新車値引き情報
更新日:2020.09.26 / 掲載日:2020.09.26
【新車購入】X氏の値引きにチャレンジ大作戦

コロナ禍ならではの戦術を展開! “見えない”大蔵大臣が大活躍!! 必殺“後出しジャンケン”作戦!!!
【プロローグ】 小さい頃から、大のクルマ好き。軽自動車からスーパーカー、果てはバスやトラックまで道路を走るものならなんでも興味があります。ひそかに「いつかは自家用バスを所有したい!」なんて野望を抱いていて、すでに大型二種免許を取得済み(笑)。
そんなわけで、物心ついたときから絵本やマンガより自動車雑誌! 月刊自家用車は中学生の頃から愛読し、値引き交渉の英才教育?をしっかり受けています。
7年前、通勤用のステラカスタムRSを購入したときは、X氏シリーズで習い覚えた秘策越境作戦(大分vs福岡)を駆使して、値引き16.8万円(値引き率10.9%)を獲得。交渉の経緯を「私もX氏」に応募したところ、運よく掲載されて、松本さんから「採点5」をいただいています。
さて、その“ステラ号”も毎日80kmの通勤に使用しているため、早くも14万5000kmをオーバー。今年車検切れとなるため、いよいよ買い替えを検討することになりました。
当初は中古車の購入を考えて物色していたところ、一人目の女神(母)が降臨……。
女神1「中古車はやめて、新車に買い替えたらどうかね? ゆくゆくは介護に来てもらわんといかんけんねー。先行投資として、少しぐらい補助するわよ」とのお告げ。
しかし、どうせ買い替えるなら軽自動車ではなく、今回は普通車にしたい。それもクルマ好きの私が納得できる走りがよくて、燃費もいいなおかつ安全機構も充実した最新型が欲しいじゃないですか……となると、予算が問題となります。「やっぱり新車は無理かな」と思っていたら、ここで二人目の女神(妻)が降臨……。
女神2「せっかくお母さんがいってくれているんだから、新車にしようよ。とりあえず商談してみて、どうしても無理なら車検を通すことにしてもいいんじゃない?」とのお告げが……。
なんと、二人の女神様の登場によって、急転直下、「まさかの新車購入!」となったわけです。
狙いはコンパクトカー&SUV。これまで月刊自家用車で学んだ値引きテクニックを駆使して大幅な値引きに挑みます。
【1日目(土)】 本来なら家族揃ってクルマ屋さんまわりといきたいところですが、コロナウイルスの感染を避けるため、妻と息子は自宅待機です。もちろん、私はマスク着用で商談します。
まずはステラ号を購入したスバルへ。対象はジャスティ。
開口一番、担当セールスさんに「見積もりが予算に合わなければ、新車の購入を断念して、ステラ号の車検を通すか、中古車にする」旨を伝えました。
しかし、提示してきた見積もりには値引きの記載はなし。
セ「下取りのステラですが、標準的な走行距離7万km程度なら25万円くらいの査定額が付きます。しかし、Xさんの場合、15万km近く走っているので、過走行による減点を差し引くと、査定はゼロになってしまいます」
値引きについては後日、提示するとのことですが、正直、売る気が感じられません。
【2日目(日)】 自宅近くのホンダへ。新型フィットを試乗。意外に乗り心地が柔らかい。ホンダの走りは「尖っている」と思っていたので拍子抜けです。
ここでも「予算に合わなければ……」との前振りをしてから商談を開始しました。
しかし、提示してきたフィットの値引きは5万円。ステラ号の下取り額は「ゼロですが、上司にお願いして3万円で取ります」。
別れ際「もしもクルマの購入が流れたら、あのステラの車検、ぜひうちで通してください。他社のクルマでも喜んで受けますよ」と、やる気満々。正直、こういうタイプの営業さん、好きです。本気で攻めれば、値引きの上乗せも取れそうな気がします。
【3日目(土)】 一週間後、ダイハツへ。ロッキーの値引きは5万円。ついでにトールの見積もりも出してもらったが、こちらも5万円引き。セールスさんはベテランで、かなり手強そうでした。
【4日目(日)】 翌日、トヨタA店へ。息子の幼稚園のママ友にセールスさんを紹介してもらう。例のごとく「予算が合わなければ……」の前振りをしてから、
X「本命はアクアですが、ヤリスやライズ、ルーミー/タンクも候補に挙がっています」
セ「販売系列による専売を廃止したので、トヨタ車ならどんなモデルでも取り扱うことができます。正直、トヨタ同士の争いが厳しくなってきているので、値引き、頑張りますよ!」
提示してきた値引き条件は、
▼アクア 10万円
▼ヤリス 5万円
▼ライズ 12万円
▼ルーミー/タンク 15万円
ステラ号はここでも過走行により査定ゼロ。ただし「下取り車があれば、上司から上乗せの許可がもらいやすいので、ぜひ出してください」とのこと。
セ「どのモデルも最初に提示する値引き条件です。上司に相談するので、上乗せは宿題とさせてください。頑張りますよ」
期待しましょう。
お次はトヨタB店に突撃!
