新車値引き情報
更新日:2025.04.27 / 掲載日:2025.04.26
X氏の値引き大作戦 デリカミニから27.7万円引き!

流行の軽SUVが初登場。強気のセールスに大苦戦。どうする!?どうなるX氏
【プロローグ】 現在乗っている“ベンツちゃん”は今から26年前「絶対に10年は乗るから!」と、妻に土下座して購入しました(笑)。ちなみに値段は5年落ちで450万円。
ところが、私のベンツ愛は10年経っても20年経ってもいっこうに冷めません。維持費も高くなり、妻からは「いい加減に買い替えたら……」といわれ続けていますが、なかなか踏ん切りがつかないのです。
妻「このクルマ、乗り心地悪くなってない? 結構跳ねるよ」
X「そういえば、車検のとき、整備士さんから『そろそろ足回りに手を入れたほうがいいですよ』っていわれたなぁ~」
妻「それって、修理代、結構かかるよね、もう十分乗ったから、そろそろ買い替えたら?」
X「30年間、頑張ろうと思っていたんだけど、たしかにいろいろガタがきているなぁ~」
妻「この前、CMを見て『ちょっといいかも!』って、いってたクルマ、何だっけ?」
X「デリカミニ!」
妻「それにすれば。あれ、かわいいし、私も好きだな」
X「じゃ、とりあえず月刊自家用車のX氏に応募させてくれ。もしも採用になったら買い替える。約束するよ」
このときは正直「どうせ、当たらないだろう」と、高を括っていたのですが、しばらくして、なんと当選の通知が……。
これで決断! いいきっかけになりました(笑)。
狙いは軽スーパーハイトワゴンのSUVタイプ。本命はもちろんデリカミニ。対抗はスペーシアギアとN-BOXジョイ。
クルマ選びはコストパフォーマンス重視! オプションはできるだけ控えて、ナビやETC、ドラレコはカーショップでお買い得品を買うつもりです。なお“ベンツちゃん”は買い取り専門店に売却するので「下取り車なし」で交渉します。
【交渉1日目(土)】 私の住んでいる地域は距離的に都内よりも隣県のディーラーのほうが近い。そこで越境交渉をメインに商談を仕掛けることにした。
まずは隣県のダイハツを訪問してタントファンクロスに試乗。ターボ車なので出足に不満なし。走りも軽快だ。ただし、後席の運転席側にアシストグリップがないので、足の悪い母が乗り降りするのに不便そうだ。
試乗を終えてショールームに戻ると見積書ができていた。
セ「車両本体からの値引きはほとんどできないんです。せいぜいフロアマットを無料サービスにするくらいですね」
これではまったく買う気にならない。アシストグリップのこともあり、候補から脱落。
次はホンダ。対象はN-BOXジョイ。相手はイケおじ風のセールスさん。見かけはちょっとチャラいが、商品の説明は親切で好感が持てる。
N-BOXに試乗。走りはじつにスムーズ。エンジン音はタントより静かだ。ただし、内装の色使いがポップでちょっと安っぽく感じる……まあ、これは好みの問題だけど。
X「値引きってどんな感じ?」
セ「ジョイは売れているんであまり引けないんです。片手くらいですね」
X「片手って50万円?」
セ「いやいや、そんなに引いたら会社、潰れちゃいます。5万円ですよ」(笑)
X「~ん……じゃ、本気で考えるっていったら?」
セ「できる限りのことをしますよ。N-BOXが最終候補に残ったら必ず来てくださいね」
このセールスさん、手の内を明かさない。なかなかのやり手っぽい……名刺の肩書を見たら副店長だった……納得。
【交渉2日目(日)】 昨日に続いて本日も隣県のディーラーをまわる。まずは事前にアポを取っておいた三菱A店へ。相手はベテランだが、おっとりしていて、ちょっと頼りない感じだ。
デリカミニを試乗。足回りがちょっと硬い感じがするが、とにかく走っていて楽しい!
