輸入車
更新日:2023.03.03 / 掲載日:2023.02.04
MINI 大定番のクーパーから次世代型エースマンまで歴代モデルを総まとめ!
MINI特集/毎日乗るならMINIがイイ!
小さいクルマには自由がある。運転も気楽だし、駐車場だって選ばない。でも、どうしても気になるのがオトナが乗って満足できるかどうか。そこで選択肢として浮上してくるのがMINIだ。クルマ界随一のキャラクター性と抜群の知名度、内外装の作りのよさ、そして「ゴーカートフィーリング」と呼ばれる抜群の走り。MINIこそ、あなたの毎日を最高なものにしてくれる答えなのだ。
写真●ユニット・コンパス ※ナンバープレートは、はめ込み合成です。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2023年3月号の内容です)
※中古車参考価格はすべてグーネット2023年1月調べ。
[現行モデル語りその1]MINIの伝統でありラインアップの核となる3ドアモデル/MINIの基本、3ドアの魅力をまずはじっくりお伝えしたい
文●大音安弘 写真●ユニット・コンパス
※ナンバープレートは、はめ込み合成です。
日本ではほとんど売れる要素のない3ドアハッチバック。しかしMINIだけは例外で、売れ続けている。それは3ドアモデルが最もMINIのデザインをピュアに表現しているから。理屈ではなく、愛される存在なのだ。
ブランドを象徴するアイコン的な存在
1959年に英国で生まれた小さな実用車が、MINIの原点だ。つい最近まで街中で、クラシック ミニに遭遇した記憶がある方もいると思うが、それもそのはずで、なんと2000年まで生産が続けられたご長寿モデルなのだ。最終期に、彼の地で、クラシック ミニを選ぶ人は少数派となっていたが、その新車の多くが日本へ渡っていたというから、日本人の愛称は抜群だったことを物語る。その伝統を受け継いで誕生したのが、現在のニューMINIだ。BMWの傘下となり、開発が進められ、2001年に発表。日本にも翌年の3月2日(ミニの日)に発売された。
高級化と現代社会に見合う実用性と安全性を与えた結果、大型化したMINIの姿に賛否の声も聞かれたが、その愛らしいスタイルから新たなファンを取り入れるだけでなく、次第にアンチすら虜にしていってしまった。それはMINIというブランドだけでなく、その魅惑も受け継いでいたことの証明といえるだろう。
そんな新生MINIも、登場から20年を迎え、現行型は3世代目となる。14年に導入が開始され、21年のマイナーチェンジで、かなり各部のディテールは現代的にリデザインされているが、3ドアハッチバックの丸みを帯びたフォルムや広いガラスエリア、丸目ライトを主役としたフロントマスクなど、一目で分かる特徴が受け継がれている。ニューMINIは、ボディのバリエーションを追加し、それぞれが独自の進化を遂げているが、この3ドアハッチバックに関しては、クラシックからバトンを渡された初代のニューMINIの特徴を色濃く残すアイコニックな存在である。
実用性を求めるならば、より大きなMINIもあるが、今なお、3ドアを支持するファンが多いのは、そのMINIイズムに共感する人が多いことを示している。そして、彼らが愛する理由は、何もビジュアルだけとは限らない。かつてロンドンを軽快に駆け回り、モータースポーツでは格上のモデルに食らいついた走りのよさだ。そのファンな走りは、「ゴーカートフィーリング」と呼ばれ、現行型でも健在だ。その感覚を味わうためには、3ドアハッチ一択といっても過言ではない。表現の仕方こそ時代で変化しているが、MINIがMINIであり続けるためには、3ドアハッチはなくてはならないといえる。
コンバーチブルも、その点は同様だ。実用車のMINIを遊びクルマに変えてしまった大胆な発想を受け継ぎ、思いっきりよくルーフをカット。電動式ながら、幌を小さくまとめることで、かつてのミニ カブリオレを彷彿させるスタイルに仕上げている。今や小さなオープンカーは貴重な存在だけに、作り続けてくれていることに感謝したくなる。
愛される秘密のひとつが、純正アクセサリーの豊富さ。手頃なアイテムも多く、気軽に自分だけのMINIを作り上げやすい。だからこそ、より愛おしくなるというわけだ。
