輸入車
更新日:2020.03.04 / 掲載日:2020.03.04

MINI特集/ますます魅力に拍車がかかる! MINI進化論

VISUAL MODEL : MINI COOPER S CLUBMAN ALL4

写真●内藤敬仁
(掲載されている内容はグーワールド本誌2020年4月号の内容です)
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。

MINIの進化とは、プロダクトの進化であると同時に、ブランドの進化でもある。つねに時代の潮流を読み、微妙に、しかし絶妙にその立ち位置を変化させることで、輝き続けているのだ。そしてその結果が、しっかりと人気に反映されている。輸入車の車名別販売ランキングではなんと6期連続No.1!(2019年、JAIA調べ)今月は、人気と実力を兼ね備えた輸入車界のスター、MINIについてその魅力をしっかり掘り下げて紹介します!

19年かけて築き上げていたものとは?

文●九島辰也 写真●内藤敬仁、澤田和久
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。


2001年に3ドアのみでスタートしたMINIは、いまやファミリーという言葉がぴったりなほどラインアップを広げている。MINIが拡大し続ける理由と最新情報についてお伝えする。

 昨年、デビューから60周年を迎えたMINI。あらためて考えると3ドアハッチバックから始まったボディタイプは、いまやバラエティに富んだラインアップとなった。5ドアハッチバックもそうだし、クラブマンもクロスオーバーも馴染み深いMINIファミリーである。
 こうした拡大路線に対し、「大きくなったMINIはMINIじゃない」という声もたまに耳にするが、それはちょっとした思い込み。MINIはブランド名であって、「小さい=MINI」という図式とは別。スポーツカーの代名詞ポルシェが4ドアモデルやSUVをたくさん売っていることを鑑みれば、ご理解いただけるだろう。
 それにマーケティングの見地からしてもこの拡大路線は正解。3ドアからのステップアップを他ブランドに持っていかれてはもったいないと思うのが普通だ。家族が増えた3ドアオーナーに対し受け皿となるクラブマンやクロスオーバーを用意するのは至極自然な行動である。
 さて、そんなMINIのもっとも新しいモデルが写真のクラブマンだ。昨年4月の上海モーターショーでマイナーチェンジが発表され、10月に日本上陸した。ガソリンエンジンを新しくしたり、トランスミッションを替えたりと、かなり手が入っている。また、運転支援システムもアップデート。日本仕様はアクティブクルーズコントロールを一部のモデルに標準装備するなど魅力を高めている。個人的には、リヤコンビネーションランプにユニオンジャックをモチーフにしたデザインを取り入れたのが気に入った。先にモデルチェンジした3ドアや5ドア、コンバーチブルとこれで同世代となったわけだ。他ブランドにはできないMINIらしい芸当である。もちろん、グレードがたくさんあるのも見逃せない。JCWを除いても7つのグレードが用意される。ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、その出力違い、装備違いとじつに豊富だ。
 そんなMINIの最新事情だが、電動化の風が吹いているのも事実。MINI初のエレクトリックドライブとしてクロスオーバーのプラグインハイブリッドモデルがラインアップされている。電力のみで42.4km走行できる優れものだ。電気モーターとガソリンエンジンのいいところをうまい具合に引き出している。
 以上からしてMINIの進化はまだまだ歩みを止めない。昨年ヨーロッパで行われたイベントではEVの話もどこからか聞こえてきた。MINIが新たなフェイズに入るのはもはや時間の問題。まずます目が離せません!

Profile
自動車ジャーナリスト

九島辰也
クルマはもちろんのこと、ファッションやライフスタイルにも造詣が深い自動車ジャーナリスト。プライベートでは、各国のクルマを乗り継ぐ。

MINI クーパーS クラブマン オール4

MINI クーパーS クラブマン オール4(8速AT) ●全長×全幅×全高:4275×1800×1470mm ●車両重量:1550kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●最高出力:192ps /5000rpm ●最大トルク:28.6kgm/1350-4600rpm ●排気量:1998cc ●新車価格帯:330万円~455万円(JCWクラブマンを除く)

昨年10月に日本で発表された新型クラブマン。二世代目のマイナーチェンジとなる。グレードが多いのが特徴で、ガソリンは3種類、ディーゼルは2種類の出力違いがある。価格帯も広いので好みで選べそうだ。

全長は短いがワイドが1800mmあるクラブマンのキャビンは広く快適。カーゴ容量もあり、3分割で倒せるリヤシートは使い勝手はかなりいい。

高くても売れる! JCWの底力

文●九島辰也 写真●内藤敬仁、澤田和久
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。


MINIの大きなセールスポイントである走りの実力を象徴するのがJCW。価格も速さもコンパクトカーの枠に当てはまらないJCWの底力とは? 高くても人気が衰えないホットハッチの魅力に迫る!

