新型車比較・ライバル車対決
更新日:2024.04.10 / 掲載日:2024.03.29
400万円台スタート!《レクサスSUVベストバイ》LBX vs UX vs NX
いずれも400万円台がスタート価格
「LBX」「UX」「NX」の3モデルは、いずれも450万円前後がスタート価格。レクサスSUVを検討する際に悩んでいるユーザーもいるのではなかろうか? そこで気になるポイントを比べることで、セールスポイントを浮き彫りにしてみたい。
●文:川島茂夫
レクサスSUV選び『ベストモデルはこれだ!」
LBX vs UX vs NX

3モデルともスタート価格は
450万円前後と横並び
現在のレクサスラインナップの中でSUVは、LBXからLXまで6系統で構成されている。ハードクロカンの頂点クラスのLXとBEV専用のRZを除いても4系統を選ぶことができ、さらに今後ラインナップは増加する予定だ。カテゴリーとしては、SUVはレクサスの主軸になっている。
SUVの主戦場といえるミドルSUVに属するのがNX。プラットフォームはRAV4やハリアーと共通(GA-K)しているが、レクサス専用車体やクラス上のパワートレーンの導入などのグレードアップが施されている。レジャー&ファミリーユース向けのキャビン実用性や、オン&オフロードで余裕のある走行性能を持つことが特徴で、SUVらしい適応用途の幅広さを求めるならば、最もバランスがいいレクサスでもある。
車格面でNXとLBXの中間に位置するのが、コンパクトSUVに分類されるUXだ。C-HRと同じ系統のプラットフォーム(GA-C)を採用するが、パーソナル志向の強いC-HRに対して、UXは実用性とのバランスを採った設計を特徴としている。現在のトヨタSUVラインナップに当てはめるならカローラクロス相当のモデルとなる。ミドルSUVと比べるとひと回りコンパクトなキャビンになるが、余裕はないもののファーストカー用途にも対応できる。
また、最新モデルは2ℓ新世代エンジンを組み込んだハイブリッドシステムを採用するなどで、走りのゆとりを重視していることも強み。登場当時はガソリン車もラインナップしていたが、現在はHEVとBEVの電動駆動モデルのみの構成になっている。
NXだとガソリン車限定だが
使い勝手と走りは一枚上手
LBXの価格設定は2WD車が460万円から。NXとUXと比べると、この予算でNXの最廉価モデルに手が届いてしまう。狙えるのは4気筒の2 .5ℓ新世代エンジンを搭載するガソリン車(NX250)。LBXに比べるとキャビン実用性や動力性能に優れることが強み。狭い場所での取り回しや燃費はハイブリッドのLBXの方が優れているが、最廉価モデルでも贅沢仕様に仕立てられるのがレクサスの魅力であり、NXでも装備面でも見劣り感は少ない。使い勝手と走行性能を求めるならば、NXの方が選びたくなる理由は多い。
UXとLBXの比較では、キャビンの広さに加えて、走行メカニズムの違いもポイントになる。
UXのハイブリッドシステムは2ℓベースで、E-Fourは後輪駆動用に30kWモーターを備えた全域型を採用する。さらにサス設計も2WD車のリヤサスにも独立懸架のダブルウィッシュボーン(LBXはトーションビーム)を採用。走行ハード設計のレベルが、LBXよりも一段上手だ。
ただし、全長はLBXより30cm長く、UXには設定されていないアドバンスドパーク(リモコン機能付)の装着も可能。さらにインパネ周りのデザインは、UXはファントゥドライブ志向のコックピット感を強調したものでデザインとしては一世代前のタイプになる。すっきりとしたLBXの最新世代のインパネと比較すると、質感や寛ぎに欠いた印象を感じてしまうのがウイークポイントだ。

デザイン&パッケージング
LBX

全長 4190mm
全幅 1825mm
全高 1545mm
ホイールベース 2580mm
最低地上高 170mm
最小回転半径 5.2m
車両重量 1310kg(FF)/1390kg(4WD)




UX

全長 4495mm
全幅 1840mm
全高 1540mm
ホイールベース 2640mm
最低地上高 160mm(ハイブリッド)/140mm(BEV)
最小回転半径 5.2m
車両重量 1510kg〜1540kg(FF・ハイブリッド)/1570kg〜1600kg(4WD・ハイブリッド)/1790kg(FF・BEV)




NX

全長 4660mm
全幅 1865mm
全高 1660mm
ホイールベース 2690mm
最低地上高 185mm
最小回転半径 5.8m
車両重量 1620kg〜1760kg(FF)/1680kg〜2020kg(4WD)




走行性能&ドライブフィール
LBX

高速長距離が得意な良質ツアラー
フットワークは硬めだが、スポーティと言うよりも頼もしいという言葉がぴったりな味付け。エンジンは1.5ℓ級のため全開加速での速さはそれほどでもないが、エンジン&モーターの巧みな協調制御のおかげもあって、速度コントロール性に優れている。粗雑な振動や音の侵入を抑える工夫もあって、ロングドライブをまったく苦にしない。

UX

最新改良で出力向上、力強さがパワーアップ
2ℓ直4エンジン+モーターの巧みな制御もあって、日常用途から高速長距離まで幅広い用途で扱いやすいことが魅力。最新モデルはシステム最高出力が146kW(199PS)に向上したこともあって力強さも増している。ただ、レクサスSUVの中では設計年次が古いこともあって、細かな振動の抑制やドライバビリティの洗練感は、LBXに少し及ばない印象だ。


NX

優れたオンロードツアラー。その実力はトップレベル
LBXと絡む価格帯では、ターボやPHEVなどの上級パワートレーン車は届かないが、ベーシック仕様のガソリン車でも動力性能の余裕は十分。2.5ℓ直4+8速ATは幅広い速度域でスムーズな加速感があり、ミドルSUVとして申し分のない走り。悠々としたドライブフィールでファントゥドライブ的な楽しみにも富んでいる。