自動車の進化を受け入れつつ、頑固なまでに変わらない価値も持つ。だからこそ、モデル内のシェアに左右されず、3ドアハッチは主役であり続けられるのだ。
PROFILE 自動車ジャーナリスト 大音安弘
好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者へ転身。現在は自動車ジャーナリストとして各メディアに執筆を行う。徹底的に取材するがモットー。
[MINI クーパー S 3ドア]最新バージョンはモダンな顔つき
MINIのアイコンかつエントリーでもある3ドアハッチバックは、最もクラシック ミニの雰囲気を色濃く残す1台で、今や世界的にもめずらしい小さな高級車でもある。21年のマイナーチェンジでは、より限定的なモダンさを追求。走りでは伝統のゴーカートフィーリングが楽しめる。ガソリン車中心だが、ディーゼルのクーパーDも用意。
MINI クーパー S 3ドア (7速DCT)●全長×全幅×全高:3880×1725×1430mm ●ホイールベース:2495mm ●車両重量:1270kg ●エンジン:直4DOHCターボ●排気量:1998cc ● エンジン最高出力:192ps/5000rpm ● エンジン最大トルク:28.6kgm/1350-4600rpm ●新車価格:310万円〜405万円(3ドア 全グレード)
3ドアの個性派の派生モデル[MINI クーパー S コンバーチブル]シリーズで最もお洒落な雰囲気を漂わせるオープンモデル
シリーズで最も洒落た存在といえるコンバーチブルは、わずか18秒で青空を手にできる。ユニオンジャック柄のソフトトップや華やかなインテリアカラーなど、仕様選択にも遊び心に溢れる。パワーユニットはガソリン車のみで、クーパー、クーパーS、JCWを用意。
MINI クーパー S コンバーチブル(7速DCT)●全長×全幅×全高:3880×1725×1415mm ●ホイールベース:2495mm ●車両重量:1370kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1998cc ● エンジン最高出力:192ps/5000rpm ● エンジン最大トルク:28.6kgm/1350-4600rpm ●新車価格:416万円〜457万円(コンバーチブル 全グレード)
[現行モデル語りその2]クラブマン以外で選ぶとしたらどっち?/5ドアとクラブマンどちらを本命とするべきか?
いまや最も売れているMINIはクラブマン。だが、MINIらしいスタイルと実用性の両立を望むならば、5ドアが気になってくる。
写真●ユニット・コンパス
※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。
5ドアとクラブマンのキャラクターの違いは?
シングルやカップルには、ちょうどいいMINI 3ドアハッチバックだが、ファミリーや趣味の相棒には、ちょっと積載性が物足りないのも事実。そこで候補となるのが、前後ドアを持つMINIたちだ。従来型までは、ステーションワゴン「MINI クラブマン」とSUV「MINIクロスオーバー」の2択であったが、現行型よりハッチバックに、5ドアが追加され、より選択肢が広がった。
5ドアの特徴は、ずばり5人乗り仕様となること。3ドアハッチバックよりも一人多く乗れるのだ。そのために、ホイールベースを+70mmのロング化。リアセクションを専用デザインとすることで、ラゲッジスペースも拡大されている。このため、フォルムもダックスフンドを彷彿させる胴長となるが、そのユニークなスタイルさえ、キュートに感じさせるのは、さすがMINIだ。
MINIらしいハッチバックの世界観が楽しめる5ドアは、ベストな選択に思えるが、3ドアハッチと共通のプラットフォームのため、ファミリーでは、子供の成長と共に手狭に感じるだろう。そこで選択肢として急上昇するのが、MINI クラブマンとMINI クロスオーバーなのだ。この2台は、MINIシリーズの上級車の役目を担うべく、前輪駆動のBMW車にも使われる、大きめのプラットフォームを採用。このため、後席の広さやラゲッジスペースにも大きな差がある。ボディサイズが最も大きいクロスオーバーの荷室容量は、標準時で5ドアの1.6倍の450Lを確保。さらに165mmの最低地上高に加え、ディーゼルと4WDの組み合わせを中心とするラインアップから、アウトドアニーズにも最適だ。
