新型車比較・ライバル車対決
更新日:2022.06.13 / 掲載日:2022.06.06
魅力先取り! 新型ステップワゴン【2】vs ノア/ヴォクシー:エクステリア
魅力先取り!! 新型ステップワゴンのすべて
【1】総論・プロフィール&速攻試乗
【2】vs ノア/ヴォクシー:エクステリア
【3】vs ノア/ヴォクシー:インテリア
【4】vs ノア/ヴォクシー:装備&ユーティリティ
【5】vs ノア/ヴォクシー:走り/メカニズム・結論
ホンダの定番ミニバンがフルモデルチェンジ! ハイブリッドシステムの刷新などで先行するライバルを追撃する。同クラスの強力ライバル、トヨタのノア/ヴォクシーと比べてみよう。
●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久
<比較検討> 新型ステップワゴン vs ノア/ヴォクシー
フル装備ならノア系有利
だが、グレード格差が大
2ℓ級1BOX型ミニバンはファミリー&レジャー用途の定番であり、適応用途だけでなくパッケージングや走行ハードの確立されたカテゴリーと言える。バリエーションや発展性を欠くとも言えるのだが、生活密着型のクルマならそれも当然。熟成洗練の結果だ。
今年1月のノア/ヴォクシーのFMCも生活密着型の実践力を軸としている。安価に提供されるスライドドア連動ステップ、サードシートの格納やパワーテールゲートスイッチの操作性の向上など、細かな使い勝手の工夫が施される。大物機能では半自動駐車システムへのスマホ・リモコン機能などもある。ちょっと便利から先進機能までという品揃えだ。
また、クラストップレベルの実用燃費を示すハイブリッド車だけでなく、ダイナミックフォースエンジンの導入によりガソリン車の動力性能と燃費の向上も図られ、走行性能もアップデートされた。
アドバンテージのある機能や性能の多さはノア系の大きなセールスポイントだが、特徴的な装備すべてを揃えるとクラスを超える金額に。そのため実用本位から先進機能満載までワイドラインナップで、相応に価格帯も広い。
一方、ステップワゴンはスパーダ系が2グレード設定になるがシンプルな構成。しかも、安全&運転支援装備や実用機能装備のグレード間格差が少なく、内外装の雰囲気で選び分ける車種構成。売れセン仕様に絞ったグレード展開と考えてもいいだろう。
セールスポイントを書き出せばノア系が魅力的だが、実用性のコスパで量れば大差ないとも言える。ステップワゴンは取り回し感覚やサードシートの格納性などグレードやOPによる差が出ない部分での扱いやすさが特徴でもあり、生活レベルでの細かな訴求点の違いや相性が両車の評価の決め手。個人的「お気に入り」要素の数も生活密着型では重要である。
HONDA 新型ステップワゴン
フルモデルチェンジでライバルを追撃!!
ホンダの定番1BOX型ミニバンが、家族の暮らしを支えるファミリーカーとしての側面を重視して刷新。運転ストレスの低減や、使い勝手の向上が見所だ。標準系は新たに「エアー」の名を与えられ、スパーダのみの設定だったハイブリッドが両タイプに設定されている。
TOYOTA ノア/ヴォクシー
不動のベストセラーがさらに便利で快適に
TNGA以前の設計だった従来型からフルモデルチェンジ(FMC)。ボディサイズなどは従来から大きな変更はないが、中身は刷新。走行性能はもちろん、安全運転支援機能もアップデートされている。使い勝手に関わる部分の行き届いた配慮も見所のひとつだ。
エクステリア
さりげない道具感覚で
新しい暮らしを予感
ベルトラインを水平基調とし、サイドウインドウ上下開口の絞り込みが少ないせいか、ステップワゴンは初代や2代目を思わせる外観となっている。ひとつは車両感覚の掴みやすさを求めた結果であり、また、広々キャビンの実用多用途志向のミニバンの外観での主張でもある。先代からは大分様変わりしている。小洒落た道具感覚が楽しい生活を予感させる。
ノア系は先代を踏襲。エスクァイアが整理されヴォクシーとの2車構成となっただけでなく、両車の外観上の差異も減少。先代対比ではノアに沿った感じだ。プレミアムやスペシャリティを演出する要素も加えて、イメージ面でも現代の標準の印象を覚える。
なお、取り回しのよさを特徴のひとつにしているステップワゴンの全長とホイールベースはノア系よりも長いのだが、最小回転半径は10㎝小さい。17インチ仕様では5.7mだが、16インチ仕様は5.4mであり、1BOX型ミニバンでは最小となっている。
それだけで取り回しが格段に向上するわけではないが、少しの嵩上げでもユーザー利便性の向上に寄与するなら積極的に取り入れるという姿勢を分かりやすい形にしたのがステップワゴンの外観だ。