 ファッショナブルなMINIだが、そのイメージと共にこのブランドは“走り”が際立っているのも忘れてはならない。1960年代、そもそもF1のコンストラクターだったクーパーカーカンパニーがミニに目をつけ、モンテカルロラリーで勝利したのがその発端だ。軽量コンパクトでFWDのミニは運動性能が高く、潜在的な能力は高かったことが実証されている。
 そんな足跡があるだけに、新生MINIになってもJCW(ジョンクーパーワークス)は存在する。そのレーシーな走りを一部のカスタマーは要望しているということだ。
 ラインアップは、3ドア、コンバーチブル、クラブマン、クロスオーバーをベースにしたものとなる。現状5ドアはラインナップされない。その辺は市場ニーズとの兼ね合いだろう。
 トピックスは最新モデルをベースにしたJCWクラブマンとJCWクロスオーバー。3ドアのイメージが強いJCWだが、これら2つのモデルもしっかり仕立てられている。エンジンは2L直4ツインパワーターボで最高出力はなんと306馬力。かなりカリカリにチューニングされたユニットだ。そして駆動方式はフロントに機械式ディファレンシャルロック機構備えるヨンクのALL4。4つのタイヤでしっかりトラクションを稼ぐことを念頭に置いた結果だ。またスポーツサスペンションも見逃せない。ニュルブルクリンクでテスト走行を重ねたもので、スタンダードモデルよりも10mm車高を低くする。もちろん、ブレーキとホイールも専用。ホイールは18インチまたは19インチを選ぶことができる。この辺のこだわりはさすが。単なるモデファイでないことは一目瞭然だ。
 そんなJCWにはさらなる秘密兵器がある。昨年11月、世界限定3000台で販売することが発表されたMINI史上最速モデル、二世代目のジョンクーパーワークスGPだ。ベースは3ドアハッチバック。吸気と冷却装置に手を加えさらなる加速性能と俊敏性を向上。最高速度265km/h、0―100km/h加速5.2秒は立派だ。その速さはルーフエンドの巨大なスポイラーが物語っている。かなりデカイ! 日本の割当は240台。今年夏頃からデリバリーが開始される。
 というようにJCWも進化を止めない。MINIと共にいつまでも“走り”を楽しませてくれる。

MINI ジョン・クーパー・ワークス クラブマン

見た目からも迫力が違うJCW。オリジナルカラーを採用。ツインエキゾーストからはレーシーな音が鳴り響く。

MINI JCW クラブマン(8速AT) ●全長×全幅×全高:4275×1800×1470mm ●車両重量:1600kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●最高出力:306ps/5000rpm ●最大トルク:45.9kgm/1750-4500rpm ●排気量:1998cc ●新車価格:568万円

細部にJCWのオリジナリティを散りばめたインテリア。レザーのステアリングには赤いステッチが、サイドシルにはロゴが入る。ヘッドレスト一体型のスポーツシートもその証となる。

  • JCWクラブマンのリヤはご覧の観音開き。ここは先代から変わらないアイデンティティ。スペースはスタンダードと同じ。

  • 2Lながら306馬力を発揮するハイパワーエンジンのJCW。吸気、冷却をパワーアップしているのでスペースはいっぱい。

お宝になること間違いなし!?[JCW GP]

文●ユニット・コンパス 写真●MINI
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。


モデルラインアップの成熟期に登場する、JCWの特別モデルがいよいよ登場。史上最強のスペックとレアリティで、コレクターズアイテム化する可能性が高い。

全世界3000台限定の最強スペックモデル

 ファンにとってはたまらない、最強モデルが登場した。JCWをベースにモータースポーツで培われた技術を惜しみなく投入したのが、全世界3000台限定、日本では240台のみ導入される「JCW GP」。
 最高出力はJCWに比べて75馬力強力な306馬力で、これはMINI史上もっとも強力なもの。クランクシャフトやベアリング、ピストンなどが専用品に変更されており、その強力なパワーを路面に伝えるために、トルセンLSDも装備。当然、ボディ剛性やサスペンションなども最適化されている。
 GPの象徴ともいえるのが、カーボン製ホイールアーチカバーや大型リヤスポイラーなどによるレーシーなスタイル。見るからに力強く、特別なモデルであることをアピールする。コレクションアイテムとしても注目の1台となりそうだ。
新車価格:MINI JCW GP:576万円、MINI JCW クラブマン GP インスパイアード エディション:615万円