逆に街中では、荷室容量こそ負けるが、機械式駐車場にも対応できる全高と長尺物も収めやすいクラブマンの強みが光る。さらにバックドアが観音開き式となるので、後部スペースの限られる駐車場でも、ラゲッジスペースにアクセスしやすい。いずれも乗り味は、MINIらしいキビキビした走りを受け継ぐが、ボディサイズとロングホイールベースの恩恵で、乗り心地も快適性を重視した仕上げとなっているのもうれしいところ。つまり、これらは旅するMINIとしても最高なのだ。また5ドアにはない高性能モデル「ジョンクーパーワークス」も用意され、スポーツカー好きのパパママの欲求も満たしてくれる。刺激的なサウンドと力強いエンジン、その走りを支えるスポーツ4WDまで備えるのだ。
さらにクロスオーバーは、PHEVも選択可能。航続距離は、約53kmというから、日常のドライブならば、電気だけで賄うこともできるのだ。
これらの特徴を踏まえて、最終的にどれを選ぶかは、あなた次第。やんちゃさと愛嬌に溢れる5ドア、クールで上品なクラブマン、タフガイなクロスオーバーと、それぞれのボディの持ち味を活かした愛すべきキャラクターが与えられている。もちろん、どれを選んでも豊富なオプションアイテムが自分だけのMINI作りを応援してくれるのだから、これまた悩ましい。これほど愛車選びが難しいクルマはほかにはない。MINIとは、なんとも罪なクルマなのである。
[MINI クーパー D 5ドア]3ドアのイメージを残しつつ実用性を高めた5ドア
現行世代より投入された5ドアハッチバックは、3ドアハッチバックのイメージを守りつつ、ボディをストレッチしたため、まるでダックスフンドのよう。その恩恵は、後席の足もとの拡大と3座の後席などの実用性を生む。またラゲッジスペースも278L~最大941Lまで拡大される。グレード構成は、ガソリン車のクーパーとクーパーS、ディーゼルのクーパーDの3タイプだ。
MINI クーパー D 5ドア (7速DCT)●全長×全幅×全高:4025×1725×1445mm ●ホイールベース:2565mm ●車両重量:1290kg ●エンジン:直3DOHCターボ ●排気量:1496cc ● エンジン最高出力:116ps/4000rpm ● エンジン最大トルク:27.5kgm/1750-2250rpm ●新車価格:367万円〜416万円(5ドア 全グレード)
[MINI JCW クラブマン]質感も大幅に向上しオトナになったMINI
MINI上級車の役目も持つステーションワゴン。このため、内外装デザインには、よりアダルトな世界観が与えられている。バックドアは、クラシックの伝統に則り、観音開きドアを継承し、クラブマンのアイコンとして愛される。最新仕様は、前輪駆動車のガソリン車のクーパーとクーパーS、ディーゼル車のクーパーDを基本に、唯一の4WD車として高性能なJCWを用意。
MINI JCW クラブマン (8速AT)●全長×全幅×全高:4275×1800×1470mm ●ホイールベース:2670mm ●車両重量:1600kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1998cc ● エンジン最高出力:306ps/5000rpm ● エンジン最大トルク:45.9kgm/1750-4500rpm ●新車価格:488万円〜617万円(MINI JCW 全グレード)
「MINI コンセプト エースマン」が示唆する未来像/次世代MINIデザインの幕がここに開いた
電気自動車専門ブランドになることが発表されているMINI。まだ次世代モデルの足音は聞こえてこないが、2022年夏に発表されたコンセプトカー「MINI コンセプト エースマン」にそのヒントが隠されている。
文●ユニット・コンパス 写真●MINI
新しいデザイン時代の幕開けとなるエースマン
いよいよ新しいMINIがそのシルエットを現そうとしている。
