輸入車
更新日:2021.01.20 / 掲載日:2021.01.18
【キャデラック XT4/CT5/エスカレード】2021年導入の新世代モデルをお披露目

キャデラック XT4
文と写真●大音安弘
ゼネラルモーターズ・ジャパンは、2021年1月16日、都内にて2021年より導入を開始する新世代キャデラックモデルのお披露目を行った。
今回、日本初上陸を果たしたのは、ミッドサイズサルーンコンパクトSUV「XT4」、ミドルサイズサルーン「CT5」、フラッグシップラージSUV「エスカレード」の3台だ。これらの導入で、日本のキャデラックラインアップも全てが新世代へとシフトすることになる。
キャデラック初のコンパクトSUV「XT4」が日本上陸

キャデラック XT4 エクステリア
最も注目すべきは、新世代キャデラック期待の星であるキャデラック初のコンパクトSUV「XT4」だ。威風堂々とした高級車のイメージが強いキャデラックだけにコンパクトクラスのモデルはかなりレアだ。これは冷めやらぬSUV市場の中でも、特にニーズの高いコンパクトクラスへ参入することで、世界的なシェア拡大を目指すもの。それだけにキャデラックの強い意気込みを節々に感じる。
そのスタイルは、まさにアバンギャルド。コンパクトというイメージよりも力強さを意識させるスタイリングで、その迫力に圧倒される。コンパクトSUVと言いながらも、アメリカンラグジュアリーな雰囲気が全身から漂っているのだ。
そんなXT4は、本当にコンパクトなのだろうか。ボディサイズは、全長4605mm×全幅1875mm×全高1625mm。ホイールベースが2775mmとなっている。日本車でいえば、レクサスNXが近いサイズだ。キャデラックとしては扱いやすいサイズのSUVといえるので、上陸を歓迎するファンも多いはずだ。
インテリアは、キャデラックらしい豪華で先進的なもの。優雅なデザインのダッシュボードには、デジタルメーターと8インチタッチスクリーンを装備。日本仕様では、最新式「クラウドストリーミングナビ」を標準化し、快適なドライブをサポート。もちろん、車内空間は、ロングホイールベースの恩恵で広々としており、後席のレッグスペースはクラストップを誇る。もちろん、他のキャデラックモデル同様に、レザーやウッドなどを取り入れた贅沢な空間に仕上げられている。またラゲッジスペースも637L~最大1385Lと多くの荷物を収めることができ、実用性も高い。
パワートレインは、気筒休止機能付2L直列4気筒直噴ターボエンジンを搭載。最高出力230馬力、最大トルク350Nmを発揮。9速ATと4WDシステムを組み合わせる。安全面では、20以上もの最新安全装備を備える。
展示車は、中間グレードでスポーティな装いとなる「スポーツ」で、価格は640万円となる。シリーズの価格帯は、570万円~670万円となり、2021年2月からのデリバリーを予定している。
キャデラック XT4 インテリア
キャデラック XT4 フロントシート
キャデラック XT4 リアシート
キャデラック XT4 ラゲッジルーム
キャデラック XT4 エンジン
キャデラック XT4 センターコンソール
ミッドサイズサルーンは名称が「CT5」に

キャデラック CT5
ミッドサイズサルーン「CT5」は、事実上、2020年まで導入されていた「CTS」の後継モデルにあたるものだ。近年のキャデラックは、直線を強調したスタイルが印象的だったが、CT5は、フロントマスクこそCTSの面影を見ることが出来るが、スタイリングは、よりグラマラスなものに進化している。
一言でいえば、フォーマルサルーンから流行の4ドアクーペライクなものとなった。そのため、リアガラスは薄く、リアスタイルも絞り込んだものに。トランクリッドには、内蔵型スポイラーも備わっており、スポーティにまとめられている。ボディサイズは、全長4925mm×全幅1895mm×全高1445mm。ホイールベースは、2935mmとロング。6ライトウインドウとの相乗効果で、ゆとりあるキャビンを実現している。
インテリアデザインは、XT4とも共通性の高いもので、液晶メーターパネルと10インチタッチスクリーンを組み合わせたダッシュボードが備わる。ナビゲーションは、最新「クラウドストリーミングナビ」を標準化。最新の安全装備も20種類以上を備えるなど、抜かりはない。
パワートレインのレイアウトは、ラグジュアリー指向の「プラチナム」は後輪駆動となるが、スポーツ指向である「スポーツ」は、ビジュアル的差別化だけでなく、駆動方式が4WDとなるのが大きな違いとなる。パワーユニットは、両グレード共通の気筒休止機能付2L直列4気筒直噴ターボエンジンを搭載。最高出力240馬力、最大トルク350Nmを発揮。トランスミッションには、10速ATが採用されている。
展示車はFRとなる「プラチナム」で、価格は560万円。もうひとつの選択となる4WDの「スポーツ」は、620万円。納車開始は、2021年3月からを予定している。
キャデラック CT5 リアスタイル
キャデラック CT5 エンジン
キャデラック CT5 ラゲッジルーム
キャデラック CT5 インテリア
キャデラック CT5 フロントシート
キャデラック CT5 リアシート
アメラグの象徴! エスカレードも新型へ