最高出力306馬力、最大トルク45.9kgmを発生する2Lターボエンジン。0-100km/h加速は5.2秒、最高速は265km/hというスペック。

JCW GPのイメージスケッチ。大型サイズのホイール装着を前提に、大胆なデザインの前後ワイドフェンダーが与えられた。

  • モータースポーツのイメージでまとめられたインテリア。六角形の模様が刻まれたシフト・パドルやステアリングホイールのスポーク部が印象的。

  • リヤシートを外して2シーター化し、そこに極太の剛性アップパーツを装着。機能性はもちろん、鮮やかなカラーリングがレーシーな雰囲気を高める。

GPにインスパイアされたクラブマン高性能モデル登場

「JCW クラブマン GP インスパイアード エディション」は、世界限定299台、日本120台導入される。速さと機能性の両立が売り。

家族そろって集めたくなる完成度

文●ユニット・コンパス 写真●MINI

デザイン性の高さから、自動車グッズの範疇を超えていると話題のMINIライフスタイル・コレクションを紹介。

 MINIを手に入れる楽しさはクルマだけではない。ディーラーで購入できるライフスタイル商品が、一般的なカーブランドのグッズと比べて、ラインアップの豊富さやデザイン性の高さで群を抜いていることでも知られているMINI。
 たとえばこれからの季節におススメとなるのが、ここで紹介するアウトドア向けのアイテム。どれもデザインがシンプルで洗練されており、ハイクオリティ。年齢や性別を問わず愛用できるものばかりだ。
 さらにキッズ向けの商品の充実ぶりも目を見張るばかりで、ミニカーやぬいぐるみに加えて3輪バギーのような本格的なものまで用意されている。どれもクルマに載せて出かけるのが楽しみになるものばかり。
 実用性とコレクション性が両立したMINIライフスタイルのアイテムに、ぜひ注目してもらいたい。

デイキャンプが楽しくなる純正ルーフテント。3輪車やバギーもMINIライフスタイルのアイテム。

専門のデザイナーによって生み出されるアイテムは、どれもシンプルかつ遊び心のあるものばかり。

時代に合わせて進化を続けるMINIのいまを知る

文と写真●ユニット・コンパス
※中古車参考価格はすべてグーネット2020年2月調べ。
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。


ブランドとしてつねに進化を続けているMINI。ここからは、視点を新車だけでなく中古車にまで広げてMINIの世界を紹介。あなたにとって、もっともふさわしいMINIがきっと見つけられるはずだ。

 かつてのクラシックミニは、大人4人が乗れる最小サイズの小型車という成り立ちだった。現代のMINIは、そのデザインや精神性を受け継ぎつつ、現代のライフスタイルにマッチするように進化を遂げ、ボディタイプも数多く登場した。「MINI」はブランド名であり、名字と考えるほうがわかりやすい。
 ここでは、新車だけでなく、すでに市場に出まわっている中古車も含めて、オススメのMINIについて考えていく。中古車のおもしろさは、ブランドのこれまでの歩みを俯瞰して眺められることにもある。
 たとえば、MINIは2011年にラインアップを一挙に広げ、非常に多彩なモデルを用意した。そのなかには、現在新車としては販売されていないボディタイプも存在する。
 そうした新車では手に入れることのできないモデルを購入の対象として検討してみるのも、中古車ライフの醍醐味だ。

 MINIのモデルサイクルを表したタイムライン。多くのモデルがライフサイクルの後半に入っており、熟成期にいることがわかるだろう。ユーズドカー市場に目を向けると、先代モデルがいよいよ年式的に買いやすくなってきた。3ドア、コンバーチブル、クラブマンはマイナーチェンジ後も手が届きそうだ。

どんどん広がる、MINIワールド!

  • 3ドア(先代)
     だれもがMINIだとイメージする3ドアハッチバックの先代モデルは、いまもっとも中古車としてねらい目かもしれない。台数は多く、価格はこなれ、買い得度も高い。
    中古車参考価格帯:35万円~200万円(07年~14年 ※JCWを除く)

  • クラブマン(先代)
     ワゴンボディに観音開きの特徴的なクラブドアを採用。先代モデルの特徴は、ハッチバックに近い元気のいいハンドリング。総額100万円で乗れるクルマも増えてきた。
    中古車参考価格帯:50万円~200万円(07年~15年 ※JCWを除く)

  • コンバーチブル(先代)
     電動収納式の幌屋根を備えたコンバーチブルモデル。非常に魅力的なクルマだが、絶対的な台数がハッチバックに比べ少なく、平均価格帯も100万円後半と高め。
    中古車参考価格帯:70万円~210万円(09年~16年 ※JCWを除く)