X「デリカミニって、値引きはどんな感じですか?」
セ「あまり値引きできないんですよね。まあ、話が具体的になったら少しはできると思いますけど……」
見た目の通り、頼りなくて、ヤル気が感じられない、正直なところ、このセールスさんとは馬が合わないようだ。
続いて隣県のスズキA店へ。折しもフェア開催中。お客で賑わっていて活気がある。対象は第二本命のスペーシアギア。
“ちっちゃ”可愛いセールスレディさんが応対。ちょっと親戚の娘に似ていて、なんかやりにくい(笑)。
セ「ほかにはどんな候補車をお考えですか?」
X「デリカミニとかN-BOXジョイが気になってます」
セ「クルマには自信があります! ぜひ他社さんと比べてみてください」
X「どれも個性的で魅力的ですね。結局、値引きしだいかな……どれくらいできそう?」
セ「頑張りますよ!」
このセールスレディさん、具体的な数字を提示してこない。こういうときは「いくらなの?支払い条件がわからなければ比べられないよ」などと突っ込むところだが、親戚の娘を相手にしているような気がして厳しい言葉が出てこない。
X「最終候補に残ったら無理をお願いするかもしれません」
セ「頑張ります! ぜひうちから購入してください!」
相手は売る気満々なんだが、こちらが本気でぶつかれない。私の弱点は若いセールスレディさんだった(笑)。
「売れてるんで引きません」。どこも“片手”でストップ
【交渉3日目(日)】 我が家から一番近い都内のスズキB店へ。お笑いタレントの“ひょっこりはん”似のセールスさんが登場。このタイプならセールスレディさんとは違って、心置きなく攻めることができそうだ(笑)。
提示してきたスペーシアギアの値引きは3万円で、支払い総額は240万円弱。
X「軽自動車とはいっても、かなりの金額になるね」
セ「そうなんです、スイフトのほうが安いくらいなんです」
X「納期はどれくらい?」
セ「スペーシアギアは結構オーダーをいただいているので、3~4か月ぐらいかかります。いまも受注が増え続けているのでさらに延びるかもしれません」
X「そんなに売れてるんだったら、3万円引きで終わりってことはないよね?」
セ「~ん……値引きはあまり大きくはできないんですが、いまなら車両本体値引き3万円に加えて3万円相当の付属品が無料サービスできます」
X「実際に買うとなったら、もっと頑張ってくれるよね?」
セ「決めていただけるなら、ご相談には乗りますよ」
見積もりがひと通り揃ったところで家族会議を開催する。
私が推すデリカミニに妻も賛成してくれたので狙いを絞ることにしたが問題は値段だ。三菱A店のセールスさんは頼りなくて大幅な値引きが狙えそうにない。そこで、経営の違う三菱とも商談して同士討ち作戦を実施することにする。なお、候補にあがっていたルークスはデリカミニの魅力が大きく勝るため、商談はパス。
【交渉4日目(土)】 都内の三菱B店にアポを取って訪問。セールスさんは俳優のムロツヨシ似で、とても明るい。
デリカミニにもう一度試乗。前回は2WDだったが、今回は4WDだ。地面をしっかりとらえている感じで乗り心地がいい。坂道も後ろから押されているかのようにぐいぐい走る。
やっぱり買うならこれだ!
X「スペーシアギアやN-BOXジョイも有力候補として検討していますが、私はデリカミニを推しています。ただし妻がちょっとねえ……」
セ「奥様はデリカミニをどうおっしゃってるんですか?」
X「CMで見たときは『かわいいクルマね!』って乗り気だったんだけど、価格がわかったら『え~っ、高~い!』ってなっちゃったんだよね」(笑)。
セ「問題は値段ですか……」
X「でも『安くしてもらえるなら買ってもいいんじゃない』っていっているんで望みは十分にありますよ」
セ「奥様も運転なさるんですか?」
X「ペーパードライバーなんですが『デリカミニなら運転したくなるかも!』っていってます。今日も出かけるときに『しっかり値引きしてきてね!』って声をかけられましたよ」(笑)
セ「わかりました。では、見積もりを出してみます」
提示してきた見積もりを見ると支払い総額は220万円。
おおっ、安い! ところが、よく見たら、
X「あれ? この見積もり、2WDになってるね? 希望は4WDなんだけど……」
セ「あっ、すみません、間違えました。作り直してきます」
X「いいですよ、わざわざ作り直さなくても。4WDでこの値段でいこう!」(笑)
セ「え~、さすがにそこまではできません。作り直します」
X「220万円なんて数字見ちゃったからなあ~~盛り上がった気持ちが冷めるようなことはしないでね」(笑)
しばらくして4WDの見積もりができてきた。車両本体と付属品6万1380円から値引き13万1580円で、支払い総額は235万円。
セ「デリカミニとしてはギリギリの数字を出しました」
X「ん~……220万円を15万円もオーバーしてますね」
セ「残価設定型ローンを組んでいただければもう少し上乗せできるのですが、現金一括払いだと厳しいんですよね。でも、買っていただけるなら頑張ります!」
とても感じがいい。「この人から買いたい!」という気持ちにさせてくれる。
【交渉5日目(日)】 三菱A店へ。例のちょっと頼りないセールスさんと2回目の商談。
X「いま出せる限界の見積りをお願いします」
しかし、提示してきた条件はたったの3万円引きで、支払い総額は244万円超。
X「値引きはこれだけ?」
セ「はい、これが限界です」
まったくヤル気が感じられない。聞けば「来月から担当セールスさんが変わる」とのこと。新担当に期待しよう。
救世主ムロツヨシ参上!? 最後はデリマル攻防戦(笑)
【交渉6日目(日)】 月が替わったところで、再び三菱A店へ。
新しい担当さんは某寿司チェーンの社長みたいな風貌。これは一発逆転ありかも?
