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更新日:2024.10.03 / 掲載日:2024.10.02
史上最強のM5! 700馬力オーバーのハイブリッド・スポーツへ進化【BMW】

文と写真⚫︎ユニット・コンパス
ハイブリッド・スポーツへ進化した新型M5がついに日本に上陸した。
40年もの歴史を誇るラグジュアリースポーツの最新モデルは、BMWが誇る最高峰の高性能エンジンを電動化して搭載。700馬力級のパワーをAWDにて路面へと伝える。価格は1998万円で、納車は11月中旬以降を予定している。
新型M5は「ドライビングモンスター」
10月2日、都内でも最先端のエリアである虎ノ門ヒルズにあるBMWのブランド施設『FREUDE by BMW』にて開催された新型M5のデビューイベント。プレゼンテーションに登壇したビー・エム・ダブリュー株式会社 代表取締役社長の長谷川正敏氏は、新型M5について次のようにアピールした。
「ハイパフォーマンス車両であるMモデルは、世界における販売台数が2023年では20万台を超えた成長セグメントです。そうした情勢のなかで日本は重要マーケットに位置づけられており、本国ともども非常に期待しています。私は、スポーツモデルが好きで、モータースポーツの経験もあります。現在もプライベートカーとして先代M5を愛用しており、M5には人一倍思い入れがあります。高性能エグゼクティブセダンである新型M5は、チューニングなしでも本格的なサーキット走行が可能なクルマで、もはやドライビングマシンを超えたドライビングモンスターです」

電動化でさらなるハイパワーを目指した「M HYBRIDシステム」

「駆け抜ける歓び」を標榜するBMWとして、電動化をどのように活かしていくか。それが新型M5の大きな開発テーマだったという。
エクステリアは、ボディのサイド部分が専用設計となり、5シリーズと比較してフロントフェンダーは75mm、リヤフェンダーは48mmワイドに。大型のディフューザーや4本出しのエキゾーストパイプが迫力あるリヤビューを作り出している。




新型M5は、約70kmのEV走行(WLTC値)も可能なプラグインハイブリッド車ではるが、目標はむしろパフォーマンスアップにあるという。システムトータルでの最高出力は、727馬力(535kW)とM5史上最強のスペックを誇る。
エンジンは先代モデルと同様の4.4L V8ターボ。モータースポーツの技術が活かされたクロスバンク型で、向かい合うシリンダーの排気管をまたいで配置することで、バンク内に搭載されたタービンに理想的な間隔で排気を送り込む。高回転域でもパワーが落ち込まない特性を持つ。
モーターは8速トランスミッションに内蔵されており、プリ・ギアリングというBMWが特許を持つ技術により、最大トルクは450Nmまで増強される。このシステムをBMWは「M HYBRID」と名付けた。
シャシーも専用設計で、ベースモデルである5シリーズから大幅に強化。M5初採用となる四輪操舵技術「インテグレーテッド・アクティブ・ステアリング」を含め、電子制御ダンパーや電子制御デフとともに統合制御される。

電動化で避けられない重量増をカバーするために、22.1kWhのリチウムイオンバッテリーは、ホイールベース内側の床下に搭載。さらに日本仕様ではカーボンルーフを標準装備とすることで、30kgの軽量化と低重心化を実現している。0-100km/h加速は3.5秒、サーキット走行においてコーナーでの立ち上がりの加速に相当する80km/h-100km/h加速は2.2秒と紹介された。

史上最強なのに価格は据え置き

公道を走行可能なスポーツカーというMモデルのコンセプトを電動化によってさらに拡大した新型M5。従来モデル以上のパフォーマンスを発揮しながらも戦略的な判断で価格は据え置きとした。
新型M5の登場で5シリーズは、内燃機関搭載モデル、電気自動車、高性能プラグインHVと、ラインアップの布陣をさらに強化したことになる。