コンセプトカー「MINIコンセプト エースマン」は、電気自動車専門ブランドとして生まれ変わるMINIの姿を、ひと足先にわたしたちに伝えてくれる存在だ。
そのデザイン言語は明快かつシンプル。さらに、新しいデジタル体験を提供するインテリアやクロームの装飾をまったく使用しないことも印象的なディテールだ。
ブランドの責任者であるシュテファニー・ヴルスト氏は、このコンセプトモデルについて、モデル・ファミリーの将来においてMINIクーパー(3ドア・5ドア)とクロスオーバーの間を埋める、まったく新しいモデルのファーストビューだと説明。
「オール・エレクトリックの未来に向けてどのように自己改革を進めているか、そしてMINIブランドが掲げる、電動ゴーカートの感覚、没入型のデジタル体験、最小限の環境負荷への強いこだわりを反映しています」と述べた。
また、BMWグループ・デザイン責任者のエイドリアン・ファン・ホーイドンク氏は、「MINIコンセプト エースマン」は、新しいデザイン時代の始まりを告げるもので、これまで受け継いできたアナログ的な強みをすべて備えたまま、デジタルな未来に向けてデザインされたと説明。シンプルで無駄を省いた内外装、新しい有機ELディスプレイを中心としたコントロールシステム、そして光や動き、音といった要素は次世代モデルにも受け継がれるという。
また、電気自動車に特化することで、車体サイズに対するメカニズムのスペースが最小化されることは、MINIの基本的な価値観に基づくと、その変化をポジティブに捉えている。なお、次世代の電気自動車モデルには、専用にデザインされた走行音が採用されると予告している。
このコンセプトカーが、3ドアでもクロスオーバーでもない新しいモデルを示唆しているというのも驚きだが、同時に3ドアが存在することに胸を撫で下ろしているファンも少なからずいるだろう。一方で、これまで親しまれてきたクロームの装飾やレザー素材が姿を消すのは、時代の流れとはいえ少々寂しい。
コンセプトカーではわからない走行性能だが、これは心配ないだろう。BMWやMINIはこれまでにも多くのEVを手がけているし、バッテリーを床下に搭載することで、ゴーカートフィーリングがさらに進化することも期待できる。
そんなことを徒然と考えていたら、この顔つきにも愛着が湧いてきた。新しいMINI、期待大だ。
新しいMINIデザインの幕開けとなるコンセプトカー
「MINI コンセプト エースマン」のエクステリアで表現したのは、機敏さと自信に満ちた存在感。MINI クーパーとMINI クロスオーバーの特徴を融合させ、さらに現代的な解釈を与えている。
5ドア、5人乗りのパッケージングで、ボディサイズは全長4.05m、全幅1.99m、全高1.59m。ボディ下端のエッジを効かせた造形は都会的でありながら、SUV的な堅牢さと力強さを演出。また、これまでのモデルに採用されていたクロームの装飾を廃止しているのも特徴だ。
革新的なインターフェースをポケモンとのコラボでアピール
2022年夏にドイツで開催された世界最大規模のゲームイベント「gamescom」に展示された「MINI コンセプト エースマン」。有名なゲームタイトルであるポケモンとのコラボレーションで、車内の円形有機ELディスプレイの魅力をアピールした。
EVに改造されたMINIがアート作品に/ロンドンから大きな愛を込めて
アートには人々の心を動かし、メッセージを伝えるパワーがある。こちらのMINIは、ロンドンのアーティストが手がけた作品で、ベースとなったクラシック ミニは電気自動車に改造されている。
文●ユニット・コンパス 写真●MINI
多様性を祝福するカラフルなペイント
まるで弾けるような色彩に彩られたアートなMINI。見ているだけで元気が出てくるポジティブなオーラに包まれている。
これは、クラシック・ミニを電気自動車に改造した「MINI Recharged」にロンドン在住のアーティストであるラクウェナ・マシーバーがペインティングしたもの。このために、彼女の生まれ年である1986年製造のクラシック ミニが用意されたという。
MINIが「MINI Recharged」をキャンバスにアート作品を制作したのはこれで2台目。最初の1台はファッションデザイナーのポール・スミスが手がけ、大いに話題となった。
