輸入車
更新日:2025.04.06 / 掲載日:2025.04.06

フォルクスワーゲン「ID.4」マルチな魅力を備えた電動SUV

マルチな魅力を備えた電気自動車 ID.4[フォルクスワーゲンSUVの見どころ]

文●石井昌道 写真●ユニット・コンパス
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2025年5号「売れているのにはワケがある![フォルクスワーゲンSUVの見どころ]」記事の内容です)

本格的な性能を手頃な価格で実現した初のEV

床下に効率よく駆動用バッテリーを搭載できる専用プラットフォームのおかげで、ボディサイズに対する室内と荷室の空間効率に優れる。

 欧州メーカーのなかでもいち早くBEVの本格普及に舵を切ったフォルクスワーゲンは、BEV専用プラットフォームのMEBを開発し2020年から展開を始めた。
 今のところ日本導入はSUVタイプのID.4のみで、ライトとプロの2種類のグレードを用意。前者は52 kWhのバッテリーに125kWのモーター、後者は77 kWhのバッテリーに150kWのモーターが搭載される。2023年モデル以降は一充電走行距離が伸長して、前者435km、後者618kmとなった。
 さすがは専用プラットフォームだけあってボディサイズのわりにバッテリー容量が大きく、ホイールベースを長くとれるので、後席足もとスペースはフルサイズSUV並みに広いのが美点だ。またRWD(後輪駆動)ゆえ前輪の切れ角を大きくとれることから小まわり性能が有利でもある。
 ドライバーディスプレイの右側にあるシフトセレクターがユニークで奥へ回すと前進、手前に引くと後進になる。運転感覚はいい意味で普通。初めてBEVに乗る人でも違和感がないよう、あえて癖のないエンジン車のようなフィーリングになっているのだ。それでもBEVならではの低速域から力強い加速に静粛性の高さは存分に味わえることに加えて、低重心で前後重量配分にも優れるためシャシー性能も望外にいい。
 一度付き合いを始めたら、エンジン車に戻りたくなくなるだろう。

フォルクスワーゲン ID.4 Lite ●全長×全幅×全高:4585×1850×1640mm ●ホイールベース:2770mm ●車両重量:1950kg ●総電力量:52.0kWh ●一充電走行距離(WLTC):435km ●モーター最高出力:125kW/3851-15311rpm ●モーター最大トルク:31.6kgm/0-3851rpm ●新車価格:514万2000円〜648万8000円(ID.4 全グレード)

VWらしいシンプルかつクリーンなインテリア。シフトノブをメーター右脇に設置し、センターコンソールの物入れスペースを大きく確保している。後席は広さだけでなく床もフラットで快適。
CHAdeMO規格の急速充電に対応する。50kWの充電器でバッテリー残量20%から80%までの充電にかかる時間は約65分(プロの場合)となっている。
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石井昌道(いしい まさみち)

ライタープロフィール

石井昌道(いしい まさみち)

自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイク・レース等への参戦も豊富。ドライビング・テクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。

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自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイク・レース等への参戦も豊富。ドライビング・テクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。

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