新型車比較・ライバル車対決
更新日:2024.07.03 / 掲載日:2024.07.03

話題の新型フリード、買うならどのモデル?

 ホンダのコンパクトミニバン、フリードがフルモデルチェンジを受けた。コンパクトミニバンの人気モデルゆえ、新型の登場を待ちわびた人も多いのでは? 今回は、新型フリードのラインアップを紹介しつつ、ベストバイグレードを探ってみたい。

新型フリードのココに注目!

 2024年6月28日に発売開始となった新型フリード。3代目となる新型は、「フリード エアー」と「フリード クロスター」という2タイプで展開される。前者はシンプルなデザイン、後者はクロスオーバー調のスタイルが特徴だ。特にクロスターは新型の目玉となるもので、高輝度シルバーのフロントグリルやリアロアガーニッシュなど、専用装備が盛りだくさん。一見するとSUVのような風貌は、流行にしっかりと乗った結果といえよう。

 また、パワートレインにはホンダ独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」がフリードとして初採用されたこともトピック。従来のハイブリッドと比べて最大熱効率を40%引き上げ、燃費性能の改善やスムーズな走りを実現したという。また、ホンダ独自の「リアルタイムAWD」を設定し、滑りやすい路面でも安定した走りが可能となった。

 さらに安全装備として、ホンダセンシングが全車標準装備となる。こちらは衝突被害軽減ブレーキ(CMBS)や誤発進抑制機能をはじめとする17種類にも及ぶ機能を盛り込んだもの。ホンダセンシングは先代モデルの2019年10月改良モデル以降全車標準装備となったが、新型も当然ながら標準装備となるので安心である。

ガソリン車とハイブリッド車の比較すると?

 今回のグレード体系は、大きく分けるとフリード エアーとフリード クロスターが存在。それぞれにガソリンとハイブリッドの「e:HEV」が選択可能となっている。さらにフリードエアーでは、装備の違いでベース車と「EX」グレードで展開されている。駆動方式別には、全グレードに2WDと4WDが設定されるので、バリエーションは意外と豊富だ。このほか、福祉車両として「フリード クロスター スロープ」と「フリード クロスター リフトアップシート(助手席)」もラインアップされている。

 まずはパワートレインを比較してみよう。ガソリン車には1.5L 直4DOHCが搭載され、最高出力は118馬力、最大トルクは14.5kgmを発揮する。一方e:HEV車では、エンジンこそ同じ1.5L 直4DOHCが搭載されるが、最高出力123馬力、最大トルク25.8kgmのモーターが組み合わされる。動力性能は圧倒的にe:HEVが有利だ。

 WLTCモード燃費で比較すると、フリード エアー EX(e:HEV/2WD)が25.4km/L、フリード エアー EX(ガソリン/16.4km/L)と、こちらもe:HEV車に大きく軍配があがる。気になる価格だが、前者が250万8000円、後者が285万7800円。e:HEV車は概ね35万円ほど高額になっている。

グレードフリード e:HEV エアー EX(2WD/6名乗車)フリード エアー EX(2WD/6名乗車)フリード e:HEV クロスター(2WD/6名乗車)フリード クロスター(2WD/6名乗車)
燃費(WLTCモード)25.4km/L16.4km/L25.3km/L16.4km/L

フリード エアーとフリード クロスターは何が違うの?

フリード e:HEV エアー

 フリード エアーとフリード クロスターの大きな違いは、エクステリアの仕立て。フリード エアーは上品かつシンプルな造形が特徴で、安定感のあるデザインに仕立てられている。それに対しフリード クロスターでは、クロスター専用のブラックフロントバンパー、ホイールアーチプロテクター、サイドシルガーニッシュ、高輝度シルバーのフロントグリル、専用アルミホイールが装着され、力強いイメージを構築。これらのパーツの装着により、フリード クロスターは3ナンバー車となった(フリード エアーは5ナンバー)。フリード クロスターは一見するとクロスオーバーSUVにも見えるが、最低地上高はフリード エアーと共通なので、悪路走破性などに違いはない。あくまで見た目が違うということだ。

フリード e:HEV クロスター

 両者の価格を比較すると、フリード エアー(ガソリン車/2WD/6人乗り)が250万8000円、フリード クロスター(ガソリン車/2WD/6人乗り)が285万6700円となっており、後者が35万円ほど高額となる。ただし、フリード クロスターの装備内容はフリードエアの上級グレード「EX」相当であるため、こちらと比較した場合の価格差は11万円程度となる。

フリードエアーのベースグレードと「EX」の違いは?

フリード e:HEV エアー EX

 フリード エアーにのみ、ベースグレードと「EX」の2グレードで展開されている。これらは装備内容が異なっており、「EX」にはUSBチャージャー、リアクーラー、本革巻ステアリング&本革巻セレクトレバーが標準装備される。またホンダセンシングにはブラインドスポットインフォメーションが標準となるほか、アダプティブドライビングビーム+後退出庫サポート機能がオプションで選択可能。足まわりは、ベースグレードが15インチのスチールホイールなのに対し、「EX」では15インチアルミホイールが装着されるなど、装備内容は大きく異なる。また、ベースグレードでは7人乗り仕様の選択は不可で、全て6人乗り仕様となることも知っておきたい。なお、フリード クロスターの装備内容は「EX」と同等となっており、フリード エアーのベースグレードに相当するものはない。

 ベースグレードは250万8000円(ガソリン/2WD/6人乗り)、「EX」は269万7200円(ガソリン/2WD/6人乗り)と、価格差は19万円程度。アルミホイールや安全装備の充実などを考慮すれば、ぜひこちらをチョイスしたいところだ。

福祉車両は全車クロスター仕様

フリード クロスター リフトアップシート(助手席)

 新型フリードは、発売時から2タイプの福祉車両が設定。フリード クロスター スロープとフリード クロスター リフトアップシート(助手席)である。前者は、車いすを荷室のスロープから乗せられるのが特徴。電動ウインチが装備されるので、車いすを乗せる時の負担が小さいのが魅力である。

 リフトアップシート車は、助手席が回転&昇降し、車いすからの移乗や身体が不自由な人も楽に乗り込めるのが特徴。家族に車いすの方や身体が不自由な方がいても安心してドライブに出かけられる。なお、福祉車両2モデルは全てフリード クロスターがベースとなっている。フリード エアーは選べないので注意。

まとめ:新型フリードのおすすめグレードはどれ?

 フリード エアーかフリード クロスターか、パワートレインや駆動方式をどうするかなど、新型フリードのチョイスは非常に悩ましい。しかし、あえてひとつ選ぶなら「フリード e:HEV クロスター」がおすすめ。ハイブリッド系はリセール時も有利に働くことがあるほか、燃費性能もガソリン車より大きく上まわる。趣味性の高いクロスターなら装備も充実し、毎日のドライブが楽しくなるはずだ。

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