輸入車
更新日:2020.12.04 / 掲載日:2020.12.04
BODY COVER【グーワールド コラム/トピックス】
今回採寸をお願いしたのは、シトロエン C4 グランドピカソ(先代)。曲線基調のデザインのため、カバー製作の難易度は高いが、見事なフィッティングで完成した。
文●ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス、仲林工業
(掲載されている内容はグーワールド本誌2021年1月号の内容です)
問い合わせ●仲林工業株式会社 住所:大阪府富田林市喜志町4-6-10 TEL:0721-24-8110 URL:https://www.nh-cover.jp
筆者がボディカバーを初めて購入したのは、十数年前。それまで契約していた立体駐車場が閉鎖され、やむなく屋外駐車場を契約したのだが、そこで車両の劣化が著しく加速。夏場は特に厳しく、ワックス(当時)の頻度は増し、内装パーツは紫外線と熱で加水分解が始まり、乗り込むときには車内の暑さと匂いで気が滅入る……。
このモヤモヤを解決するにはボディカバーしかない!と思ったわけだが、ここでも苦難は続いた。安いものはペナペナで耐久性がなく、海外製の丈夫そうなものはフィット感が乏しいうえ、重くかさばりトランクルームを占領する。そうして右往左往しているときに見つけたのが、今回お邪魔した「仲林工業」のボディカバーだった。かれこれ10年前の話である。
仲林工業製ボディカバーの特徴は、「抜群のフィット感」、「裏起毛付きでも薄く、コンパクトにたためる」、「優れた機能性」、「価格」の4点に集約される。特にフィット感は、車種別完全採寸制(ホームページで型起こしのための車両を常時募集中)のため申し分なし。また、この10年で10枚ほど使用させてもらっているが(増車や入れ替え、3年でのカバー更新)、脱着の容易さとコンパクトにたためることが、最も重宝している。
一般的にボディカバーにはメリットとデメリットがあるが、筆者にはメリットのほうがはるかに大きい。特に年々暑くなる夏場の直射日光は車両にはダメージでしかなく、使用することにより車両劣化のスピードは明らかに落ちるのだ。
今回、代表の仲川晃一氏にも話を伺った。「弊社はボディカバーにこだわり続けて、2022年で50年を迎えます。長く続けていても、いや、長く続けているからこそ、新たな課題に対して敏感になります。これまで多くのユーザーの皆さまに愛用いただいておりますが、これからもますます優れたボディカバーの製作に集中していきたいですね」
仲林工業のホームページでは、ボディカバーのすべてが解説されているので、ぜひ一度見ることをオススメしたい。製作へのこだわりが、びっしりと詰まっている。
カバー製作のディテールで難しい箇所はいろいろあるが、なかでも気を使うのはドアミラー周辺だという。電動ミラーの場合、基本的に折りたたまれた状態で製作されるが、カバーの脱着を想定した「ゆとり」をどの程度確保するかは、これまでのノウハウが生きる。
細部を見ると非常に丁寧に作り込まれているのかがわかる。生地の合わせ目は、雨水が外に流れるように。
表面は、はっ水加工と紫外線を防ぐコーティングが施されているため、写真のように水が玉状に弾かれる。
手入れはコーティングが剥がれることを防ぐ意味もあり、水で行うのが基本。意外にも十分効果がある。
生地の表面と裏面を重ね合わせた写真。裏起毛付きながら、生地は一枚生地のため、起毛が分離しない。
裁断・縫製が行われる工場は、広くて清潔な環境が整っている。職人たちが、一枚一枚、丁寧に手作りしていく様は、見ていて惚れ惚れする。
仲林工業株式会社 代表取締役の仲川晃一氏。ボディカバーに対する蓄積されたノウハウで、さまざまな疑問にも丁寧に答えてくれた。
お邪魔した「仲林工業株式会社」は、社屋と工場を併設しているのがポイント。これにより、カバーの受注から裁断・縫製がスムーズに行われ、時間的にもコスト的にもメリットがあるという。ちなみに採寸作業は写真中央の入り口から入り、完全屋内で実施される。