新車値引き情報
更新日:2025.02.26 / 掲載日:2025.02.26

X氏の値引き大作戦 ヤリスクロスから28.6万円引き!

抽選&時間制限……難関続出 関西のツッコミで反転攻勢 超人気のSUVを見事撃破

【プロローグ】 妹が乗っているアルトラパンは母からのおさがり。新車から14年が経過しているため、あちこち小さな故障が発覚していますが、そのつど修理対応しています。
 妹いわく「うさ丸はまだまだ元気! まだまだ走れる!」
 そんな折、母のトヨタ車が事故に遭い、代車を借りることになりました。妹が以前から気になっていたヤリスクロスを代車として指定し、これを乗り回したところ、「ヤリクロ、えぇなあ! やっぱ乗りかえよかなぁ」。
 もちろん“4台持ち”のクルマ好きお兄ちゃんとしては「おおっ、せやせや、買い替えや! まかせとき!」
 早速、顔見知りのトヨタのセールスさんに話を持っていきました。ところが、
「すみません、ヤリスクロスは売れすぎちゃって、いまオーダーを止めています」
 とのこと。結局、買い替えの話は頓挫……。
 しかし、しばらく経つと、前述のセールスさんから入電。
「Xさん、ヤリスクロスの注文が再開しました!」
 早速、妹に知らせると、一気に買い替えモードに!(笑)。
 予算は300万円。本命はもちろんヤリクロですが、ほかのコンパクトSUVも候補にあげて、しっかりクルマ選びをサポートします。
 さぁ、ゲートオープンだぁ!
 誰が栄光のトロフィー(契約書)を掲げるのか!!

【交渉1日目】 仕事帰りに日産へ。狙いはキックスです。
「うちの妹、クルマ買うたことあらへんので、交渉をまかされましてね。狙いはヤリクロとヴェゼル、クロストレック、それにキックスですわ」
「ぜひ、ご検討ください! 見積もりはこちらになります」
 提示してきたキックスの値引きは20万円。初回にしてはまあまあ頑張ってくれたようです。
 この時点で、すでに閉店時間をオーバーしていたので、突っ込んだ話は後日となりました。

【2日目】 本日も仕事帰りにディーラーまわり。地元のスバルA店に乗り込みました。
 私は「スバル車の安全性」を高く評価しているので強く勧めたいのですが、提示してきたクロストレックの値引き条件はたったの2万7400円……いくらなんでも渋すぎます。
「こっから、さらになんぼ勉強できますの?」
(指1本を出して)「クロストレックはこんだけなんです」
「10万円かぁ……」
「いえ、1%です」
「!? 少な!! フォレスターはどうですの?」
(指3本)
「30万円かぁ……」
「いえ、3%です」
 コントみたいな展開になってしまいました(笑)。
 それにしても、1%とか3%でどないせいゆうねん……。

【3日目】 「ヤリクロのオーダーが再開した」と連絡してくれたトヨタA店によれば、
「うちの営業所の割り当てなんですけどたった4台です」
「!? 少なっ!」
 とりあえず電話にて本格的に検討することを伝えました。

【4日目】 トヨタA店からLINEにて見積もりが届きました。はたして値引き条件は……あれ? 記載なし……。
「販売台数が限られているので抽選となってしまいます」
 う~ん……当選しないことには話になりません。
 抽選に外れることも想定して、ここはひとつ経営の違うトヨタの販売店をまわって、販売枠と値引き条件の獲得を探るしかなさそうです。
 ともあれ、ヤリクロを攻める前に他の候補車から好条件を引き出したい。そこで、ちょっとクルマを走らせて隣県のホンダA店に出向いてみました。
 経過を伝えて「妹は迷とるみたいなんですわ、ヴェゼルも有力候補ですわ」とやりました。
「おまかせください。できる限りご協力させてもらいます」
 ところが提示してきたヴェゼルの値引きは15万円。ライバル達が強力なので、いきなり30万円とか期待していたのだけど……ガッカリです。

【5日目】 午前中、トヨタA店の担当さんより入電。
「やりました! ヤリクロ、1台だけ枠取れました!」
「まじか! 月末の祝日に、妹と休み合うさかいに、そこで結論だすわ」
「無理ですわぁ……そこまで引っ張れんのです……」
「う~ん……じゃ、なるべく早く返事をするわ」
 その日の夜、妹と相談。
「タイムリミットがあるんやけど、どないすんねん?」
「あせって決めるんもなぁ……うさ丸、まだまだ動くし、可哀そうやん……」
「せやけど、ヤリクロ、引く手あまたの人気車やから、このチャンス逃したら、次いつ買えるかわからんぞ」
「そっかぁ……安く買えるなら(買い替え)ありかな」
「大丈夫や。トヨタA店からはいままで新車2台、中古車2台を購入しているんやから、きっちり詰めれば好条件が引き出せるで」
「じゃ、まかせます」
 相変わらず他力本願です(笑)。


ヤリクロ復活も……少なっ! 地の利を生かして越境じゃ!!

