新車値引き情報
更新日:2024.11.26 / 掲載日:2024.11.26
X氏の値引き大作戦 ジムニーから16.8万円引き!

最多出場のX氏、Kカーに挑む! 難攻不落の人気SUVに大苦戦!! 無理難題に起死回生の必殺技!!!
【プロローグ】 自慢じゃありませんが、月刊自家用車の愛読歴はかれこれ30年。これまで「値引き大作戦」には何回も出場させてもらっているので、「あっ、見たことある顔だ!」って気がつく読者もいらっしゃるかもしれません。
そうです、おなじみ、孫4人の“じいじぃ”X氏です(笑)。
最近、掲載されたのは2023年2月号なので、約2年ぶりの参戦。ちなみに、そのときは発売直後の新型シエンタから、付属品いっさいなしで約19万円引きを奪い取り、松本さんから採点5をいただいています。あっ、これ、自慢です(笑)。
現在、クラウンスポーツとヴェルファイア(40型)の2台を所有していますが、ふだん使いはもっぱらミラジーノ。このクルマ、長男の嫁さんの所有物。3年前から長男家族は海外に赴任中で、留守の間、「しっかりエンジンを回して、メンテナンスもしておくからね」と預っているわけです。
実は、いままで「軽自動車なんて……」と軽くみてました(ユーザーの方、ごめんなさい)。
しかし、実際に使ってみると、日頃の“チョイ乗り”には最適! いまやクラウンとヴェルファイアを押しのけて、我が家のファーストカーとなっています。長男の赴任が解けるのはまだ先なので、当分は乗っていられると思っていたのですが……。
先日、長男から「来年(2025年)4月頃、長女の受験対策のため嫁と子どもだけ帰国させる」との連絡が入りました。
となると、帰国と同時にミラジーノは返却となります。
しかし、すっかりKカーのある生活に慣れてしまったため、いまさらなくなるのはとても困る……というわけで、3台目として軽自動車を購入することになったわけです。
狙いは、最近続々と発売されているアウトドアテイストを加えたスーパーハイト系。ただし、「いちどは所有してみたい」と思っているジムニーも“大穴”として候補に加えました。
【交渉1日目(土)】 まずは三菱へ乗り込みました。応対してくれたのは30代半ばのセールス氏。デリカミニの走りは「可もなく、不可もなく」ですが、外観デザインは実にイイ感じ。
見積もりを出してもらうと、付属品がてんこ盛り。さらにメンテナンスパックやドラレコ/ETCも勧めてきます。
セ「せっかくだけど、クルマはスッピン状態で買うと決めているんで、付属品はいっさいなしです。それからドラレコとETCはネット通販で安く仕入れて自分で装着します。点検・整備も自らやるのでメンテパックも外して車両本体のみの見積もりをお願いします」
セ「わかりました」
いやな顔ひとつしないで了承してくれました。長年の経験からすると、こういうセールスさんとは長く付き合えます。
X「デリカミニって、納期はどれくらいかかりますか?」
セ「発売以来、好調な売れ行きをみせているので納車まで2~3か月かかります。値引きは4万円です。付属品なしだと、これが限界です」
●デリカミニ 値引き4万円 支払い総額219万円
う~ん……渋い。完全に予算オーバーです。
その足でダイハツへ。アポなし訪問でしたが、すぐに対応してくれました。担当は30代半ばの笑顔の似合う係長さん。
タントファンクロスに試乗中、車内での会話。
セ「実はタントは秋に仕様変更をして10万円ほど値上げになります。でも、在庫車なら値上げなしで即納が可能ですよ」
X「いや、すぐに納車となる必要はないんです。長男の家族が帰国するのは4月なので、その頃にタイミングよく、納車となるのが理想ですね」
セ「わかりました。でも、とりあえず在庫車にXさんが希望するタイプがあるかどうか、調べさせてください」
ショールームに戻って本格的に商談を開始しました。
セ「Xさん、ご希望のタイプの在庫がありました。これで見積もりを作ってみましょう」
X「付属品いっさいなしの車両本体のみでお願いします」
●タントファンクロス 値引き4万円 支払い総額195万円
ここも値引きは4万円と低調。在庫車だと納期が早過ぎるのも難点です。しかし仕様変更後のクルマを選ぶと10万円もアップするとのことなので、さらに腑に落ちません。結局、この時点でタントファンクロスはボツということにしました。
【2日目(日)】 私の住んでいるところは東京都内といっても県境が近いので、簡単に越境できます。
隣県のスズキの正規ディーラー、A店に出向きました。
スペーシアギアは発売前ですが、事前に電話で訊ねたところ「見積もりは可能です。先行予約もできるので、ぜひご来店を!」とのことでした。
出迎えてくれたセールス氏はミドルエイジのベテラン。
セ「発売前なのでギアの実車はありませんが、既存のスペーシアを試乗してください。外観は違いますが、エンジンと足回りは同じです」
走りは想像した通りでしたが、道路標識の認識機能があり、少しでも制限スピードをオーバーすると警告音が鳴ります。ちょっとうるさいかも(笑)。
