新車値引き情報
更新日:2021.02.10 / 掲載日:2018.04.26
【新車値引き購入事例】奥様の交渉でステップワゴンを30万円以上値引き?

From茨城県
HONDA ステップワゴン
スパーダハイブリッド Gホンダセンシング
36.0万円引き
“ホンダの壁”にまさかの降伏!? 起死回生、奥様が実家爆弾投下! 「社長に殺されちゃいます」(笑) 日産「私は本部長と飲み友達!」
【プロローグ】 8年前に購入したフォレスターは僕たち家族にとって素晴らしいクルマで「壊れるまで乗るぞ!」と思っていました。
ところが、最近、その気持ちに劇的な変化が起きたのです。
毎年恒例の沖縄旅行に行った際、レンタルしたフリードでACCとLKASを体験し、最新の自動運転技術に感動! 運転にゆとりができると車内での会話が弾み、ドライブの楽しさが倍増するということに気がついてしまったのです。さらに小さい子供がいる場合、「乗り降りはスライドドアが格段に便利」ということも認識しました。
すると、素晴らしいと思っていたフォレスターに多少ともストレスを感じるようになってきました。そんな僕の気持ちの変化を、妻は素早く察知して、
「沖縄旅行のときに乗ったクルマ、すごくよかったね。予定より少し早いけど買い替えようか。同僚のママ友がステップワゴンに乗っているけど、子育てにはとても使い勝手がいいそうよ」
というわけで、晴れて新車購入に踏み切ることとなりました。
候補の絶対条件は「乗り降りしやすいスライドドア」。さらに祖父母や妹夫婦とも一緒に出掛けることがあるので7~8人乗りも外せません。もちろん自動ブレーキなどの先進の安全装備も有力な条件だし、できたらACCとLKAS、妻のために駐車サポート機能も欲しいところです。これらを踏まえて選考したところ、別記の5車が候補にあがりました。
商談では、「ふだん使用するのは僕だが、経済的な決定権は妻にある」「僕はクルマを買い替えたいけど、妻は強くは望んでいない」という立場をはっきりとアピールすることにしました。
また、妻には、「欲しいのはライバル車かな」という雰囲気を出してもらうこと。さらに、「それぞれのクルマの弱点をそれとなく突いてもらう」という二つをお願いしました。
すなわち、X氏シリーズではおなじみの“妻は抵抗勢力”作戦というわけです。
下取り車のフォレスターは走行距離8万km。松本さんによれば「8年落ちなので、まともに査定すると30~40万円ですが、ボディカラーは人気のブラックだし、状態もいいので、かなり上乗せがききます。ディーラーへ下取りに出すより買い取り店のほうが高値になる可能性があります」とのこと。
そこで、事前にインターネットを通じて複数の買い取り専門店にみせてみました。すると、30万円という店もありましたが、一番の高値は60万円! これを目安に下取り額を評価します。
【交渉1日目】 我が家からクルマで5分のホンダA店へ。電話でアポをとっておいたので、すぐに応対してくれました。
営業さんは40代前半で、清潔感あふれるイケメン。ステップワゴン・ハイブリッドの特徴をしっかり説明してくれましたが妻にはチンプンカンプンのようです。
妻「セレナとかヴォクシーに比べて価格が高いですよね。ガソリン車でもいいじゃない?」
セ「ハイブリッドは加速が違います。とくに高速道路では実力をフルに発揮しますよ。それにガソリン車に比べて、リセールが高くなります」
妻「リセールって?」
X「下取りの値段が割高になるってことだよ」
妻「こんど新車を買ったら長く乗るつもりだから、次に売るときのことなんて関係ないよね。実は、仲のいいママ友がステップワゴンに乗っているんで、被っちゃうのはちょっとねえ…」
ふだんは優しい妻ですが、やるときはやります。しっかり抵抗勢力を演じてくれました。ここで僕が営業さんをフォローします。
X「ステップワゴンにはACCとLKASが付いているんで、長距離の運転の時には助かるな。沖縄旅行の時もそう思ったよ。もし予算に収まるのなら、ホンダセンシングにしたいと思っています」
セ「ハイブリッドは値引きが難しいのですが、頑張ります!」
X「お願いします。日産と商談の約束をしているので、今日はここで引き上げますね」
試乗の予約をして店を出る。
日産に到着。担当さんは30歳ぐらいでやっぱりイケメンです。この人、妻を意識した営業スタイルで、説明がとてもわかりやすい。妻は笑顔で何度もうなずく。さらに営業所の駐車場でパーキングアシストを試して、すっかりセレナを気に入ったようです。
しかし、セレナの値引きはたったの10万円。装備・付属品を49万円も付けているのに、これではまったく気持ちが動きません。セ「値引きの上乗せは次回までの宿題とさせていただきます」
妻「買うとなったら50万円ぐらい引いてくれるんでしょ?」
セ「………」
さすがに顔が引きつっていました。それにしても胸がすくようなツッコミでした。
妻がツッコミ♪ 夫がフォロー 前代未聞! 試乗車のカギがない!?