【6日目】 隣県のスバルB店に乗り込みました。
 提示してきたクロストレックの条件はメーカーオプション24万円/付属品20万2600円を付けて値引きは……たったの4万5400円。フォレスターも15万3600円引きと思ったより出ません。
 地元のスバルより頑張ってくれましたが、この程度では妹を説得することはできません。
 地元・滋賀に戻って日産と2回目の商談です。
「今日は妹のアルトラパンで来ました。下取り査定をお願いします」
 提示してきた査定額は10万円。キックスの値引き条件は車両本体とメーカーオプション5万5000円/付属品14万8670円から31万5100円引き。これで支払い総額は305万円。決めるとなれば300万円にはなりそうです。★ 隣県のホンダA店からメールで見積もりが届きました。
 ヴェゼルは車両本体と付属品22万9700円から17万7000円引きで、支払い総額は315万円。
 電話で下取りについて問い合わせると「他店と同じ10万円程度は可能」とのことなので、支払い総額は305万円まで下がりました。これでヴェゼルが有力候補に浮上です。
 隣県のトヨタB店からもラインで見積もりが届きました。この店でもヤリクロ1台を確保してもらえました。
 提示してきた条件はメーカーオプション19万2500円/付属品23万2100円から合計27万5100円引きで、支払い総額は305万円となっています。
「これが最終条件です。これ以下にはできません」
 夜、妹と相談した結果、ヤリクロとヴェゼル、そしてキックスの3車を候補として残すことにしました。

【7日日】 さぁ、やってきました、最終日! 泣いても笑っても、今日が最後です!
 じゃ、いってみよ!!!
 まずは“うさ丸”の買い取り値をチェックするため、朝一番で地元の中古車販売店へ。この店には過去に2台ほど高値で売却しています。担当者とはすっかり顔なじみです。
 早速“うさ丸”を査定してもらいました。
担当「社長に相談して後ほど買い取り値を出しますね」
 後ほど知らせてきた買い取り額は8万円でした。残念……。
 地元のホンダB店へ。ヴェゼルは発売から3年以上経っているので、いきなり大幅な値引きを出してほしいところです。
 しかし、提示してきた条件は車両本体と付属品22万8700円から12万6000円引き、下取り1万4000円で、支払い総額は約319万円! 
 上乗せを迫ったけれど、色よい返事は聞けません。うんざりして退店です。
 ここから最有力のヤリクロに攻撃を仕掛けます!
 地元のトヨタC店へ。この店舗とは相性が悪いようで過去に毎度敗退させられてます。
 顔見知りのセールスさんと商談開始。提示してきたヤリクロの条件はメーカーオプションと付属品の値引きを含めて32万2000円引き。
 おおっ、今回はやってくれました。ただし、下取り額は約2万円と低いため、支払い総額は300万円を超えています。
 うどん屋さんで遅めの昼食をとり、後半戦へ。
 アポなしでトヨタD店に寄ってみました。
 顔見知りのセールスさんにこれまでの経過を伝えると、いったん奥に引っ込んで、しばらくして戻ってきました。
「Xさん、店長決裁、取りました! これでどうでしょうか?」
 値引きの合計は28万6400円ですが、下取り額が約11万円なので、支払い総額は299万円となりました。
 続いてトヨタE店へ。
 しかし、この店では「ヤリクロの枠が確保できません」と、断られてしまいました。
 夕方、いよいよ「本命店」と考えているトヨタA店へ乗り込みます。地理的な条件を考えると、この店から購入するのが、妹にとってはなにかと便利です。セールスさんの印象も良く、ひそかに「この店で買わせたい!」と思っています。
「Xさ~ん、待ってました! よろしくお願いします!」
 早速、ヤリクロの条件を提示してもらいます。
 メーカーオプションと付属品26万6700円を付けて、値引きの合計は26万6700円、下取り額は8万9200円で、支払い総額は305万円となっています。
「こんなもんではうさ丸続投やな……」
「やはりポイントは“値段”ですよね」
「せやな」
「Xさん、わかっています。今日は限界の数字を用意しています。妹さんが来る前に見ますか? ちなみに、店長からは『これでだめなら断れ』っていわれています」
「とりあえず、みよか」
 提示してきた条件は値引き27万6500円、下取り10万9200円で、支払い総額は302万円。
「どうですか?」
「……あかんな……」
「え~、まじっすか……」