セ「ギアの納期は最速で3か月くらいです」
X「4月にクルマが届けばいいんで納車は急いでいません」
セ「ご希望の納期に合わせることもできますよ。ぜひとも契約をお願いします!」
提示してきた総額は付属品いっさいなしで約217万円。
セ「これが200万円を切れば、いますぐ決めていただけますか?」
セールス氏の売る気はMAX状態。へたにその気をみせたら注文書を出してきそうです。
X「すみません、まだクルマ選びを始めたばかりなんです。他車との比較もしたいんで、もう少し待ってください」
とりあえず見積もりを出してもらうと、
●スペーシアギア 値引き18万円 支払い総額199万円
おおっ、最初から魅力的な数字を出してくれました。こういうパワフルなセールス氏を待っていたのです。そこでジムニーにも話をふってみました。
X「ところで、ひそかにジムニーに『いちどは乗りたい!』って思っているんです。でも、今でもけっこうな人気で、納期がめちゃ長いですよねぇ~」
セ「いや、以前は1年以上お待ちいただいていたのですが、最近はだいぶ落ち着いた感じです。10か月以内に納車となるケースが増えてきましたよ」
正直なところ「1年半待ち」とかいわれたら、即、ボツにするつもりでしたが、10か月以内に届くなら「待ってもいい!」って気持ちがあります。
本命が高すぎて買えない。大穴が納期短縮で急浮上
【3日目(土)】 この日も隣県に越境してホンダに乗り込みました。土曜日とあって商談テーブルはほぼ満席です。
応対してくれたセールス氏は30代後半のポッチャリ系。誠実そうな印象です。対象は近々発売されるN-BOXジョイ。カタログはないけれど、パソコンで画像を見せてくれました。
見積もりを出してもらうと、総額はなんと293万円! 付属品てんこ盛り/メンテナンスパックも計上されているとはいっても軽自動車で300万円近い値段には驚きました。
例のごとく諸々をしっかり削ったけれど、メーカーオプションを含めた総額は273万円。 すっかり戦意喪失……早々に引き上げました。本命のN-BOX、脱落です。
帰り道、スズキB店(正規ディーラー)の前を通りかかると、ジムニーの試乗車が置いてあるのを発見しました。
先日、スズキA店との商談で「納期が早くなった」という情報が心に深く刺さっています。ならば、乗ってみるしかない! アポなしで飛び込みました。
居合わせた30代半ばのセールス氏に試乗を申し込むと、即座に対応してくれました。車高が高く、軽自動車ながら見晴らしは良好。イイ感じです。
X「ジムニーの納期はどれくらいですか?」
セ「納期は早ければ10か月くらい、遅くとも1年くらいで納車できます。実は、私もオーダー中なんですよ」
X「へえ~、ボディカラーは何色にしましたか?」
セ「ベージュです」
X「おっ、私も、もしも買うならベージュって思っています」
セ「ベージュは他の色に比べて塗装を厚塗りしているので、お勧めですよ」
X「なるほど。ところで、値引きはどれくらいですか?」
セ「すみません、ジムニーは会社の規定で車両本体からの値引きができないんです。そのかわりご希望の付属品を7万円分、プレゼントします」
見積もりの諸費用欄を見ると、よくわからない手数料1万円が計上されていました。
X「これはなんですか?」
セ「当社の規定で他県のお客様にクルマを販売する場合、手数料がかかってしまいます」
なんとなく釈然としませんが、まあ、目をつぶりましょう。それよりまったく納得できないのが車両本体値引きゼロという規定ですね。
ともあれ、試乗した結果、ジムニーに大きく気持ちが動いてきました。ただし、今回購入する軽自動車は妻も運転するため、私の一存では決められません。
帰宅後、妻に相談を持ちかけました。
X「本命のN-BOXは高すぎるのでボツにしたよ。タントファンクロスも10万円値上げがあるし、値引きも思ったほど出ないのでやめよう。いまのところスペーシアギアが残っているけど、私としてはジムニーを選びたいと思っているんだ」
妻「え~、ジムニーってジープみたいなクルマでしょ」
X「ジムニーは日本が生んだ傑作車だよ。中古車市場では超人気車なのでとにかくリセール価値が強いんだ。次に買い替えるとき、めちゃくちゃ高値が期待できるぞ」
妻「えっ、そうなんだ」
X「同じくらいの値段でもスーパーハイト系より、ずっと高くなることは間違いないね」
妻「じゃ、賛成!」
よっしゃ! ターゲットをジムニーに変更します。
【4日目(日)】 スズキA店へ。例のパワフルなセールス氏が出迎えてくれました。
X「嫁が『ジムニーでもいい』といってくれたので、狙いを変更します。見積りをお願いします。スペーシアギアみたいに一発回答18万円引きになりませんか?」
セ「すみません、ジムニーは『値引きしない』という方針なんです。7万円引きが限度です」
●ジムニー 値引き7万円 支払い総額206万円
う~ん……これではとても買う気になりません。
よし、こうなったら近くのスズキの販売店を片っ端からまわって全制覇してやろう!