【交渉2日目】 ネッツ店へ。今回の商談から娘(2歳)も参加です。まずはヴォクシーに試乗。素晴らしい! 車体の大きさを感じさせないパワーと安定感です。
しかし、商談に入ると、
セ「値引きは5万円です」
一気に買う気が失せる。ちなみに、娘だけはお店の女の人や他のお客さんの子供たちに遊んでもらって、とてもご機嫌でした。
次は三菱。デリカシリーズのデリカD:5には他車を圧倒するような大幅値引きを期待しましたが、提示してきた値引き条件はわずか14万円……。
今回は見送ることにしました。
【交渉3日目】 ホンダA店にてステップワゴンを試乗。おおっ、ヴォクシーより力強い! エンジン排気量以上のパワーと加速が感じられます。やっぱりこれがいい!
営業所に戻って商談を開始。セ「下取りは50万円です。値引きは車両本体から10万円、付属品から3万円です」
これを聞いて、みるみる妻の機嫌が悪くなる(笑)。支払い総額は346万円でした。
X「いやー渋いですね、実は、予算は300万円なんですよ」
セ「うーん…ハイブリッドは値引きが厳しいんですよね」
妻「………」
セ「まあ、この値段はあくまでも参考です。もし決めていただけるなら、何とかします」
妻「何とかってどのくらいですか? 少しじゃ駄目よ」
セ「頑張ります!」
ほんと頼みますよ。娘がぐずりだしたので、この日は終了。
【交渉4日目】 日産へ。セレナの試乗に出向く。ところが「試乗車のカギが見つかりません」。営業さんはただオロオロするばかり。そのまま45分も待ちぼうけ。結局、カギがみつからないため試乗は後回しにして商談を開始する。
セレナの値引きは17万円、下取りは50万円で、支払い総額は298万円と出ました。
X「えっ、こんなもんなの? これでは買えないよ」
セ「これ以上の値引きとなると、お客様のご協力が必要です」
X「協力って? できることならなんでもするけど」
セ「当社指定のクレジットカードに入っていただき、分割払いをしていただければ……あと自動車保険の案内もございまして……」
X「もし言う通りにしたら、ここからいくら安くなるの?」
セ「3万円ぐらいは……」
妻「えーそれだけ協力したら50万円引きじゃないんですか?」
X「50万円引きなんて、セレナが生産終了になる時でもない限り、あり得ない数字です。現状は20万円引きで限界ですね」
はぁー悲しい……期待していた分、なんだかとてもがっかりしてしまいました。なお、試乗車のカギは結局、みつかりませんでした。
夫婦揃って意気消沈。本命のステップワゴンと対抗のセレナが予想外の不調……このままではクルマの買い替えを断念しなければならない。ここで、妻が起死回生のアイデアを出してきました。
妻「実家のお父さんに『ホンダの営業さんを紹介して』って頼んでみようか?」
X「おお、いいかも!」
妻の実家では義父と二人の妹がそれぞれホンダ車に乗っています。この3台を購入した営業さんならかなりむちゃをしてくれそうです。ただし、その営業さんが勤めるホンダB店は隣県のディーラーで、我が家からは片道2時間もかかるというのがネックです。それに越境作戦を仕掛けるにしても、まだちょっと材料不足。地元のホンダとの交渉がもう少し煮詰まってからにしたいところです。
X「今からホンダA店に一人で行ってきていいかな?」
妻「いいけど一人で決めたら駄目よ。絶対に私に相談してね」
当然です。言われるまでもなく、そう簡単には決めませんよ。
アポをとって、夕方、ホンダA店へ。まずはヴォクシーとセレナとの競合をあおって、