本部長に…☎やな(笑) ちゃっかり紹介料5千円

 ここで、事前に呼び出しておいた、前任者のNさん(現在は中古車部門に異動)が「お久しぶりです!」と、ようやく姿をあらわしました。時計はすでに19時をまわっています。
 Nさんはすかさず重苦しい雰囲気を察知したようで、
「まあまあ……話はこれからですよね。さぁ、始めましょう! Xさん、ご希望の数字は?」
「では、こちらの希望額を発表します! ダァーン! 支払い総額299万円! ガソリン満タン! 持ち込みのドラレコとTVキャンセラーの取り付け工賃サービス! それに希望ナンバー!」
(テーブルに突っ伏して)「……無理や……」
「これでいこ!」
「Xさ~ん、無理や……」
(突っ伏したまま)「……」
「本部長に……(電話のジェスチャー)……やな?」
(テーブルから顔をあげて)「まぁ……そうなりますよね……お待ちを……」
 担当セールスさん、バックヤードに引っ込みました。
 私はアイス抹茶ラテをチャージしながら、Nさんと雑談していると……、
「あれ? 駐車場にレクサスLSが入ってきましたよ。Xさんのクルマに似てますね」
「あぁ、あれ、わしのLSや。今日は査定のために、わしが“うさ丸”乗ってきたさかい、妹に貸しとってん」
「ああっ、なるほど……」
 妹、駐車に大苦戦(笑)。何回も切り返しながら、なんとかピットインしました。
「お待たせですぅ。すみません~」
 時間は19時50分。
 店内にお客は我々だけしか残っていません。
 ここで担当セールスさんが戻ってきましたが、あれ? なんか雰囲気は暗い……。
「……う~ん……」(パソコンを叩き始めました)
「いけるやろ」
(無言でパソコンの画面をこちらに向けました)
 提示してきた条件は車両本体とメーカーオプション18万9200円/付属品23万5400円から値引き28万5730円、下取り10万9170円で、支払い総額は300万円。
「なんとか、これでお願いします。ただいろいろ制約がありまして……整理するとこんな感じです」
•持ち込みドラレコとTVキャンセラーの工賃サービスは勘弁してもらいたい。
•ガソリンは半タンならOK。
•納車が遅れた場合、代車を無料で貸し出す。
 ドラレコは私が自分で取り付けることにしました。
 また、聞けば「社外品のTVキャンセラーは不具合のリスクが高い」とのことなので、ディーラー推奨品を購入することにしました。ちなみにTVキャンセラー(定価5万6000円)は値引きしてもらって、4万3000円となりました。
 ナンバーフレームに関してはNさんが「中古車センターであまっているのをプレゼントします」とのことです。
 私としてはもうひと押ししたかったところですが、妹が納得したので、これにて契約となりました。
 しかし、注文書にサインする直前になって、翌週の「新車成約特典」のチラシを発見。なんと、私の大好きなウェルチのミニ缶24本入りをプレゼントと記されています。
「ちょっと待った!(チラシの特典を指さしながら)契約は来週にしよか?」
「いや、この場で契約してください。成約特典は今週に繰り上げます。ウェルチのミニ缶1箱、プレゼントしますよ」
「チラシには2箱プレゼントってあるで?」
「いやぁ、さすがに厳しいですよ……」
「大丈夫や。いまさら1箱も2箱も一緒やで」(笑)
「わかりました。適当にいいわけして出します」(笑)
 さらに「妹を紹介した」ということで、ちゃっかり紹介料5000円もゲットです。
 時計を見ると22時近い。
「おおっ、思いのほか、はよ終ったなぁ」
「ほんまですね! Xさんにしては早いわ」
「え~? これで早いんですかぁ?」
「うん、自分のクルマやったらてっぺん(24時)回ってたやろな。あの金額ではハンコ押せへんからな」(笑)
「でしょうね。プレミオの時はまいりましたよ……」(笑)
「まぁ、担当さん、次は覚悟しときや」(笑)
「まじかぁ……(笑)覚悟しときます」
“うさ丸”を妹に返して、LSにて撤収します。
 バックミラーを見ると、現担当セールスさんと前任のNさんが深々とお辞儀してお見送りしてくれました。こういうところに感動して「また次も!」ってなるんですよね……(笑)。

購入データ
TOYOTA  ヤリスクロス
ハイブリッドZ
From 滋賀県

トータル値引き 28.6万円
値引き採点 5
車両本体とメーカーオプション18万9200円/付属品23万5400円から値引き合計は28万5730円。値引き率は8.8%。下取り車の約11万円はかなりの高取り。合わせ技で採点は「5」。


トヨタ ヤリスクロスの中古車を探す
  • 支払総額:293.8万円
  • 車両本体価格:286万円
  • 車種 : ヤリスクロス
  • 年式 : 2021年
  • 走行距離 : 1.6万km
  • 車検: 検8.7
  • 支払総額:254.1万円
  • 車両本体価格:243万円
  • 車種 : ヤリスクロス
  • 年式 : 2021年
  • 走行距離 : 2.4万km
  • 車検: 検8.9
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内外出版/月刊自家用車

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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