輸入車
更新日:2020.08.24 / 掲載日:2020.08.24
アルファ ロメオのジュリアとステルヴィオが改良を受けて登場。ナビの搭載など装備や質感が充実
FCAジャパン株式会社代表取締役社長兼CEOであるポンタス・ヘグストロム氏と改良を受けたジュリアとステルヴィオ
文●大音安弘 写真●アルファ ロメオ
FCAジャパンは、2020年8月20日、オンライン発表会を開催し、アルファロメオの主力であるスポーツセダン「ジュリア」とSUV「ステルヴィオ」に一部改良を施し、10月3日より販売を開始することを発表した。
オンラインで行われた発表会では、FCAジャパン株式会社代表取締役社長兼CEOであるポンタス・ヘグストロム氏からのメッセージも公開された。
新型コロナウイルスが自動車ビジネスにも大きな影響を及ぼしたことに言及し、FCAジャパンは、FCAグループと共にできるかぎりのことをすると決め、感染者や医療従事者、医療期間はもちろん、従業員、ディーラー、FCA製品のオーナーに対しての支援を続けていることを説明。そのうえで2020年上半期の販売台数について、市場全体が10%程度ダウンしているのに対して、前年比6%のプラス成長を遂げ、輸入車市場シェアで初めて10%超を獲得し、シェア最高記録を更新したことを明らかにした。また、7月単月については、昨年比でフィアットが10%、アバルトが7%それぞれプラス成長を遂げたという。
新グレードのスプリント誕生
新たにエントリーグレードとして追加されたジュリア スプリント
あらためて今回のテーマであるアルファ ロメオモデルの改良について紹介しよう。改良のポイントとなるのは、インテリアの質感向上、装備とグレード構成の見直し。特にエントリーグレードの「ベース」が廃止され、新グレード「スプリント」に置きかられたことで、エントリーモデルの内容の充実化が図られた。
インテリアでは、センターコンソール周りの素材と形状を変更し、課題であった質感の向上を実現。機能面ではアップグレードが加えられ、8.8インチのインフォテイメントシステムが、タッチスクリーン化で操作性を向上。さらにエントリーグレード「スプリント」を除き、全車にナビゲーションシステムも標準化されたのが大きなトピックだ。もうひとつ便利機能でいえば、ワイヤレスチャージングも全車に標準化されている。
新エントリーとなる「スプリント」は、バイキセノンヘッドライト、18インチアルミホイール、電動式ナチュラルレザーシート、デュアルゾーンフルオートエアコン、アクティブブラインドスポットアシストなどの充実した基本装備を備える。ナビは付属しないものの、従来型同様にApple CarPlayとAndroid Autoに対応し、タッチスクリーン操作が可能となったことで、利便性を高めている。またステルヴィオでは、ハイウェイアシストシステムやトラフィックジャムアシスト、トラフィックサインレコグニション、インテリジェントスピードコントロールなどの先進運転支援機能も追加。このようにステルヴィオなら、全車標準となる衝突被害軽減ブレーキなどの基本的な運転支援機能に加え、スプリントでも上級車同様に自動運転レベル2の機能も備わるので、アウトドアなどの郊外でのレジャーを積極的に楽しむユーザーの満足度も高いだろう。
センターの8.8インチディスプレイはタッチ対応となり、ナビゲーションやワイヤレスチャージが標準となった(スプリントを除く)
ADAS機能が改良され、ACCは渋滞時のステアリングアシスト付きとなった
ADASをはじめとする装備も強化
新型ステルヴィオの価格帯は580万円から1232万円
広く普及が進むADAS機能は、従来型にも採用されていたが、今回の改良で機能を向上。ACCには、車線中央付近を維持するようにステアリングアシストを追加。トラフィックジャムアシスト相まって、ドライバーの疲労軽減に貢献する。結果、ジュリア・スプリントを除き、一般道から高速道路まで幅広い運転状況下でのサポートを可能としている。
ステルヴィオのみとなるが、パワーテールゲートを全車に標準化。これはリヤバンパー株へ足でのジェスチャー動作による自動開閉が行えるものだ。また最上位のクアドリフォリオでは、大型サンルーフを標準化。これは最新アルファロメオ唯一となる特別なアイテムでもある。メカニズムでは、スポーツパッケージに、FSDダンパーを新装備。アルファらしいスポーティな走りとSUVに求められる快適な乗り心地の両立を図った。
グレード構成は、ジュリアが2.0L直列4気筒ターボの「スプリント」、ハイチューン仕様の2.0L直列4気筒ターボの「ヴェローチェ」、さらに左ハンドル及び4WDシステムを組み合わせる「Q4ヴェローチェ」、クリーンディーゼルターボの「スーパー」、2.9LのV6ツインターボのハイパフォーマンス「クアドリフォリオ」の5モデルを用意。基本的には、従来のランアップを継続するが、ベースグレードの代わりに、スプリントを設定。さらにガソリンターボの「スーパー」が廃止されている。価格帯は、460万円~1174万円となる。
ステルヴィオは、2.2L直列4気筒クリーンディーゼルターボの「Q4スプリント」と「Q4スポーツパッケージ」、2.0L直列4気筒ターボの「Q4スポーツパッケージ」、2.9LのV6ツインターボのハイパフォーマンス「クアドリフォリオ2.9 V6 BI-TURBO」の4モデルとなる。新価格は、580万円~1232万円となる。ステルヴィオは、全車右ハンドルの4WD車となる。
改良モデルのオンライン発表会では、今後の商品展開にも触れ、アルファの伝説のスポーツモデル「GTA」を復活させた「ジュリアGTA」の日本導入の意向があることを示した。「ジュリアGTA」は、トップグレード「クアドリフォリオ」をベースに、アップデートを加えたトップ・オブ・ジュリアとなるグレード。その性能の高さから、サーキット走行用のカスタマイズを加えた「GTAm」が設定されることも、ファンの間では話題となっている。GTAは世界限定500台が宣言されており、どの程度の数が抑えられるのかも注目される。
ステルヴィオの最上級モデルには大型サンルーフが標準装備となる
ステルヴィオにはパワーテールゲートが全車標準装備となった