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更新日:2022.08.29 / 掲載日:2022.08.29
【シトロエン 新型C5 X】極上の快適性を提供するフラッグシップモデル
文と写真●ユニット・コンパス
ステランティスジャパンは2022年8月29日、シトロエンのフラッグシップモデルであるC5 Xを発表、10月1日から発売する。価格は484万円から636万円。
フラッグシップモデルC5 Xの投入でフルラインナップ化を実現
東京都現代美術館を舞台に行われたC5 X発表会に登壇したステランティスジャパン 社長兼CEOポンタス・ヘグストロム氏は、シトロエンのビジネス面の現状について説明。2016年に2000台だった販売台数が、2021年には5894台と3倍近くも伸長していることを紹介。新型コロナやそれに続く部品不足といった逆風があるなかでこの成果を出したことについて次のようにその背景を語った。
「シトロエンがこの市場の縮小圧力に抵抗できているのは、シトロエンというブランドのレジリエンス(弾力性)、ブランドが日本を重視していること、ブランドの魅力度が日本の消費者の間で高まっていることを物語っています。このレジリエンスはどこから来ているのでしょうか。シトロエンは、ブランド価値とデザイン言語を個性化と電動化の新時代に移行させるべく、意図的にモデルラインの拡大と若返りを行ってきました。チャールズ・ダーウィンの言葉にある通り、『生き残るのは種の中でもっとも強いものでもなく、もっとも知的なものでもなく、変化にもっとも敏感なものである』のです。」
そして今回、フラッグシップモデルであるC5 Xがラインナップに加わることで、シトロエンは7種類のモデルを揃え、フルラインを備えたブランドになったと宣言した。
ビッグシトロエンの血統を意識した現代的なラグジュアリーカー
シトロエン C5 Xはシトロエンの哲学をもっとも先進的に体現した フラッグシップモデル。そのスタイルは、セダン、ステーションワゴン、SUVそれぞれの強みを組みあわせた独創的なもの。車名の「X」は、過去のBX、CX、XMなどの血統を意識しながら、セダン、ステーションワゴン、SUVのクロスオーバーであることを表現したもの。従来のシトロエンオーナーに対してのステップアップであり、同時に世界の市場を見据えて新たなレベルのラグジュアリーと洗練を提供するという。
C5 Xの特徴は以下の3つ。
- ・セダン、ステーションワゴン、SUVそれぞれの強みを組みあわせた、シトロエンらしい独創的なフラッグシップモデル
- ・新開発のアドバンストコンフォート アクティブサスペンションにより、“魔法の絨毯”の乗り心地がさらに進化
- ・パワートレインは、定評のある1.6ℓガソリン仕様と、EV航続距離65kmを実現するプラグインハイブリッド仕様の2種類を設定
ボディサイズは、全長4,805mm、全幅1,865mm、全高 1,490mm。ホイールベースを2,785mmと設定することで、従来モデルに対して足を組めるほどの大幅な後席足元空間のゆとりを実現。独創的で大人5人が快適に過ごせる広々とした空間とステーションワゴンのような広々とした荷室を両立させている。
シトロエン初となる新時代インフォテインメントシステムを搭載
インテリアには、高精細の12インチタッチスクリーンをダッシュボード中央の上部に搭載。スマートフォンライクな直感的な操作を可能にしたもので、複数の情報を同時に表示させるウィジェットも可能となっている。また、リアルタイム交通情報を活用したルート検索および案内が可能なコネクテッドナビゲーションシステムを標準装備。音声認識システムにより、呼びかけることでシステムを起動させることが可能となっている。さらに、ドライバーのために情報をフロントウィンドウに投影するエクステンデット ヘッドアップディスプレイを初採用した。
ビッグシトロエンの伝統である快適性についもこだわっており、路面をまるで飛んでいるかのようなフィーリングを実現させるべく、プログレッシブ・ハイドローリック・クッション(PHC)を全車に標準装備。これは、ショックアブソーバー内にセカンダリーダンパーを組みこむことでショックを抑制し、フラットライドを実現するもの。プラグインハイブリッドモデルではさらにそれを電子制御するアドバンストコンフォート アクティブサスペンションを初採用。速度域や路面状況に応じてダンピングを調整し、洗練された乗り心地を提供する。また、静粛性を向上するために、サイドウインドウには遮音性の高いラミネートガラスを採用している。
ガソリンターボに加えてプラグインハイブリッドモデルも登場
パワートレインは、最高出力180馬力・最大トルク250Nmの1.6Lガソリンターボとシステム最高出力225馬力・最大トルク360Nmを発揮するプラグインハイブリッドを用意。
プラグインハイブリッドは、1.6Lガソリンターボにフロントに電動モーターを追加したシステムで、12.4kWhのリチウムイオン電池により65kmのEV走行可能距離(WLTCモード)を実現している。ドライブモードは、電動モーターのみで走行をする「エレクトリックモード」、エンジンとモーターを活用し燃費効率を最適化した「ハイブリッドモード」、乗り心地重視の「コンフォートモード」、高出力で走りを楽しむための「スポーツモード」の4つ。プラグインハイブリッドモデルについては、ドライブモードに連動して乗り心地も調整される。また、エンジンによる走行で発電した電力を蓄電するための「e-SAVE」機能を新たに搭載した。満充電時間の目安は、普通充電器(200V 3kW)で約5時間 、ウォールボックスタイプの普通充電器(200V 6kW)で約2.5時間となっている。