  • クーペ
     2シーターに割り切り低重心とし、MINIが持つカートライクな走りを極めたのがクーペ。その鋭い走りはクラス随一だが、いかんせん中古車が極小。出物があれば買い、だ。
    中古車参考価格帯:120万円~160万円(11年~15年 ※JCWを除く)

  • ペースマン
     いまや大人気でMINIのメインストリームとなったクラブマンの3ドア版。流麗なスタイルとがっしりした走りは個性的。クーペほどではないが台数が少ない。
    中古車参考価格帯:100万円~195万円(13年~16年 ※JCWを除く)

  • ロードスター
     2シーターのクーペをさらにオープンとしたのがロードスター。販売期間が短く、なおかつクルマの性格もあり、非常にレア。ほしいひとはあるうちに手に入れるべき。
    中古車参考価格帯:155万円~220万円(12年~15年 ※JCWを除く)

  • ジョン・クーパー・ワークス(先代)
     各ボディタイプに設定されている上級スポーツ版であるJCW。台数は少なく、価格は標準ボディに対し3割増しといったところ。だが、新車価格から比べれば買い得だ。
    中古車参考価格帯:100万円~280万円(11年~17年 ※JCW GPを除く)

【Classic Mini】もはや投資の対象になりつつある

 ここ数年でますます需要と供給のバランスが偏り、価格の高騰に歯止めがかからないのがクラシックミニ。レストア済みのものは200万円台が当たり前。Mk1などは一般的な市場で見かけることがなくなった。
中古車参考価格帯:80万円~400万円(76年~01年)

走りも実用性も十分MINIピックアップモデル

家族みんなで乗って遊べる! 新しいMINIのカタチ【MINI クロスオーバー(先代)】

文●ユニット・コンパス

登場から9年が経過しお買い得な物件が充実

 MINIのキュートなデザインに惹かれるけど、家族だと不便……そんな声に応えるかのように登場したのが、MINIクロスオーバー。MINIとしては初となる4ドアを採用し、後席へのアクセス性が向上。また3ドアよりもひとまわりボディサイズを拡大したことで、ファミリーカーとしても魅力あるクルマとなった。デビュー以来、日本でも大ヒットとなり中古車市場にも物件が充実し、入手しやすい状況なのだ。
 今回紹介するのは11年に登場した初代モデル。17年に現行型が登場するまでおよそ6年間にわたり販売されたが、中古車価格帯は70万円~と、かなりリーズナブル。初期型なら100万円前後の予算があれば探せるはず。なお、同年式の3ドアと比べると中古車平均価格は同程度だ。
 グレードは、エントリーモデル「ワン」から高性能バージョン「JCW」まで幅広く設定されるほか、3ドアに先駆けてディーゼルの「クーパーD」や「クーパーSD」が選べるのも特徴。これらディーゼルモデルは全体の3割ほど流通しているから探しやすいはず。また、4WDの「ALL4」も注目点で、こちらは全体の2割ほど存在している。積雪地方のユーザーはチェックしておこう。
 なお、新型の中古車も少しずつ増えているが、平均価格が340万円と、買い時はしばらく先だろう。
2015年 MINI クーパーSD クロスオーバー(6速AT) ●全長×全幅×全高:4105×1790×1550mm ●ホイールベース:2595mm ●トレッド前/後:1535/1560mm ●車両重量:1420kg ●排気量:2000cc ●エンジン:直4DOHCディーゼルターボ ●最高出力:143ps/4000rpm ●最大トルク:31.1kgm/1750~2700rpm ●サスペンション前/後:ストラット/マルチリンク ●ブレーキ前後:Vディスク/ディスク ●タイヤ前後:205/55R17 ●中古車参考価格帯:70万円~270万円(11年~17年 ※JCWを除く)

【インテリア&エクステリア】クロスオーバーでもMINIらしさは不変

 MINIクロスオーバーは、名前のとおりコンパクトSUVのボディを採用。しかしながら外観はもちろん、インパネのデザインもひと目でMINIファミリーとわかる仕立てとなるのが嬉しい。気になる後席アクセスも良好で、頭上空間もゆとりがあるから、ロングドライブが苦にならないのもクロスオーバーの大きなメリットと言えそうだ。

【走行性能】スポーティな走りもMINIそのもの

 3ドアは、エントリーグレード「ワン」でも走りが楽しいクルマ。それはクロスオーバーにも引き継がれており、引き締まった足まわりでスポーティな味付けとなる。豊富なエンジンバリエーションにより、用途や趣向に合わせて選ぶことが可能。さらに「ALL4」と呼ばれる4WDも設定するから、グレードは非常に多岐にわたっている。