X「僕は先進安全装備とハイブリッドのステップワゴンが一番気に入っていますが、妻にメカニズムの素晴らしさを説明しても、なかなか理解が得られません。値段の差が縮まらないと、トヨタか日産になってしまいます」
セ「……うーん……」
X「実は、妻に『ハイブリッドならヴォクシー、自動運転ならセレナ、このどちらかに決めて』と迫られているんですよね」
セ「……うーん……」
X「中途半端な値引きでは妻を説得できません。僕はステップワゴンに乗りたいんです! 他車と比べて支払い総額が多少高くなっても値引き額さえ何とかしてもらえれば妻を説得します!」
セ「少しお待ちください」
10分ほどで、優しい笑みをたたえながら戻ってきました、でも、目はとても真剣です。
セ「支払い総額を325万円にします。値引きは28万7000円で、下取りは55万円です」
X「下取りは買い取り専門店に売るかもしれません。下取りなしでもかまいませんね」
セ「はい、かまいません」
やった! 大きく前進です。買い取り専門店に60万円で売却すれば、実質的な支払い総額は320万円まで下がります。
X「ありがとうございます。一度帰って妻に相談させてください」
セ「わかりました」
帰宅。妻が義父に連絡してくれたとのこと。明日、ホンダB店から電話が入るそうです。
殺し文句は「無理しないでね」電話で迫って36万円+高取り!
【交渉5日目】 ホンダB店から電話が掛かってきました。義父が懇意にしている営業さんはなんと、支店長に出世していました。ただし、ホンダA店の営業さんの頑張りを目の当たりにしているため、僕としてはあまり積極的になれません。
X「地元のホンダさんは当初『ステップワゴンのハイブリッドはあまり値引きできない』ってことでした。そこでヴォクシーかセレナに傾いたんですが、昨日、地元がかなりの数字を出してくれました。で、現在、ステップワゴンが最有力候補になっています」
セ「お世話になったお父様からの紹介なので、社長の決裁を取り付けてでも頑張ります! ぜひやらせてください」
X「でもね、そちらは遠いので、商談に出向くのはちょっと……」
セ「大丈夫です! 電話とメールで条件をお知らせします」
ハキハキと元気がいい。明るく誠実な人柄が伝わってきました。30分後、再び電話。
セ「Xさん、27万円引きにします。どうですか?」
X「あれ、それでは地元の店とほとんど変わらないなあ」
セ「ぶっちゃけ、地元の値引きと下取りはいくらですか?」
X「値引きは28万7000円で、下取りは55万円です」
セ「えー厳しいなあ」
X「そうですよね、急な話ですし、あまり無理していただかなくてもいいですよ」
セ「わっ、待ってください! 1日だけ時間をください! それまで地元で決めないでくださいね。とにかく頑張ります!」
このあと下取り車の装備や状態を細かく説明して車検証の画像をメールで送りました。どうやら実物を見ないで査定するようです。なお、ホンダA店の見積もりに計上されていた点検パック(12万円)は「B店は遠いので点検や車検に出向くのは現実的ではない」という理由で外してもらいました。
【交渉6日目】 ホンダB店から電話。
セ「まだ決めていませんよね?」
X「はい、電話を待っていました」
セ「値引きは36万円です。ご希望の装備・付属品を付けて支払い総額は360万円になります。下取り車は55万円から60万円は出せると思います」
おおっ、凄い! 下取り額を60万円とすると、差し引き支払い総額は300万円。なんと、予算ジャストになった!
