輸入車
更新日:2025.06.03 / 掲載日:2025.06.03
MINIを語り合うひととき【九島辰也】

文と写真●九島辰也
仕事柄トークイベントに呼ばれることが多々あります。主にはクルマに関するもので、主催となるメーカーの最新モデルについて語ることが大半です。
ですが、たまにはそうじゃないのもあります。昨年はイタリア商工会議所の紹介で、イタリアの魅力について語る機会がありました。かつてアリタリア航空の日本語版機内誌の編集長をしていたことから商工会議所とは今も仲良くさせてもらっています。それに年間15回ほどの渡航を20年以上続けていましたからね。ヨーロッパだけでも300回は足を運んでいるので、彼の地についてはいろいろ語れます。イタリアは回数で言えばベスト3に入るでしょう。カーメーカーがたくさんありますから必然的にそうなります。

それはともかく、先日MINIのトークショーに呼ばれて話をしてきました。主催はMINIやBMWのディーラーを複数店展開しているニコル・カーズ合同会社。場所は彼らが運営する中のひとつ、リニューアルしたばかりのMINI新百合ヶ丘です。
雑誌の取材や動画の撮影でいろいろなディーラーに行きますが、新しい施設は気持ちがいい。ガラス張りのショールームは太陽の光が差し込んで明るいため、雰囲気も明るくなります。それにスタッフの対応もグッド。堂々とした仕草で、プロ意識の高さが感じました。

スピーカーはワタクシとBMWジャパンでMINIの本部長をつとめる山口さん。23年間ずっとMINI一筋というからすごい。オーソリティですね。まさにBMW MINIとともに歩んできたといった印象です。なので、これまでも何度かインタビューしたことがあるので、気心の知れた仲です。それに同じ歳。親しみがあります。
トークは昨年受賞した日本カー・オブ・ザ・イヤー2024-2025のインポートカー・オブ・ザ・イヤーからスタートしました。みなさん知っていましたか? ワタクシが選考委員をつとめるこの団体で、MINIクーパーがその栄誉を獲得しました。
2024年はMINIの大転換期で、ほぼすべてのモデルがモデルチェンジしました。3ドアハッチバックは4世代目となり、クロスオーバーはモデルチェンジとともにネーミングを伝統のカントリーマンへスイッチしました。そしてBEV専用モデル、エースマンの登場とかなり賑やか。一気にこれだけのモデルが見直されたのですから注目しないわけにはいきません。多くの選考委員がその出来栄えに期待し、それに見合った仕上がりに高い評価が下されたのだと思われます。MINIはやはり「走ってナンボ」のクルマですからね。期待通りの走りを我々に与えてくれました。
インポートカー・オブ・ザ・イヤー受賞の話からはMINIの魅力、そしてJCWについてと展開されます。JCWについては5月に英国で4つのモデルをテストドライブしてきたばかりなのでホットな話題となります。
4つのモデルとは、ガソリンエンジンの3ドアハッチバックとコンバーチブル、それとBEV(電気自動車)の3ドアハッチバックとエースマンです。彼ら初めてのBEVのJCWですから、期待大といったところでしょう。もちろんその仕上がりは期待通りでしたのでご安心ください。それにしてもこうした国際試乗会は重要です。なんたって開発者に直接質問できるのですから。レポートするにしても生の声は説得力があります。

時としてこうしたトークイベントは自分のためになります。原稿書きとは違い、聞いている方々の直接的な反応も想定して話を組み立てるからです。なので、原稿とは別の言い回しを試してみたり。普段とは違う部分の脳みそを使います。そして何より、文字数に限りがないのが都合がいい。原稿書きと違って、あれもこれも書きたいのに「スペースがない!」というストレスがありません。二次元と三次元の違いですね。
とはいえ、三次元には二次元にはない “時間”が追加されます。なので、今度は「もっと話したいのに!」という新たな問題が発生します。まさに“帯に短し襷に長し”ってところでしょうか。クルマ好きは話し出したら止まらない人が多いですからね。ワタクシもそうだし、山口本部長もそのひとりです。失礼!
ということで、今回は先日MINIのディーラーで行われたトークイベントに触れてみました。MINIの国際試乗会に皆勤賞の身ですからネタはたっぷりあります。先日もジョン・クーパー氏の孫のチャーリー・クーパー氏に会いました。インタビューのついでにロンドンの流行りのパブを聞いたりして。しかもその翌日にちゃんとそこへ訪問。いつものパブで飲むより格段に美味しいギネスビールをいただきました。これって役得かな。いずれにせよ、MINIの大躍進はまだまだ続きそうです。