じつはMINIとラクウェナ・マシーバーとのコラボレーションは今回が初めてではない。2021年には当時MINIが全世界で展開していたキャンペーンに参加。IAA モビリティ 2021開催中にミュンヘンの高層ビルに、壁画「BIG LOVE」を描いた。勇気ある発言と鮮やかな色彩が持ち味だ。
「このMINI Rechargedが、人々の気分をよくし、笑顔にしてくれることを願っています。このMINIは、文化の色彩の祭典なのです」と作品についてコメントしたラクウェナ。
お互いを尊重すること、寛容さ、多様性を象徴したこのアートカーは、MINIを通じて大切なメッセージを伝えてくれた。
北欧の自然公園をPHEVモデルで旅行/今年こそMINIで旅に出る
昨年末、MINIのインターナショナル向けプレスサイトに、MINI クーパー SE クロスオーバー ALL4を相棒にした冬のスウェーデンを走る素敵な旅のレポートが掲載された。
文●ユニット・コンパス 写真●MINI
自然保護区を空気を汚さないMINIで走る
「自分だけの世界」と命題されたその記事は、現行ラインアップで唯一のプラグインハイブリッドカーである「MINI クロスオーバー PHEV」で、スウェーデンの海岸地帯を旅するという内容。
舞台となったのは、スウェーデンの東海岸沿いに位置する自然保護区。バルト海に面するこの地域は、24000もの群島から構成され、四季を通じてさまざまな表情を見せるという。自然の美しさと厳しさが共存する景色は、スウェーデン人だけでなく、冒険心を持つ旅人たちの心を掴んで離さない。
排出ガスを一切出さないEVモードを備える「MINI クロスオーバー PHEV」は、環境意識が高い北欧の自然保護区を旅するのにもってこいの1台だろう。
空気を汚さないだけでなく、前輪をエンジンが、後輪をモーターが駆動するこのモデルは、あらゆる路面状況に対応するという点でも、優れている。舗装された道を離れて原野を探索するような冒険だって受け入れてくれるのだ。こうしてたどり着いたフィスクミラン湖のほとりは、まさに絵はがきのような美しさ。ここで一行は天井のルーフテントを開け、ピクニックを楽しんだという。小さいMINIでも、アイテムをうまく活用すれば、人気のアウトドアを楽しめてしまうという好例である。
自然の美しさでは日本だって負けていない。MINIで行く旅、ぜひ日本でも実践してみたいものだ。
豊富なMINIのバリエーションわかりやすく図にしてみた【MINIの系譜総ざらい】
BMW傘下になったMINIも、初代発売から20年以上経過した。多数の派生車が発売され、選択肢は膨大に。今回は、MINIシリーズの系統図をもとに、中古車相場を紹介。どのモデルがいくらで買えるのかを紹介していこう。
文●ユニット・コンパス ※ナンバープレートは一部、はめ込み合成です。
※中古車参考価格はグーネット2023年1月調べ。
※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。
半世紀以上にわたるMINIヒストリー
1959年、オースチン セブンとモーリス ミニ マイナーの名で世に送り出されたミニ。これが、現在に至るミニのルーツである。設計したのは、アレック・イシゴニス。横置きエンジンの前輪駆動というのは、現在では当たり前の存在だが、それを最初に実現したのが、クラシックミニである。それ以降、小型FF車として40年以上も生産され続けた。
ミニというブランドは、時代によってオーナー会社が変わっていったことも特筆すべき点だ。デビュー当時はイギリス最大の自動車メーカーであるBMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)が所有していたが、ここはレイランドグループとの合併により国有企業ブリティッシュ・レイランドとなった。80年代にはローバーグループへと改称し、保有していた多くのブランドが消滅。しかしミニは残され、ローバーミニとして日本でも親しまれた。90年代に入ると、ローバーはBMWに買収され、BMWのもとでブランド再建が図られ、MINIが誕生した。
