新型車比較・ライバル車対決
更新日:2023.12.19 / 掲載日:2023.12.16
新型スイフトはこんなに進化した! 新旧モデルを徹底比較

12月6日、スズキは新型スイフトを発表した。10月に開催されたジャパンモビリティショーで新型のコンセプトカーを目にした人も多いはず。そんな新型スイフトがついに正式発表された。スイフトといえばヨーロピアンテイストの強いスポーティなハッチバックという印象だが、新型はどの程度進化したのだろうか。今回は、旧型モデルと比較しつつ、新型スイフトの魅力に迫っていこう。
スズキ スイフトってどんなクルマ?
2000年に発売されたスズキのコンパクトカーがスイフト。少しややこしい話になるが、かつて海外市場ではスイフトの前身となるスズキ カルタスを「スイフト」として販売した経緯があり、こちらの初代スイフトは、海外ではイグニスと呼ばれていた。クロスオーバーテイストのルックスと経済的な価格の実用車としてユーザーに親しまれたモデルだ。
世界共通でスイフトの名称が与えられたのは、2004年に発売された2代目(スズキはこの世代を初代と位置付けているが、日本市場では2代目)。欧州コンパクトカーのような垢抜けたデザインとなり、走りの性能も国内のライバルとは一線を画するものに進化。この世代から名実共にスズキの主力コンパクトカーとなり、2023年10月までに世界累計販売台数900万台に達している。2011年には3代目、2016年には4代目が登場し、すっかりお馴染みの人気コンパクトカーとなった。
似て非なるエクステリアの作り込み


まずはボディサイズを比較してみよう。新型のボディサイズは全長3860mm、全幅1695mm、全高1500mmで、先代から20mm長くなったに過ぎず、基本的なサイズはほぼ同じと言っていい。最小回転半径は4.8mと、小回りのよさもキープする。デザインもひと目でスイフトとわかるものだが、その方向性はよりスポーティなものとなった。具体的には、リアビューが台形フォルムとなったことで安定感を強調。ピアノブラック調のフロントグリル、LEDフォグランプ、ルーフエンドスポイラー、サイドアンダースポイラーなどのアクセントもスポーティさを感じさせる。
新型(ハイブリッドMX/2WD) | 先代(2016年式/2WD) | |
全長 | 3860mm | 3840mm |
全幅 | 1695mm | 1695mm |
全高 | 1500mm | 1500mm |
車両重量 | 940kg | 860kg |
ドライバーとの一体感を表現した新型のインテリア


インテリアを比較すると、新型スイフトは先代よりも一体感を強調し、ドライバーズカーらしい仕立てとなったのが特徴だ。特に、インパネとドアトリムを繋げて広がり感を出し、インパネ中央のブラック部分が浮き上がるような形状となった。シート表皮は立体的な三角形柄とし、先代よりもヘッドレストの高さと厚みを約10mmアップ。装備面では、電動パーキングブレーキを採用し、指先の操作で簡単に作動と解除ができるように。また、9インチのディスプレイオーディオがスズキで初採用となったこともトピックだ。
荷物の出し入れが楽になったラゲッジスペース


ラゲッジスペースは、5名乗車時で265Lをキープ。さらに荷室開口地上高が先代比で10mm低くなったほか、開口部の高さが25mm高くなり、高さのある荷物の出し入れが楽になったことも見逃せない。リアシートは6:4分割可倒式なので、シートを倒すことで長尺物もしっかり積み込める。
新開発「Z12E」エンジンで燃費を大幅アップ

新型スイフトは、パワートレインも一新されている。先代と同じく1.2L 直4と1.2L 直4(マイルドハイブリッド)を設定するが、エンジンは従来のK12C型からZ12E型に変更された。最高出力82馬力、最大トルク11.0kgmと先代よりも数値上は控えめになっているが、低速から滑らかに上昇するトルク特性とし、街乗りでの軽快感が高められた。また、WLTCモード燃費は最大25.4km/Lと、先代から大幅にアップしたのも美点。
検知エリアを拡大し、安全性も進化

安全面では、「デュアルセンサーブレーキサポートII」を採用。先代スイフトに搭載されていた「デュアルセンサーブレーキサポート」との違いは、画角と検知エリアを拡大したことで、検知対象に自転車、オートバイを追加。また、交差点での検知にも対応している。また、リアバンパーに内蔵される超音波センサーにより、前後の壁を検知して衝突回避を試みる「低速時ブレーキサポート(前進・後退)」を採用。そのほか、「アダプティブハイビームシステム」などの先進安全装備も盛り込まれ、安全性はさらにアップした。
スタート価格は172万7000円から

新車価格は、先代(2022年9月発売モデル)では138万8200円~204万8200円だったのに対し、新型スイフトは172万7000円~233万2000円と、30万円ほど全体的に底上げされた。しかし、価格差以上の進化を遂げており、その魅力は依然変わらない。またライバルと比べるとリーズナブルな価格なので、初めてのクルマ選びにもぴったりの1台となりそうだ。