我が家から一番近いスズキC店へ。ここは正規ディーラーではなく、いわゆるサブディーラーです。応対してくれたのは店長さんでした。
●ジムニー 値引き8万円 支払い総額205万円
店長「青なら先行手配中のクルマがあります。これなら即納可能ですよ。ただし、即納車は引く手あまたなので、これを選ぶと値引きはゼロになります」
もちろん却下です。
続いて隣県のスズキD店へ。ここもサブディーラーで、整備工場が主体のお店です。
応対してくれたのはまたまた店長さん。しかし、いきなり「納期は1年半です」といわれて意気消沈。見積もりも取らずに撤退しました。ちなみに「値引きは7万円です。これしか出せません」とのこと。
次はスズキE店。ここは正規ディーラーですが、規模の小さいお店です。店内は家族連れの客で賑わっていて、商談テーブルは満席でした。応対してくれたセールス氏は超ベテラン。年齢は私よりも上かも……。
セ「最近、ジムニーは納期が早くなってきていますよ。うちはメーカーからの割り当て枠が多いので、他店より早く納車できると思います」
X「なるほど。付属品とかいっさいなしの“スッピン”状態で、車両本体から、いくらくらい値引きできますか?」
セ「ジムニーはあまり値引きできないんですが上司と掛け合えば10万円はいけるでしょう。でも、これ以上は無理ですよ」
しかし、見積もりをチェックしてみると、他店よりなぜか諸費用が3万円ほど高くなっているため、10万円引きでもありがたみはありません。
その夜、スズキA店の“パワフル”セールス氏から電話が入りました。
セ「あのあと、上司に相談したところ、支払い総額200万円にOKをもらいました」
ジムニー 値引き13万円 支払い総額200万円
う~ん……微妙な数字です。そこでお助けマン松本氏にメールでこれまでの経過を伝えてアドバイスを求めました。
《松本氏からの返信メール》
「ジムニーは付属品の値引きを含めて7~8万円でストップとなるケースが目立ちます。したがって車両本体から13万円引きなら特上クラスと考えていいでしょう。でも、Xさんは出場回数ナンバー1のレジェンドなので、あえてムチャぶりしちゃいます(笑)。ズバリ20万円引きを目標にしてください」
ありゃ、20万円って……松本さん、無理難題じゃないですか……いままでで一番追い詰められちゃいました(笑)
お助けマンがムチャぶり(笑) 本部決裁で限界を飛び越した!
【5日目(日)】 いよいよ勝負をかけます。スズキE店に電話を入れて、A店の支払い総額200万円を伝えると、
セ「わかりました。こちらも同じ数字にします」
さすが、超ベテラン、受けて立つ構えを見せてきました。しかし、同じ数字では決めることはできません。
こんどはスズキA店のパワフル氏に電話を入れます。
X「実は、別のスズキも200万円を出してきました。同じ数字なんで迷っています」
セ「う~ん……わかりました。あと2万円下げます。198万円で決めてください! ただしこれがぎりぎり限界です!」
X「わかりました。もう少し考えさせてください」
さて、どうしようか?
よし、あの超ベテランがいるスズキE店に勝負をかけてみよう。こういうときは頼りになるのはやっぱり年の功です。
スズキE店に乗り込みました。
X「別のスズキが198万円を提示してきました」
セ「えっ、じゃうちも同じ数字にしましょう」
X「いや、同じ条件なら先に出してくれたほうを優先します」
セ「…………」
X「そろそろ決着をつけましょう。支払い総額195万円ならばこの場で契約します!」
セ「う~ん……厳しい数字ですね……本部と交渉してみます」
待つこと20分。超ベテラン氏、笑顔で戻ってきました。
セ「Xさん、ふつうはジムニーでこんな条件、とても出せません。でも、なんとか頼み込んでOKが取れました!」
注文書に記載された値引き条件は16万7830円。逆算すると18万円引きをオーバーしているはずですが、諸費用などの一部を削って帳尻を合わせているようです。
ともあれ、目標の20万円には届かなかったけれど、難攻不落のジムニーに一矢を報いることができた!と満足しています。なお、納期は10か月程度とのこと。気長に待ちましょう。
購入データ
SUZUKI ジムニー
XC(4WD)
From 東京都
トータル値引き 16.8万円
値引き採点 5
サブディーラーも含めたスズキ5店をまわってジムニー同士の競合に持ち込む。付属品いっさいなしの“スッピン”状態で16万7830円引きなら大成功。値引き率は8%を超えている。