輸入車
更新日:2021.10.05 / 掲載日:2021.10.04
グーEV TEST【グーワールド コラム/インプレッション】
文●石井昌道 写真●ユニット・コンパス
問い合わせ:グーネット マガジン URL:https://www.goo-net.com/magazine/
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2021年11月号の内容です)
日本の路上でEVは使えるか実車を使ったテストを実施
エンジン車やハイブリッドカーでは1Lのガソリン(または軽油)で何km走れるかという燃費が注目されてきたが、EV(電気自動車)になるとフル充電での航続距離がクローズアップされて電費はさほど話題にならない。そこに違和感があって始めたのがEVテストだ。
EVがエンジン車やハイブリッドカーと同等以上の利便性を持つには、バッテリーの性能は現状よりもう少し向上してもらいたいところで、だからこそ航続距離が指針となるのは当然であるのだが、それを伸長していくにはバッテリーを大容量化するのが手っ取り早い。だが、車両重量が重くなっていくので電費は悪くなる。そのジレンマの狭間で各自動車メーカーはEVのバッテリー容量を決めているのが現状だ。
EVはエンジン車に対して、街中など低速域でエネルギー効率がよく、また自動車単体で見ればゼロエミッションなので、交通過密状態の都市部では優れたソリューションだ。都市部の移動は低速なので長い航続距離を必要とせず、軽量コンパクトで電費のいいシティコミューター型EVはひとつの理想の姿。BMW i3やホンダeなどはそういった考えのモデルといえる。とはいえ、たまには高速道路を使って遠方にも行くとなれば大容量バッテリーが欲しくなる。
そんな悩ましさがあるので、実際に走らせて電費を計測し、充電も含めて実態を探っている。テスト距離は約200kmで、高速道路、一般道(街中)、アップダウンが大きいワインディングロードを、毎回同じ場所で同じような走り方で行う。テストコースできっちりと同条件で揃えているわけではないので、完璧な比較データにはなりえないが、リアルワールドの交通のなかを走行することにも意味はあるはずだ。バッテリーが進化して航続距離が課題にならなくなれば、さほど重要ではなくなるかもしれないが、本格普及前夜のEVをチョイスするときに参考になる“くらしの手帳”的なものだと捉えていただければ幸いだ。
Profile
[自動車ジャーナリスト]石井昌道
内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動運転にも参加する自動車ジャーナリスト。幅広い視野と知見で的確な評論を行う。
テストは、高速道路、山道(ワインディングロード)、一般道という3つのステージで計測される。高速道路は一般的にEVが苦手とするステージで、空力性能や車重、メカの効率が数値となって表れる。駆動方式によって回生ブレーキの回収効率の違いが出てくるのも興味深いところだ。詳しくはグーネット マガジン「グーEVテスト」をチェックしてほしい。