輸入車
更新日:2025.02.07 / 掲載日:2025.02.07

欧州車の新たな定番に? 新モデル続々登場、マイルドハイブリッドの魅力とは

[マイルドハイブリッドの注目モデル]もはや定番となりつつある電気サポート技術の魅力

文●石井昌道 写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2025年3号「[ライフスタイルに合った1台を選ぶ]電動化最前線2025」記事の内容です)

身近な電動モデルとして主力となりそうなマイルドハイブリッド(MHEV)。欧州ブランドではより効果的な48Vシステムを採用している。

内燃機関の弱点を効果的に補うMHEV

 欧州車は48V電源のMHEVはもはや定番になりつつある。電圧は高いほうが性能を上げられるが、60V以上になると安全基準が厳格になって高コストになるので、ちょうどいい妥協点が48Vというわけだ。フルハイブリッドに比べれば燃費改善やアシスト効果は限定的なものの、コストパフォーマンスは高い。
 フォルクスワーゲン パサートのeTSIは、1.5Lとボディサイズに対して小排気量ながらパフォーマンスは十分。隙あらばエンジンをとめてコースティングするという、燃費志向な制御を行いながらもドライバビリティも満足させるのはMHEVのおかげだろう。エンジン本体もガソリンには贅沢な可変ジオメトリーターボを使って立ち上がりを素早くしているが、モーターのアシストは欠かせない要素になっている。
 メルセデス・ベンツ CLEはCクラスクーペとEクラス クーペを融合したモデル。メルセデスのMHEVはBSG(ベルトドライブ式)とISG(トランスミッション内蔵式)の2種類があり、Eクラスクーペでは前者だったが、CLEではより効果の高い後者が選択された。モーターも強化されているためドライバビリティはよく、ターボエンジンの悪癖を見事に取り払っている。
 排出ガス規制が厳しくなるほどエンジンのレスポンスは悪くなる傾向だが、MHEVはそれを補う効果もあるのだ。ディーゼルエンジンであればなおのことレスポンス改善の恩恵は大きい。これからも欧州車ではMHEVの強化は続くだろう。

[メルセデス・ベンツ CLE]プレミアムブランドらしいMHEVの使い方

 メルセデスが大切にしている贅沢で大人っぽい4座クーペ。プレミアムブランドを象徴するモデルだ。2LエンジンのMHEVも十分なパフォーマンスだが、メルセデスAMGには直列6気筒にターボと電動スーパーチャージャー、MHEVを組み込んだ驚速のモデルもある。

CLEの魅力はクーペならではのパーソナルな雰囲気。モーターのサポートにより発進や低速でもじつにスムーズに走る。

メルセデス・ベンツ CLE クーペ スポーツ(9速AT) ●全長×全幅×全高:4850×1860×1420mm ●ホイールベース:2865mm ●車両重量:1800kg ●エンジン最高出力:204ps/5800rpm ●エンジン最大トルク:32.6kgm/1600-4000rpm ●モーター最高出力:17kW/1500-3000rpm ●モーター最大トルク:20.9kgm/0-750rpm ●新車価格:854万円〜1305万円(CLE 全グレード ※MP202501)

[フォルクスワーゲン パサート]大柄な車体をモーターで効率よく走らせる

 日本上陸を果たしたばかりの新型パサート。VWらしい実直な造りに、プレミアムブランド並みの品質が融合。それでいて車両価格は524.8万円からと抑えられているのがうれしい。初期に上陸するのはMHEVだが、2Lディーゼルや1.5LガソリンのPHEVも用意されている。

新型はボディタイプがステーションワゴンのみ。大型化したボディによって後席でもゆとりは十分。

フォルクスワーゲン パサート eTSI Rライン(7速AT) ●全長×全幅×全高:4915×1850×1500mm ●ホイールベース:2840mm ●車両重量:1580kg ●エンジン最高出力:150ps/5000-6000rpm ●エンジン最大トルク:25.5kgm/1500-3500rpm ●モーター最高出力:13kW/4000rpm ●モーター最大トルク:56kgm/200rpm ●新車価格:524万8000円〜679万4000円(パサート 全グレード)

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石井昌道(いしい まさみち)

ライタープロフィール

石井昌道(いしい まさみち)

自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイク・レース等への参戦も豊富。ドライビング・テクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。

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自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイク・レース等への参戦も豊富。ドライビング・テクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。

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