【中古車市場データ】

  • [グレード別物件比率]もっとも多いのがJCWを除いたガソリンの最上級モデル「クーパーS」。こちらは2Lターボで192馬力を発揮する。次いで「クーパーD」が豊富だ。

  • [年式別物件比率]グラフを見てもわかるとおり、年式に偏りなく物件が揃う。それは予算の幅が広いことを意味し、自分の経済状況に合わせたクルマ探しができるのだ。

ガソリンとディーゼルが選べるMINIクロスオーバー

 現行の3ドアや5ドアにもディーゼルが選べるが、初代クロスオーバーとペースマンがディーゼル初搭載車となった。ガソリンのような洗練さに欠けるが、パンチのある加速感が魅力。相場はディーゼルが高めとなっている。

実用性と走りを両立させることで、新たなファンを獲得!【MINI 5ドア】

文●ユニット・コンパス

プレミアムコンパクトの品格を備えたMINI 5ドア

 14年10月に導入されたMINIの新しい仲間が5ドア。3ドアよりもホイールベースを70mm延長し、ボディも拡大。横から見ると胴長な印象だが、3ドアよりもエレガントな佇まいとなっている。クロスオーバーに続いて左右に4ドアを備えたことで、後席に気軽にだれかを案内できる。それでいながら、重心が低く3ドアと共通性の高いルックスは、まさに3ドアとクロスオーバーのいいとこ取りと言っていい。発売以降MINIの人気株となり、中古車は初代クロスオーバーよりも充実する。
 登場から丸5年以上が経過し、中古車は以前と比べて手が出しやすくなっている。とは言え100万円以下の物件はわずかで、中古車平均価格は231万円となる。購入には150万円前後の予算は見積もっておきたいところだ。年式別に見ると、デビュー翌年の15年式がもっとも豊富で、この年式は100万円以下の物件も充実するから注目したい。
 グレードは、クロスオーバーと比べるとディーゼルの割合が少なく、ガソリンが中心。とくにスポーティな「クーパーS」が目立つ。ちなみに5ドアには4WDの設定はない。中古車全体の走行距離は短めで、低走行な物件が中心なのも注目点だ。
 モデルライフ後半に差し掛かり、今後は相場がゆるやかに下がるはず。これからが買い時のモデルだろう。
2016年 MINI クーパー 5ドア(6速AT) ●全長×全幅×全高:4000×1725×1445mm ●ホイールベース:2565mm ●トレッド前/後:1500/1500mm ●車両重量:1260kg ●排気量:1498cc ●エンジン:直3DOHCターボ ●最高出力:136ps/4400rpm ●最大トルク:22.4kgm/1250-4300rpm ●サスペンション前/後:ストラット/マルチリンク ●ブレーキ前後:Vディスク/ディスク ●タイヤ前後:175/65R15 ●中古車参考価格帯:110万円~380万円(14年~19年 ※全グレード)

【インテリア&エクステリア】大人っぽさを身につけた5ドア

 正面から見ると3ドアと見分けがつかないが、横から見ると伸びやかでエレガントなプロポーションの5ドア。ホイールベースが70mm拡大されたことで、後席の足もとスペースにゆとりが生まれている。車高の高いクロスオーバーに抵抗があるひとにオススメしたい1台。なお、インパネまわりのデザインは3ドアとほぼ共通となっている。

【走行性能】MINIらしさは5ドアでも健在

 3ドアと比べて大きくなったとはいえ、全長はわずか4mと最近のコンパクトカーの平均値。それゆえ走りは軽快で、3ドアに劣らず楽しいドライブフィールを堪能できる。写真は136馬力を発揮する1.5L直3ターボを搭載する「クーパー」。刺激的な動力性能を求めるなら、192馬力の2Lターボを積んだ「クーパーS」がオススメだ。

【中古車市場データ】

  • [グレード別物件比率]もっとも豊富なのが、2Lターボを搭載する「クーパーS」で全体の3割を占める。「ワン」、「クーパー」などガソリン車が全体の75%となっている。

  • [年式別物件比率]どちらかと言えば、高年式よりもデビュー年前後の物件が多め。しかし、低年式でも低走行な物件が揃っているので、コンディション重視もOKだ。

マイナーチェンジでリヤのライトがユニオンジャック柄に

 2018年5月には3ドア、5ドア、コンバーチブルがマイナーチェンジを受け、内外装やメカニズムが改良された。リヤコンビランプがユニオンジャック風になり、「クーパー」と「クーパーS」は6速ATから7速DCTに変わった。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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