輸入車
更新日:2024.09.28 / 掲載日:2024.09.28
恐るべし、ミシュラン パイロットスポーツ5【九島辰也】

文●九島辰也 写真●九島辰也、ミシュラン
なかなか秋が来ないと思っていたら、いきなり気温が低くなりそれらしくなってきました。なので、「秋の夜長に何をしよう!」、なんて悠長なことを考えていたら、もうすぐ冬になるとか。ワイドショーは秋が短いことを強調していますしね。もはや日本の四季を楽しめなくなってきました。
なんて話はともかく、冬になるとスタッドレスタイヤに履き替える方は多いと思います。雪山にガンガン出かけるのに必要ですね。東京でも積雪の日は増えている気がするので、都心のみでもクルマ稼働率の高い方は用意した方がいいかもしれません。いずれにせよ、「今年のスタッドレスはどうする?」、とか「去年のタイヤまだ使えるね」、なんて会話が聞こえてきます。
でも忘れていませんか?夏タイヤのこと。普段使いのメインはこちらですからね。日頃からタイヤチェックを怠ってはいけません。
そんな話をするのは愛車メルセデス・ベンツEクラスのタイヤを履き替えたからです。販売から11年経った認定中古車で、今年ガレージに収まりました。で、気になっていたのはタイヤ。製造年からすると、新車販売時から履かれていたことがわかります。つまり、11年以上経っている。ただ、トレッドの山はそれなりに残っています。走行距離が極端に少ないので、そこは減っていません。でも、コンパウンドは硬く、細かいひび割れが見られます。
本来であれば納車時に替えればよかったでしょう。でも忙しく動いていたため後回しにしてきました。そしてそれを今回ようやく実行したのです。タイヤって気になり始めると止まらないですよね。それに本来の乗り心地と違うことは仕事上わかっていましたから。
選んだのはミシュラン。近年はミシュランファンなので一択です。乗用車はミシュラン、SUV系はBF Goodrichを選んできました。もちろん、若い頃はBSやアドバンも履きましたし、四駆系はグッドイヤーを好んで選んでいました。最近ではテスト用にオプカンを使ったこともあります。タイヤもブームがありますからね。いろいろ調べていると楽しくなってきます。

それはともかく、ミシュランの本格的ハイグリップスポーツタイヤ、パイロットスポーツ5を手に入れました。名前だけでもテンションが上がります。正直2リッター直4エンジンを積んだW212型Eクラスにはオーバースペックだと思いますが、憧れを含め選びました。もちろん、パイロットスポーツ4のハイスペックはよく知っています。997型911はそのNタイヤを履いていました。
サイズは前245/40R18、後265/35R18です。アバンギャルドなので、思いのほかロープロファイルになります。ホイールとのマッチングもバッチリ。サイドウォールのデザインがいい感じですし、トレッドパターンもイケメンです。

でもって乗った印象は乗り心地が劇的に変わりました。路面からの入力に対しあたりは柔らかく、ショックを吸収します。サスペンションだけでなく、タイヤのコンパウンドでそれを行うのを感じますね。そして高速道路ではそのままフラットライドで走ります。空気圧をあえて若干抑え目にしたのですが、転がり抵抗が少ない気がしました。そしてそれは履き替えてから少し経ってからがより際立った気がします。
もちろん、それでいてグリップ力の高さはイメージ以上。高速コーナーでの横剛性の高さをドライバーに伝えます。ここでの信頼性はとても大事。速度域の違いでタイヤのパフォーマンスを感じられます。いやぁ、かつてメルセデスは「シャシーはエンジンより速く」とスローガンを掲げていましたが、こうなると「シャシーやエンジンよりもタイヤが速い」印象です。う~ん、パイロットスポーツ5恐るべし。
なんて感じで満足しながらタイヤの資料を読んでいると、ウェット性能が長けていることを知りました。まだ雨の日ドライブを経験していないのでわかりませんが、そうであれば頼もしい限り。最近はゲリラ豪雨がありますから、そこはできるだけ欲しいところですよね。雨の日を待ち焦がれる今日この頃でした。