格納時は完全にフラットになるほか、リヤシートの背面部と荷室フロア、ラゲッジボードは防汚加工も加えられる。汚れ物に強いレジャーユースを意識した設計も見所だ。

DAIHATSU タントファンクロス

価格:172万1500~193万500円

■主要諸元(ファンクロスターボ4WD)
●全長×全幅×全高(㎜):3395×1475×1805 ●ホイールベース(㎜):2460 ●最低地上高:165㎜ ●車両重量(㎏):990 ●パワーユニット:658㏄直3DOHCターボ(64PS/10.2㎏・m) ●トランスミッション:CVT ●WLTCモード総合燃費:19.6㎞/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/リーディングトレーリング(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)3リンク式(R) ●タイヤ:165/55R15 

悪路走破性こそ軽SUVのタフトに及ばないが、オンロードではタントの基本性能のおかげもあって、クラストップレベルの走りを披露してくれる。
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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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