輸入車
更新日:2025.01.07 / 掲載日:2025.01.07
新世代ランボルギーニのデザイン哲学とは。新型テメラリオが示す伝統と革新

[デザイン責任者が語る新世代ランボルギーニのデザイン哲学]輸入車だからこそ味わえる魅惑的なデザイン
文●ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス、ランボルギーニ
(掲載されている内容はグーワールド本誌2025年2号「[2025年のトレンドがわかる]それでも輸入車がほしいワケ」記事の内容です)
機能と運転体験をデザインに融合させる
カーデザインは、クルマの印象、魅力において支配的なまでの影響を与える。人々は意識、無意識のうちにスタイリングからブランドのDNAを読み取り、恋に落ちる。
カウンタックの血統を受け継ぐ、ランボルギーニの新型テメラリオのお披露目において、本国イタリアからデザイン責任者のミチャ・ボルケルト氏によるプレゼンテーションを幸運にも聞くことができた。ポルシェでキャリアを積み重ね、2016年からランボルギーニに移籍しデザイン部門を束ねている人物だ。
ゼロベースで生み出されたプロポーションにより、日常性とサーキット走行の楽しさを両立させたというテメラリオ。ボルケルト氏は、そのディテールにおいて、六角形のデイタイムランニングライトシグネチャーに注目を促す。
「テメラリオのシンプルでありながらも刺激的なスタイリングは、ランボルギーニの本質的かつ象徴的なデザイン言語に新たな形を与え、未来に向けて大きな一歩を踏み出します。ユニークな六角形のライトシグネチャーは、ランボルギーニのラインアップのなかで独自性を保証し、遠くからでもはっきりと識別できます」とボルケルト氏は強調する。
デイタイムランニングライトは形がユニークなだけでなく、中央がダクトの機能を果たす。空力をスタイリングに取り込むというデザインコンセプトを象徴するパーツだ。
この幾何学的な六角形は、ランボルギーニにおいて1960年以降最も認識しやすいシンボルのひとつ。テメラリオにおいては、六角形をメインのボディワークだけでなく、サイドエアインテークやテールライト、そして排気管など、あらゆる箇所にモチーフとして用いている。
説明はさらに続く。テメラリオにおけるデザインは、エンジニアリング、ドライバー体験といったデザイン以外の要素とも完璧に組み合わせられ、融合しているのだという。
プレゼンテーションの終盤、ボルケルト氏が心から楽しそうに説明するパートがあった。それがV8エンジンを搭載する印象的なリアセクションについてだ。
「リアセクションのデザインは、バイクからインスピレーションを得たものです。エンジンや排気管がむき出しになっているバイクは、まさに機能と造形が融合したもの。テメラリオには、そのエッセンスを盛り込みました」と説明する。
もしもテメラリオからランボルギーニのエンブレムが外されたとしても、このクルマはきっとランボルギーニに見えるだろう。正しいデザイン言語とはそうしたものだ。
名車からDNAを受け継ぎながら、これまでとは異なる新しい個性を生み出す。その極めて前向きで力強いデザイン哲学こそが、ランボルギーニらしさなのだろう。