MINIは、クラシック ミニが持つ優れたデザインやパッケージングを踏襲しつつ、よりプレミアムなコンパクトカーとして生まれ変わった。そして走りも、BMWならではの洗練されたものになり、ワンランク上のポジションとなっている。
当初3ドアのみだったMINIも、コンバーチブル、クラブマン、クロスオーバーなど派生車種を次々と投入。また高性能版JCWも展開され、MINIはファミリーを築き上げる一大ブランドに成長していった。
ボディバリエーションは少ないがMINIらしさにあふれる初代モデル
1959|クラシック ミニ|意外と物件豊富!?今でも探せる
古いモデルゆえ、中古車はほとんど残存していないかと思われそうだが、意外と充実している。コンディションはピンキリで、走行距離不明のものから1万km未満の極上車まで揃う。価格は100万円台の予算から探せる状況。購入する際は、専門店を訪ねるとよいだろう。
中古車参考価格帯:100万円~400万円(※86年~01年 全グレード)
2001|MINI 3ドア(初代)|50万円以下でも買える安さが魅力
発売から20年以上経過しており、物件は減少傾向にある。特に3万km未満の低走行車は全体の1割以下で、コンディションにこだわり過ぎると探しにくい。とはいえ、状態がよいものでも100万円以下と安く、低予算で乗れるのが大きな魅力だ。最も多いグレードは、中間モデル「クーパー」。
中古車参考価格帯:20万円~80万円(※01年~07年 3ドア 全グレード)
2004|MINI コンバーチブル(初代)|オープンエアが楽しめるコンバーチブル
初代コンバーチブルは、同世代の3ドアよりもやや高めの相場。最低でも60万円、できれば100万円前後の予算を用意すると幅広く選べる。当然3ドアよりも物件は少ないが、現在でもそれなりの数が流通している。グレード別に物件をみると「クーパー」、「クーパーS」ともに同程度である。
中古車参考価格帯:60万円~130万円(※04年~09年 コンバーチブル 全グレード)
2007|MINI 3ドア(2代目)|洗練度を高めた2代目3ドア
初代のカッチリした走りはそのままに、内外装の質感がアップした2代目。初代と比べて物件数は多く、3ドアを低予算で買うなら第一候補となるだろう。こちらも多走行車が目立つが、コンディションのよい物件もまだまだ多い。こちらも「クーパー」が豊富に流通する。
中古車参考価格帯:30万円~200万円(※07年~16年 3ドア 全グレード)
2007|MINI クラブマン(初代)|個性を演出したいならスタイリッシュなクラブマン
広い荷室が魅力のクラブマンだが、ただ実用性を高めただけでなく、3ドアにはないスタイリッシュな雰囲気にも注目。3ドアに次いで物件が充実しており、探しやすいのが特徴だ。安い物件もあるが、多走行が中心。150万円の予算があれば良質な車両が手に入る。こちらも「クーパー」が多い。
中古車参考価格帯:30万円~220万円(※07年~15年 クラブマン 全グレード)
2代目以降はクーペやクロスオーバーも登場した
2009|MINI コンバーチブル(2代目)|トップは走行中でも開閉可能
2代目のコンバーチブルは、3ドアと同じく内外装がグレードアップ。ソフトトップは、時速30km以下なら走行中でも開閉できるようになった。中古車は初代と同じ程度流通するが、価格はやや高め。それでも100万円台の予算から探すことができる。
中古車参考価格帯:80万円~240万円(※09年~16年 コンバーチブル 全グレード)
2011|MINI クロスオーバー(初代)|ファミリー層に人気のMINI
後席ドアを備え、3ドアよりもひとまわり大きなボディを持つクロスオーバーは、発売以降一躍人気モデルとなった。物件数も非常に多く、実用性を重視するなら最もオススメの1台。先代モデルならば100万円以下の物件も目立つ。ガソリン、ディーゼルともに豊富に存在。
中古車参考価格帯:50万円~240万円(※11年~17年 クロスオーバー 全グレード)
2011|MINI クーペ|2シータースポーツ市場に投入したレアなMINI
2シーターを備え、よりパーソナルなユーザー向けにリリースしたのがMINIクーペ。低い車高と軽量ボディにより、スポーツカーの気持ちよさを備えている。生産期間が短く、物件数が少ないのが難点。ただし相場は低めとなっており、100万円台の予算から探せる。