▼アクア 15万円
▼ヤリス 12万円
▼ライズ 15万円
▼ルーミー/タンク 15万円
顔見知りセールスさんもいないし、紹介もなしという飛び込み商談でしたが、意外に出してくれました。
いきなり「購入を断念するかも?」全車種併売でトヨタの争いが激化!
【5日目(火)】 翌々日、トヨタC店へ。我が家のファーストカー、ヴェルファイア号はこのお店から購入しています。担当セールスさんはいまや出世して管理職です。
セ「付き合いのあるXさんとは駆け引きしたくありません。正直なところをいいますと、下取り車はまともに査定するとゼロです。しかし、ボディの状態は極上なので、なんとか少しでも値が付くようにしたいと思います」
X「アクアは末期なので思い切った値引きが出せるでしょ?」
セ「いや、アクアといっても、ご希望のGRスポーツは別格なんでよすね。値引きが出しにくいんです。少し検討させてください」
▼アクア 提示なし
▼ヤリス 10万円
▼ライズ 15万円
▼ルーミー/タンク 15万円
【6日目(金)】 ステラ号の車検切れが近づいてきたので、ここからはズバリと本音の条件を提示してもらうことにします。
まずはダイハツ。
▼トール 値引き18万円/下取り3万円 支払い総額254万円
▼ロッキー 値引き17万円/下取り3万円 支払い総額235万円
これにフロアマットとバイザー/ボディコーティング/希望ナンバーの合計約9万円相当を無料サービスしてくれるとのことです。さらに、ステラ号の車検切れに納車が間に合わない場合は代車を出してくれるそうです。とりあえず退散しました。
【7日目(土)】 スバルへ。
▼ジャスティ 値引き15万円/下取り3万円 支払い総額252万円 無料サービス=約4万5000円相当(フロアマット/バイザー/希望ナンバー)
代車もOKとのことです。
【8日目(日)】 末期のアクアが思ったほど安くならないようなので、対抗のフィットが浮上してきました。
しかし、提示してきた条件は値引き9万円/下取り3万円、支払い総額267万円でストップしてしまいました。ヤリスとの競合を伝えて上乗せを迫ってみましたが「これ以上はどうやっても上司の決裁が下りません」と取り付く島なし。正直、もう少し頑張って欲しかったなぁ。フィットは売れ行きが好調で納期がかなりかかるようなので、残念ながら断念します。
【9日目(木)】 トヨタC店へ。担当セールスさんとは気心が知れているので、単刀直入に「アクアとヤリス、どちらがお勧めですか?」と訊ねてみました。
セ「フルチェンが近いのでアクアはそれなりに安くできますが、クルマの完成度からするとヤリスをお勧めします。前モデルのヴィッツとは造りがまったく別物で、新しいハイブリッドシステムと最新の安全機構を備えています。燃費性能は旧タイプのハイブリッドエンジンを搭載しているアクアより優れているので、Xさんのように年間2万kmも走る方はゆくゆくお得になると思います。」
たしかに説得力があります。気持ちはヤリスに傾いてきました。
提示してきたヤリスの条件は値引き+下取り16万円で、支払い総額は275万円です。
なお、ライズは同24万円で、262万円。タンクは同38万円で、218万円。いずれも、フロアマット/ボディコーティング/トノカバーの合計約8万円相当を無料サービス。代車もOKです。
セ「5年程度で買い替えるなら、リセールの強いライズもありだと思いますが、長く乗るなら、やっぱりヤリスです。タンクやルーミーはリセールが弱いので、あまりお勧めできません」
X「わかりました。我が家の大蔵大臣と検討してみます」
セ「他社さんの動向が気になりますが、値引きは絶対負けません! 何かあれば相談してください」
おおっ、頼もしい!
【10日目(金)】 トヨタA店へ。ここのセールスさんも「ヤリスを推します!」とのこと。理由はやはり最新のハイブリッドと安全機構でした。私もついに「ヤリスが本命!」という気持ちになってきました。
しかし、提示してきた条件は値引き+下取りで13万円、支払い総額278万円、無料サービスはフロアマット/トノカバーの3万円相当でした。
続いてトヨタB店へ。これまでの経過を伝えて、
X「狙いはヤリスです。他のトヨタとも商談しています」
セ「ほかはいくらですか?」
X「他店もトヨタ同士の競合を気にしているようです。セールスさんからは『絶対に他店に数字をいわないでください』と釘を刺されているんですよね」
セールスさんは「はあ、そうですか……」と顔を曇らせながら、支払い総額281万円を提示。
X「この後、自宅に戻って大蔵大臣と家族会議を開きます。各店の見積もりを比較しながら、次回交渉の「あり・なし」を決めるのですが、この条件で残る自信がありますか?」
セ「う~ん……ヤリスは発売したばかりなので値引きの上乗せは厳しいんですが……15分ほど待ってください。上司に相談してきます」
きっちり15分で戻ってきて、新たな条件を提示してきました。
値引き+下取りは13万円で、支払い総額278万円。無料サービスはフロアマット(2万円相当)。
自宅に戻って家族会議。
見積書を並べて、大蔵大臣と比較検討に入る。購入時の支払い条件だけでなく、維持費などのトータルコストも含めて総合的に判断した結果、「ヤリス以外はナシ!」となりました。さらに、大蔵大臣はヤリスの見積もり内容をしっかりチェック。装備品などの変更が通達されました。
そして、買い替え暫定補正予算が250万円と発表されました。プラスαの予備費も多少ありますが「なるべく安く購入するために、さらなる努力すること」との付帯条件が付いていました(笑)。
ガツン! と一発やってみようよ!! 格闘の末、実質25万円+代車!