セ「どうですか?」
X「ありがとうございます! いま妻は仕事中で連絡が取れません。返事は少し待ってもらってもいいですか?」
セ「大丈夫です。ただし、今日の夜までにお願いします。実は夜、今週の販売報告を社長にするんですが、そのどさくさに紛れて通しちゃいます」(笑)
さりげなく今日中に決める流れになってしまいました。これが若くして支店長に上り詰めた営業さんの腕前なのかな?
ともあれ、一時は実現不可能とあきらめていましたが、ついに300万円まできました、これなら妻も文句ないでしょう。
このあと買い取り専門店から「今週中にフォレスターを引き渡してくれれば60万円+αで買い取ります」との連絡が入りました。しかし「納車まで2か月かかるので、その間、クルマなしの生活はできない」という理由でお断りしました。ちなみに買い取り専門店は「納車まで代車を出します」と言ってきましたが、聞けば軽自動車とのこと。しかも低年式のようです。妻にこのことを伝えると、案の定、「代車なんて絶対嫌だ。納車までフォレスターに乗っていたい」とのことでした。
早速、家族会議を開きました。妻「さすが、支店長さんね。ホンダB店に決めましょう。300万円でステップワゴンが買えるならセレナはあきらめるわ」X「ホンダB店は遠いというデメリットがあるけれど、メインテナンスはこちらのホンダに出すこともできるので、さほど不便にはならないよ。A店の営業さんには丁重にお断りしよう」
ホンダB店に電話を入れる。セ「Xさん、お待ちしていました。どうですか?」
X「先ほどの条件で、よろしくお願いします」
セ「わかりました。ありがとうございます!」
X「ところで車庫証明の手続きはこっちでやりますね。遠いからそのほうがいいでしょ。以前やったことがあるので任せてください。車庫証明費用のカットで2万円ほど安くなりますね」
セ「わかりました」
X「それからフォレスターの下取り額なんですけど、55万円から60万円でなく、この場で60万円に確定してください。下取りを出すと、下取り費用や査定料がかかってくるかもしれないけど、これはリサイクル料の戻し分と相殺ということでいいですよね?」
セ「わかりました。60万円に確定します。下取り関係の費用はいただきません」
X「これで支払い総額は298万円ということになりますね」
セ「はい、298万円にします」
X「それからもうひとつ……」
セ「なんでしょうか?」
X「納車の際は下取りのフォレスターに乗ってお店まで行きますが、帰りが遠いですよね。納車早々にガス欠になったら嫌なので、満タンとは言わないけれど、半分以上は入れておいてくださいね」
セ「わかりました! では、注文書を送ります。それから、こんどはこちらからのお願いなんですけれど、あとでやっぱやめたはなしにしてくださいね。ここまでやってキャンセルだったら社長に殺されちゃいます」(笑)
X「大丈夫! もちろん、そんなことはありません。万一、地元のホンダが『もっと安くします』なんて言ってきたとしても断りますよ。では、注文書の到着をお待ちしています」
数日後、注文書が送られてきました。最終的な値引き条件は車両本体から26万312円引き、付属品30万9312円から10万円引きとなっていました。
【追記】納車の際に初めてお会いできたホンダB店の営業(支店長)さんは、僕の想像通り、元気で明るく、とても親切な人でした。
値引き採点 5
まずは奥様に拍手を送ります。“抵抗勢力”として絶妙のツッコミをみせてくれました。女性ならではの「メカニズムやリセールなんて二の次。問題は値段よ」という姿勢で攻めていることに注目してください。また、地元との交渉が今ひとつとみるや作戦変更、実家の紹介を利用した越境戦術を採ったのも大正解でした。レポートには有効なセリフが随所に出てきますが、とくに「無理しなくてもいい」は最強の殺し文句です。なお、ホンダB店とは電話とメールだけで契約しましたが、これは父上が懇意にしているセールスマンで、過去に3台も購入している実績があるからこそ成立した変則的な交渉方法と思ってください。
提供元:月刊自家用車