新型車比較・ライバル車対決
更新日:2018.11.22 / 掲載日:2018.02.01

新型アル/ヴェル直4vs上級Mサイズミニバン~その2~

まず見比べるのは、各車のキャビン&パッケージ。居心地や上質感、室内の仕立ての高級感、満足感などをチェック。果たして「大きいことはいいこと」なのか!?

サイズの違いは3列目の快適性に顕著に表れる

 2L級3車の外寸は、セレナのみ床面地上高が高いため全高も高いが、全長と全幅はほとんど同じである。言うまでもなく5ナンバー枠に収めるためであり、駐車場等々での扱いやすさを重視したパッケージングである。これに対してアル/ヴェルは5m近い全長となり、ホイールベースも3mと、ひと回り以上大きな車体寸法だ。
 この差は室内空間に大きく影響する。カタログ室内長をヴォク/ノアと比較すると30cm近く大きい。全長の差がそのまま室内長に反映されていると考えていいだろう。なお、セレナとステップワゴンはアル/ヴェルに近いカタログ値だが、これはメータ配置による測定方法の違いのためで、有効室内長ではヴォク/ノアと大差ない。
 Lサイズの余裕はレッグスペースや開放感を高めるだけでなく、クッション厚などシートの設えにも影響する。中でも3列目の座り心地は2L級3車を圧倒。取り回しや積載の多様性にハンデはあるにしても、多人数での快適な居心地では「ちょっと余裕」程度では済まないアドバンテージがある。

icon TOYOTA 新型アルファード/ヴェルファイア【直4】

350万円以下で選べるのは8人乗りのみ
 最廉価グレードの「X」は8人乗り。シート表皮はファブリックで、2列目は6:4分割チップアップシートとなる。7人乗りで最も安いのは2.5Lの「S」で、373万5720円だ。

  • ●8人乗り

  • ●7人乗り

icon TOYOTA ヴォクシーハイブリッド/ノアハイブリッド

使い勝手が最大の長所で、3列目は割り切り仕様
 都市部での用途でも不便さが少ない取り回しサイズや低床設計により向上した乗降性は、アル/ヴェルに対しても長所のひとつ。ただ、多人数乗車ではサードシートは格納性を高めるための平板的な形状で、セカンドシートとの居心地の差が大きいのが難点だ。

対アル/ヴェル直4満足度=85%

  • 8人乗りはハイブリッドでは選べず、2列目キャプテンシート仕様のみ。

  • 2列目シートは左右スライドが可能で、中央に寄せれば左右から3列目へのアクセスが可能となる。

上級グレードならではの主な装備
 ハイブリッド車は各種装備も上級仕様となる。4.2インチカラー液晶や温熱シートはガソリン車でも選べるが、メーターやセンターコンソールボックスはハイブリッド車専用だ。

  • ●ハイブリッド専用オプティトロンメーター

  • ●4.2インチカラー多機能ディスプレイ

  • ●独立型センターコンソール ボックス

  • ●快適温熱シート

荷室&ユーティリティ

  • 3列目はワンタッチ格納タイプで荷室への張り出しも小さい。リヤゲートはイージークローザー付きだ。

  • 常載品が十分に収まる床下収納。ハイブリッド車のデッキボードは6:4分割式(ガソリン車は一体式)だ。

icon NISSAN セレナ【ハイブリッド車】

使い勝手の工夫はあるが、居心地はアル/ヴェルに譲る
 2L級では床面地上高が最も高く、クラス内相対では乗降性が若干劣るが、アル/ヴェルには勝っている。サードシートにスライド機構を備えるが、最後位置にセットして居住寸法は他車と同等。アル/ヴェル対比では座り心地も建て付けも今ひとつの出来。

対アル/ヴェル直4満足度=80%

  • 7人乗りの設定はなく、2列目は3分割のベンチシート。上位グレードは2列目が超ロングスライド+横スライドに。

  • 大スライドのスマートマルチセンターシートがセレナの特徴だ。

  • 7人乗りの設定はなく、2列目は3分割のベンチシート。上位グレードは2列目が超ロングスライド+横スライドに。

  • 大スライドのスマートマルチセンターシートがセレナの特徴だ。

上級グレードならではの主な装備
 上位グレードはUSBソケットやシートバックテーブルが追加され、3列目席がスライド機構付きとなる。ハイウェイスターGのみ、両側ハンズフリースライドドアが標準。

  • ●2列目/3列目USBソケット

  • ●3列目シートスライド

  • ●両側ハンズフリースライドドア

荷室&ユーティリティ

  • セレナの3列目格納は位置が低く、女性でも操作がしやすくなっているのが特徴だ。

  • ガラス部分が開閉できる「デュアルバックドア」を全車に装備する。日常の買い物の際などにも使用頻度が高い便利な装備だ。

icon HONDA ステップワゴンスパーダハイブリッド

3列目の床下格納によって荷室の使い勝手が向上
 若干ではあるが、有効室内寸法は2L級のベスト。ただしアル/ヴェル基準で見れば大同小異でしかない。床下格納方式を採用したサードシートは座り心地も建て付けも簡易型の印象があり、多人数乗車より積載性を優先したキャビン設計とも言える。

対アル/ヴェル直4満足度=80%

  • ハイブリッドはすべて7人乗り。ハイブリッドG・EXのみオプションで本革シートが選べる。

  • 上級車でもOPが普通のサイド&カーテンエアバッグも標準装備となっている。

上級グレードならではの主な装備
 ハイブリッド車のみ、オートブレーキホールド機能付きの電制パーキングブレーキを採用。運転席&助手席シートヒーターやトリプルエアコンは上位グレード限定装備だ。

  • ●電子制御パーキングブレーキ

  • ●運転席&助手席シートヒーター

  • ●トリプルゾーンフルオートエアコン

荷室&ユーティリティ

  • サードシートを床下に格納するため、荷室を左右幅いっぱいに使うことができる。

  • 通常の縦開きに加え、横にも開く。後ろのスペースが狭くても開閉可能で、左側サードシートを格納していれば乗降にも使える。

提供元:月刊自家用車

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