新型車比較・ライバル車対決
更新日:2022.03.16 / 掲載日:2022.02.08
新型ノア/ヴォクシー完全ファイル【8】新旧モデルポイントチェック
ミドルミニバンの代表モデルとして君臨してきたノア&ヴォクシーが、7年ぶりにフルモデルチェンジを実施。
従来型も相当出来の良いミニバンだったが、新型はいま判明している部分に絞っても、相当凄いモデルに仕上がっている。
多くのユーザーから熱い視線を集める、最新ミニバンの実力をチェックしてみたい。
●文:川島 茂夫

全方位に超激進化した新型はどこまで凄くなったのか?
大人気ミニバンゆえに、従来型からの乗り換えも相当な数になるのは間違いない。従来型と比べることで、新型との違いや注意すべきポイントを解説してみたい。
チェックポイント【1】スタイリング
迫力十分の顔つきは踏襲
ノアの標準顔も十分個性的だ
フロントマスクはノア、ヴォクシーそれぞれが従来型のイメージを踏襲。ノアの標準ボディ車もグリル周りが大胆に造形されており、エアロボディ車に引けを取らない個性を感じる。ボディサイズは全モデルが3ナンバーサイズ化されたことで、前後のフェンダーとのバランスも良くなった印象。少し無理を感じることもあった従来型よりも、バランスは取れているといえる。
トレッドはフロントが従来型3ナンバーボディと共通だが、リヤは35㎜拡大している。サイドからリヤに回り込むウインドウグラフィックもあって、斜め後ろからの見た目は安定感と車格感が向上した印象を受けることも、新型の特徴といえるだろう。
それでいてお手頃なモデルがスカスカという訳でもない。低価格の格納式ステップが象徴的だが、ベーシックモデルでも優れた実用性は十分堪能できる。生活の場で便利かつ安心、さらにコスパも優秀。弱点らしき弱点が見つからないというのが、新型の印象だ。
新型



従来型




エスクァイア

チェックポイント【2】キャビン&ラゲッジ
室内寸法はほぼ同じだが
居心地や使い勝手は新型が圧勝
室内長は従来型とほぼ等しいが、頭周りの左右幅は70㎜ほど拡大している。セカンドシート部の床面地上高は20㎜増加しているが、全高が高くなったことで室内高は僅かながら増加している。
端数の違いはあるものの、キャビンスペースは従来型と大きく変わっていないが、使い勝手に関してはかなり向上した。特にキャプテンシートの超ロングスライド化やワンタッチ操作でサードシート格納ができること、さらにパワーリヤゲートの使い勝手は実生活の様々なシーンで便利を実感できるはずだ。ちょっと贅沢な気分になれ、ちょっと便利な機能が抜かりなくアップデートしていることが、新型の強みといえるだろう。
新型



従来型



チェックポイント【3】パワートレーン
最新メカニズムの採用で
世代違いの強さをアピール
スペックの数字だけ追っていくと、従来型から大きく変わっていないと感じてしまうが、ガソリン車は新世代のダイナミックフォースエンジンに変更、ハイブリッド車も電動まわりのコアパーツを完全新設計することで燃費と動力性能を向上している。TNGA化されたことによるシャシー性能の向上もあって、リアルワールドでは大きな差を感じるのは確実だろう。
従来型には設定されていなかったハイブリッド車の4WD設定が用意されることも見逃せない。新型ハイブリッド車は新開発のE-Fourを採用。後輪駆動出力は上位モデルには及ばないが、同期モーターを採用することで効率的な駆動を行える速度域を拡大している。滑りやすい路面での駆動性だけでなく、操安性向上の制御機能も備えている本格的なシステム。ハイブリッド+4WDを求めていたユーザーにとっては見逃せない進化だ。
新型


従来型

チェックポイント【4】安全&運転支援機能
新型にはトヨタ最高レベルを採用
新旧の違いは明らか
従来型に搭載されていた機能は、ACCもなければ車線維持も逸脱警報止まり。現在の安全&運転支援機能の水準からすれば、最低レベルと言ってもいいだろう。
一方、新型はトヨタセーフティセンスに備わる機能を最新にアップデート。昼夜の歩行者、昼間自転車、交叉車両などに対応した衝突軽減システムなど安全装備の機能範囲が大幅に拡大したほか、全車速型ACCや走行ライン制御型LKAも全車に標準装着。高速道路上の渋滞走行時といった限定された状況ながらハンズオフ機能も備えている。機能はトヨタ車としても最高レベルにあるといっても過言ではないほどだ。
新型


従来型

チェックポイント【5】利便系装備
最新ミニバンにふさわしい
充実装備と工夫に注目
使い勝手の基本となる装備の実用性向上も、従来型からの進化要点のひとつ。例えばディーラーOPで一般的には高価な格納式ステップをライン装着装備として安価に提供。しかも全グレードに設定され、どのグレードでもOP価格は3万3000円だ。標準リヤゲートにも任意の位置で止められるストッパーを採用するなど、上位グレード以外でも家族のクルマらしいこだわりがある。
従来型もファミリーミニバンにふさわしい装着設定を採用しているが、新型はその美点をさらに輪をかけて磨き上げているといっていいだろう。なお先進機能やプレミアム装備も、新型は従来型よりも1歩以上リードしている。
新型

従来型