キャデラック エスカレード
2020年2月にフルモデルチェンジを迎えた新型キャデラック・エスカレードも日本初披露された。セダンが「CT」、SUVが「XT」へと名称が統一される中で、エスカレードのみ、伝統の名称を継承。キャデラックにとって、その存在が如何に特別なものであるかを象徴するエピソードだ。無論、それは、ユーザーの強い信頼の証でもある。
そのエクステリアは、まさに迫力満点。ブラックで統一させた展示車のエクステリアは、黒い宝石のようだ。直線基調のスタイリングや大型のペンタゴングリルなどの特徴は、従来型のイメージを受け継ぐものだが、一方で、カットしたような直線的かつシャープなフロントマスクは、似て非なるものともいえる。これも新世代キャデラックの特徴といえ、よりデジタルライクなデザインに仕上げられている。
そのデジタルなスタイルは、ダッシュボードにも反映されており、高輝度タッチパネルと大型のインフォメーションディスプレイは、曲面式となる点も新しい。その一方でトリムやシートなどの装飾はアメリカンラグジュアリーらしいクラフトマンシップ溢れるものとなっており、優雅な雰囲気を漂わせる。先進的な車載装備と温もりを感じさせる職人技の融合は、まさに今のアメリカを象徴するものだろう。それでいて、往年のエスカレードファンを裏切らない世界観を守り抜いているのは、見事といえよう。
その特別感はエンジンにも表れる。今や貴重な6.2L V8OHVを搭載。最高出力426馬力、最大トルク623Nmを発揮する。大海原をゆくクルーザーのような優雅な乗り味は、いまのうちに味わっておきたいアメリカンスタイルといえるだろう。トランスミッションは、10速ATとなり、4WDが組み合わされる。
最後にボディサイズを確認しておくと、全長5382mm×全幅2060mm×全高1948mmとなり、ホイールベースは3071mmにもなる。乗員は、2+2+3の7人乗り仕様となる。このサイズ感ならば、如何なる高級SUVの前でも引けを取らず、そういう意味でもエスカレードはコスパの高い一台といえるだろう。
2グレードが用意され、「プラチナム」が1490万円。展示車と同じ「スポーツ」が1520万円となっている。
ゼネラルモーターズといえば、新型シボレー・コルベットも本年より本格導入される予定で、こちらは右ハンドル仕様となる。しかし、キャデラックは新世代を含めて、左ハンドルであることに変わりはない。これはブランド戦略的な意味も強いが、ライバルとなる欧州ラグジュアリーカーのほとんどが右ハンドル仕様、もしくはハンドル位置の選択が可能となる中で、どれだけのユーザーを確保できるかにも注目が集まる。上級モデルは、こだわりのファン向けとして左ハンドル仕様だけということも魅力のひとつとなるだろう。しかし、ボディサイズが日本市場に適したXT4だけでも、右ハンドル仕様が用意されたらと思うのは筆者だけはないはずだ。
キャデラック エスカレード リアスタイル
キャデラック エスカレード エンジン
キャデラック エスカレード ラゲッジルーム(2列目、3列目を倒した状態)
キャデラック エスカレード インテリア
キャデラック エスカレード フロントシート
キャデラック エスカレード リアシート