【11日目(土)】 前回、いまひとつだったトヨタB店に乗り込みます。装備品の変更を申し出て、見積もりをお願いしました。
セ「ほかはどれくらいですか?」
X「トヨタ3店と商談していますが、いまのところ、こちらの条件が一番悪いですね」
セ「えっ、ヤリスは普通5万円引きです。13万円引きなんて数字、いままで出したことがなかったんですが……」
といいつつ、新たな見積もりを作成。値引き+下取りは13万5000円で、支払い総額は装備品を変更したため270万円。無料サービスはフロアマットとトノカバーで約3万円相当。
X「実は、我が家の買い替え予算は250万円なんです。これをオーバーした分については補正予算を申し出なければならないんですが、うちの大蔵大臣、厳しいので、20万円も予算不足なんていったら、却下されるかもしれません」
セ「すでに上司の決裁をもらった数字なんですが……わかりました。ご希望に添えるようにもう一度相談してきます」
30分ほどして戻ってきた。
新たな条件は値引き+下取り15万5000円で、支払い総額は268万円。無料サービスは約3万円相当。
セ「これ以上は無理だそうです。これで決めてください!」
X「わかりました。大蔵大臣に電話させてください」
その場で電話して条件を伝えると、大蔵大臣の返答は「営業さんが頑張ってくれているのはわかるけど、18万円の予算オーバーは認められないわ。ローンは組みたくないしね。」すなわち保留です。「明日までに結論を出します」といって退却しました。
トヨタA店とC店に電話を入れて、最終商談のアポイントを取りました。まずはトヨタA店へ。
ここでも予算を明かして上乗せを迫りました。すると、これまた「上司に相談します。少し時間をください」といって奥に引っ込みます。
20分後、提示してきた条件は値引き+下取り18万5000円、支払い総額265万円。フロアマットとトノカバーの合計3万円相当の無料サービスです。
こちらも大蔵大臣に相談するが、結果は保留。「明日までに結論を出します」と伝えて退却。
【12日目(日)】 トヨタC店に乗り込みました。
おなじみの担当セールスさんが「Xさん、お待ちしていました!」と迎えてくれる。商談のテーブルにつくと、コーヒーと同時に見積書が出てきました。
提示してきた支払い総額は270万円。この店ではこれに無料サービス約8万円相当(フロアマット/ボディコーティング/トノカバー)が付きます。
X「我が家の大蔵大臣が認めてくれた買い替え予算は250万円です。今回のクルマ選びではトヨタのお店、3社をまわりましたが、正直、どこも同じような支払い総額になっています。セールスさんにはガツンと一発、インパクトのある数字を出して欲しいな」
セ「ヤリスとしてはすでに限界を超えているので、これ以上の決裁を取るのは厳しいんです。しかし、ほかならぬXさんの頼みなので、私にできることをやってみます」
セールスさんはしばし、ノートPCと格闘。カタカタとキーボードの音が響きます。
セ「Xさん、ひとつ提案させてください。見積もりに入っている純正ドライブレコーダー(6万
5560円)を削除させてください。これはカーショップなら同程度の性能をもった商品が4万円弱で購入できます。ネット通販ならもう少し安く入手できるかと……購入したドラレコを持ってきていただければ、サービスで無料取り付けします。さらに、下取り額を上乗せして支払い総額を260万円まで下げます。どうでしょうか?」
おおっ、支払い総額が一気に10万円下がった。社外品のドラレコを4万円程度で買ったとしても実質的に6万円くらいのプライスダウンだ。なによりもセールスさんの誠意が強く感じられました。
X「わかりました。大蔵大臣に電話してみます」
すると、今回は「頑張ってくれたのね。10万円の追加補正予算を組みましょう」と承認してくれました。
X「大蔵大臣の承認が出ました。契約しましょう!」
セ「ありがとうございます!」
注文書には車両本体とメーカーオプション17万1600円から11万7850円引き、付属品(17万900円)から4万9900円引き(ボディコーティングの無料サービス分)と記入。下取り額として5万円を計上して支払い総額は260万円になっています。
さらに注文書には記載されていませんが、フロアマットとトノカバーの3万円相当が無料サービス。ドラレコの取り付け工賃と代車もサービスしてくれます。
購入データ
From大分県
TOYOTA ヤリス
ハイブリッドZ
トータル値引き 19.8万円
値引き採点 5
最終条件は車両本体値引き11.8万円、付属品値引き5万円。無料サービス3万円相当で合計19.8万円。ドラレコの無料取り付けと高取りを含めると実質的な値引きは25万円を超えている。