輸入車
更新日:2020.04.11 / 掲載日:2020.04.11
BMW 2 Series GRAN COUPE【グーワールド コラム/インプレッション】
文●石井昌道 写真●BMW
(掲載されている内容はグーワールド本誌2020年5月号の内容です)
問い合わせ●BMWカスタマー・インタラクション・センター TEL:0120-269-437
エレガントでありながら、実用性をも併せ持つBMWのグランクーペ。コンパクトな2シリーズではスペース効率に優れるFFプラットフォームが選択された。FRの2シリーズ・クーペ(2ドア)に比べると後席のニールームは33mm延長され、ラゲッジルームは40L増の430L。さらに後席へのアクセス性やヘッドルームにもそれなりの余裕があり、ファミリーカーとして使える巧みなパッケージになっている。
日本へ導入されるモデルはM235i xDriveと218iだが、今回はひと足先に前者をポルトガルで試乗してきた。
BMWファンが気にするのはFFプラットフォームの走りがつまらなくはないか? ということだろう。それが杞憂なことは1シリーズでも証明されているが、2シリーズ・グランクーペでもハンドリングは正確性が高く、ダイレクト感がある。ステアリングフィールもBMWのFRに近いぐらいで驚くほどだ。さらに、FFベースAWDは安定感が抜群なので、コーナリングではFRよりもずっと攻撃的なドライビングができるのがメリット。コーナー立ち上がりでアクセルをベタッと踏みつけても不安定な姿勢になることなく、フロントから引っ張られる感覚で猛烈に加速していく。ウエット路面ならM2より速く走れそうだ。
さらに、ハッチバックの1シリーズよりもコンフォート性能を高めているのも特徴。乗り心地は全般的によく、高速道路ではピッチングの少ない落ち着いた走りだった。
扱いやすいサイズでBMWらしい駆け抜ける歓びがあり、しかも快適。都市生活者にとって理想的な要素が揃っているのだ。
新車価格帯:369万円~665万円(全グレード)
Profile
自動車ジャーナリスト
石井昌道
内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動運転にも参加する自動車ジャーナリスト。幅広い視野と知見でわかりやすくレポートする。
ひと昔前に比べるとBMWの室内はぐっと上質に。10.25インチのインフォメーション・ディスプレイを備えたライブコクピットは、M235i xDriveに標準装備、218iではオプション。
フレームレスドアを採用し、流麗なルーフラインでエレガントなスタイルを実現。それでいて後席の満足度が高いのがグランクーペの特徴だ。もしかしたら3シリーズキラーになるかもしれない。