中古車参考価格帯:100万円~230万円(※11年~15年 クーペ 全グレード)
2012|MINI ロードスター|クーペをベースとしたオープン
クーペのルーフを取り払い、ソフトトップを備えたのがロードスター。こちらもドライビングを重視する人にオススメのモデルだ。ただしクーペよりもさらに物件が少なく、探しにくい状況。相場はクーペよりもやや高く、200万円前後の予算は確保しておきたい。
中古車参考価格帯:160万円~270万円(※12年~15年 ロードスター 全グレード)
2013|MINI ペースマン|クーペ+SUVの変わり種
クロスオーバーをベースに、3ドアのクーペ風ボディを与えたのがペースマン。前後のライトはクロスオーバーよりもスポーティな形状で、走りのよさを感じさせるデザイン。生産期間が短く、探しにくいのが難点。ただし相場は下がり、100万円台前半の予算でねらえる。
中古車参考価格帯:80万円~180万円(※13年~16年 ペースマン 全グレード)
2014|MINI 3ドア(3代目)|予算に応じて選べる現行型
デビューから9年目となり、物件数は非常に多い。パワートレインもガソリン、ディーゼルとバリエーションが増え、選択肢は広い。初期型は100万円以下でも買えるが、価格のコアゾーンはおよそ250万円。グレードは、ガソリンの中間モデル「クーパー」が豊富だ。
中古車参考価格帯:80万円~420万円(※14年~22年 3ドア 全グレード)
2014|MINI 5ドア|実用性をプラスアルファ
後席のドアを持つMINIはクロスオーバーが存在するが、こちらは車高が低く3ドアの延長として使えるのが魅力。大人が座れる後席で実用性は十分である。中古車が多いことも美点で、豊富な物件から選べる。ねらうなら100万円以下で買える5年落ち。
中古車参考価格帯:80万円~450万円(※14年~22年 5ドア 全グレード)
2015|MINI クラブマン(2代目)|観音開きのバックドアが特徴
3ドアをストレッチしたボディに観音開きのバックドアを採用し、先代以上に使い勝手を高めた2代目クラブマン。ワゴンというより、デザイン性を追求したシューティングブレークという立ち位置。こちらも物件数が豊富で探しやすい。「クーパー」や「クーパーS」が充実。
中古車参考価格帯:120万円~480万円(※15年~22年 クラブマン 全グレード)
2016|MINI コンバーチブル(3代目)|高値が続く現行型コンバーチブル
登場から7年目となるが、なかなか値段が下がらないのが現行型コンバーチブル。最低ラインは200万円だが、ゆとりを持って探すなら300万円台の予算は用意しておきたい。ただし、コンディションがよいものが大半なので、中古車ビギナーでも安心して買うことができる。
中古車参考価格帯:200万円~550万円(※16年~22年 コンバーチブル 全グレード)
2017|MINI クロスオーバー(2代目)|プレミアム感を追求した2代目
2代目クロスオーバーは、ガソリン、ディーゼルに加えてPHEVも加わった。よりリッチな内外装になり、プレミアムブランドらしい品質が見どころ。それゆえ価格は高めとなっており、物件の大半は200万円以上。ただし物件は豊富だ。グレードは「クーパーD」が目立つ。
中古車参考価格帯:170万円~570万円(※17年~22年 クロスオーバー 全グレード)
マイナーチェンジ|ミニ 3ドア/ミニ 5ドア/ミニ コンバーチブル|2021年にフェイスリフトを実施
2021年5月にマイナーチェンジモデルが発表された。ひと目で異なるのは、フロントまわりのデザイン。ヘッドライトがLED化され、フロントグリルが大型化。また、運転支援システムとして、ストップ&ゴーを備えたアクティブ・クルーズ・コントロールが装備されている。
ライタープロフィール
1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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