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更新日:2025.01.15 / 掲載日:2025.01.15
アルファ ジュニアに会うのが待ち遠しい!【九島辰也】

文●九島辰也 写真●アルファ ロメオ
年末年始、都内にはクラシックカーが集まりました。というか、そもそも毎週末のように集っているのですからそれほど特別ではありません。ですが、都心の交通量の少なさは日頃とは違います。普段の日曜日の半分くらいでしょうか。午前中の青山通りですらガラガラです。
なので、クラシックカーやスーパーカーを走らすには都合がいい。渋滞の中アイドリング状態を長く続けることはありません。マニュアルシフトをひとつひとつ丁寧に吹け上がらせて走ることができます。この時のエンジンの感触がいいんですよね。たまりません。特にキャブレターのクルマはそうだと思います。冬場のこの時期はガソリンの燃焼具合がいいかと。夏場はちょっと濃いんですよね。まぁ、都度キャブレター調整をすればいいだけの話ですが。
それにオープンカーもこの時期は気持ちがいい。クラシックカーにはエアコンがありませんが、ヒーターはあります。ボンバージャケットにニット帽をかぶって手袋をすれば完璧。冷たい風を頬に感じながら走ります。最近は「夏だ!オープンカーだ!」とはいきませんよね。暑すぎて倒れちゃいます。信号待ちでは日陰から出ることができません。と言うことで、年末年始は愛車コーダトロンガのアルファロメオスパイダーで都心を走り回りました。本当に気持ちよかったです。
そのアルファロメオの今年の話題はジュニアでしょうか。マーケットの大きなコンパクトSUVとなります。

ただ、このクルマはスタートからケチがつきました。それは名前。当初アルファロメオはこのクルマに“ミラノ”と名付けましたが、イタリア政府からダメ出しを喰らいました。法律的にNGとかで許可されなかったんです。アルファロメオにとっては誕生の地 “ミラノ”と呼ぶことで、新世代アルファを表現したかったのでしょう。NGの理由はいろいろありそうですが、イタリア政府からすれば国内で造っていないのがネックになったようです。「国内の雇用を確保した上で名付けろ!」ってことかな。アルファロメオ側としてはテンション下がります。
まぁ、確かに、クルマはステランティスグループ内で共有する部分が多いこともあり、開発も生産もイタリアではありませんが。
そんなジュニアには2つのパワーソースが存在します。1.2リッター直3ターボのガソリンエンジンにモーターを取り付けた48Vマイルドハイブリッドと、100%電池で走らせるBEVです。なんかグループ内にいますよね、こんな感じ。後者はジープ・アベンジャー、フィアット600e、プジョーe-208とパワートレインはもちろんプラットフォームも同じです。

ただ、こうしたプラットフォームやパワーソースの共有化は今後ますます増えていくでしょうし、定番化されるのは明白。電動化されればなおさらそうなります。部品点数は少なくなり、フォーマットは決まってしまうからです。で、その上で各ブランドが味付けをする。アルファロメオらしい走りとか、プジョーらしい走りといったように。きっと今話題のホンダと日産もそうなることでしょう。ノートやアリアを使ってホンダがどんな味付けするのか想像すると楽しくなります。
話を戻しますが、ジュニアの登場でアルファロメオのSUVラインナップは充実しました。大きい方からステルヴィオ、トナーレ、そしてジュニアとなります。でも、ステルヴィオもトナーレも峠の名前ですが、なぜ彼らは突如としてミラノの名前を思いついたのでしょう。前述した発祥の地という理由はあるでしょうが、これもまた峠でもよかったような。マセラティが“風”の名前を多く使いますが、“峠”シリーズは珍しいですから、「アルファロメオ=峠」なんて新たなイメージをつけられたでしょうに。

もちろんジュニアは伝統ある名前です。アルファロメオスパイダーにもジュニアはありました。1750ccに対する1300cc、2000ccに対する1600ccといったポジションです。まさにジュニア的存在。新型ジュニアに関してのクルマの良し悪しは、実車に触れて乗ってみないとわからないのでその評価は後日また。楽しいクルマに仕上がっていることを期待したいです。