セ「見積り金額は前任と変わりません。デリカミニは人気があるので値引きはできませんが、Xさんがご希望のタイプは店舗発注分が今月半ばに入ってくるので納期は早いですよ」
X「納車は急いでいないんです。3万円の値引きじゃ、とても買う気がおきないよ~」
セ「お力になれずすみません」
ダメだ、こりゃ。
【交渉7日目(日)】 フェア開催中の三菱B店へ。ショールームの商談スペースはほぼ埋まって活気がある。先週の三菱A店と大違いだ。“ムロツヨシ”さんと商談を開始。
X「他社も魅力的で迷いましたが、やっぱりデリカミニがいいかなと思っています。ほかの三菱とも商談したけれど、セールスさんの信頼感とやる気度を比べた結果、こちらに勝負をかけたいと思っています」
セ「ありがとうございます!」
X「条件しだいでは決めるつもりで来ました。ほら、この通り印鑑持参ですよ」(笑)
セ「最近はサインで大丈夫なんですよ」
X「あっ、そうなんだ。まぁ、それだけ買う気満々ってことは伝わったでしょ」(笑)
セ「はい、伝わってます!」
X「ところで現金一括払いってことにしていたけれど残クレを利用すると値引きがアップできるってことでしたね」
セ「はい、その通りです。残クレで、お願いしたいですね」
X「で、確認なんだけど、途中で全額支払って、残クレを清算してもOKだよね?」
セ「はい、大丈夫です」
X「全額返済すれば利息も繰り上げた期間分、低くなるわけですね」
セ「はい、利息は減ります。全額返済をする際、計算書をお出しします。支払いが完了すれば所有権解除などの手続きはこちらで行うのでお客様は心配する必要はありませんよ。ぜひ残クレを利用してください」
X「わかりました。協力しましょう! で、支払い総額なんだけど、前回間違っていたとはいえ、220万円って見積りを見てしまったんで、すごく期待しちゃってるんですよね」(笑)
セ「……(苦笑)……」
X「残クレを利用するってことで無理を承知でいいます。支払い総額220万円にして、マッドフラップとETC2.0を無料サービスにしてください。それなら契約します!」
セ「ん~~~それはかなり難しいです……」
下を向いて考え込んでしまった。そのまま沈黙。
X「じゃ、ETCは1.0でもいいからお願いします!」
セ「ん~~ちょっと上と相談させてください」
しばらくして戻ってきた。
セ「220万円は、さすがにどうやっても無理です。利益が出ません。いまできる限界の数字はここまでです」
車両本体値引き16万9070円、付属品(14万5300円)値引き8万3920円で、支払い総額は230万円。
セ「すみません、ここまで大幅な値引き条件を出すと『キャンペーン中のデリマルのぬいぐるみはプレゼントできない』そうです。ご了承ください」
X「気持ち、あと2万円くらい何とかなんない?」
セ「230万円がもう本当に限界の数字です。あと、私からのプレゼントってことで希望ナンバーをサービスします! 決めてください!」
X「妻に相談させてください」
その場から電話して、妻にここまでの経過を伝える。
妻「あなたが納得してるなら契約してもいいんじゃない。でも、デリマルのぬいぐるみは欲しいからなんとかしてね」(笑)
再び商談開始。
セ「OK、出ましたか?」
X「ごめ~ん、妻に『デリマルのぬいぐるみが欲しい!』っていわれたんで、プレゼントしてもらえませんか? できれば大きいの!」
セ「え~さすがに大きいデリマルは無理です……あれって2万円もするんです……では、奥様へのお土産ってことで手乗りデリマルなら何とかします」
X「手乗りか~……抱っこデリマルは無理?」
セ「抱っこは無理です……ん~~~じゃ、デリマルキーホルダーをプレゼントします。鍵に付けたらかわいいですよ。奥様、喜ぶと思います。これでお願いします!」
X「よし、頑張ってくれたんで決めよっかな。ちなみにガソリンは何リッター入ってるの?」
セ「規定では5リッターです」
X「5リッターじゃ、家まで乗って帰るのに心もとないんで、満タンでお願いします。OKならこれで決めます!」
セ「もうかなり厳しいんですが……なんとかしましょう!」
X「決めましょう! 無理ばかりいってすみませんでした」
注文書の最終的な表示は車両本体値引き16万9070円、付属品(16万9760円)値引き10万8380円。値引きの合計は27万7450円。
ムロツヨシさん、お疲れさまでした。今後もよろしく!
【追記】“ベンツちゃん”は買い取り専門店に75万円で売却。思ったより高値が付きました。
購入データ
MITSUBISHI デリカミニ
Tプレミアム(4WD)
From 東京都
トータル値引き 27.7万円
値引き採点 5
車両本体16万9070円引き、付属品(16万9760円)10万8380円引きで合計27万7450円引きに成功。値引き率は11.4%。デリカミニからここまで取れたら文句なしのウルトラCクラスだ。