輸入車
更新日:2022.04.01 / 掲載日:2021.12.04
ジャガー&ランドローバー特集/その魅力の真髄を探る【英国車の流儀】
写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2022年1月号の内容です)
※中古車参考価格はすべてグーネット2021年11月調べ。
数多い輸入車のなかでも、とことん英国車に惚れ込んでいる人がいる。彼らはなぜ英国車に惹かれ続けるのか?日本で最も売れている、ジャガーとランドローバーを通して、その魅力を探っていきます。
孤高の俊足SUVはどこまでもジェントル
文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス、ジャガー
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
いまやどのブランドもSUVをラインアップする。そこでランドローバーやジャガーが提供するのが、特別車両開発部門SVOが開発したスペシャルモデル「SVRシリーズ」。高級なだけではないSVRの魅力を自動車ジャーナリストの九島辰也氏が解説する。
あらゆる欲望を叶える「SVR」という存在
英国車というと高級サルーンを思い浮かべる人が多いと思う。ジャガーXJやロールスロイス・ファントムなどが象徴的だ。ただ、それも近年はSUVに取って代わっている。ジャガーにだって、ベントレーにだって、それは存在する。
その意味でレンジローバーはいまや王道ともいえる。昔は“砂漠を走るロールスロイス”なんて形容されたが、ロールスにもSUVがあり、レンジローバーはさらに高級になった。
それじゃ英国車は高級路線一辺倒かといえばそうじゃない。昔からスポーティな走りも得意とする。なんたってF1のコンストラクターをたくさん輩出してきた国。スポーティな走りにもこだわりがある。
という背景があって、こんなクルマが生まれた。レンジローバースポーツSVRである。レンジスポーツは名のとおり、本家レンジローバーをカジュアルにスポーティに仕上げた。スタイリングはクーペライクとなりエアロパーツで架装される。で、その中でひときわ目立つのが今回スポットを当てるSVR。ジャガー・ランドローバーの特別車両開発部門SVO(スペシャル・ビークル・オペレーションズ)が手がけたモデルだ。
エクステリアデザインからして個性は発揮される。ボディに一体化された前後バンパーは迫力満点。特にエキゾーストが強調されるリアエンドは個性的だ。低く構えたフォルムと合わせ、ただ者でないことをうかがわせる。それと足もとの22インチ大径ホイールはさすが。見た目もそうだが、走りのパフォーマンスの高さを予想させる。
SVRのボンネット下には5LV8エンジン+スーパーチャージャーが収まる。最高出力は575馬力、最高速度は時速280kmで、時速0-100km加速はわずか4.5秒で駆け抜ける。「これがSUV?」と言いたくなる驚異的なスペックだ。
事実、その走りを体感すると驚きの連続となる。スタートからドーンと加速するのだが、その勢いは止まらない。アクセルを踏み続ければいつまでもグイグイ走り続けるといった印象だ。
それでいて乗り心地がいいのも彼ら流。スポーティに仕上げることで固められたサスペンションが乗り味を粗雑にしてしまいそうだが、実際はそうではない。エアサスのセッティングは絶妙で、レンジローバーの兄弟車であることをしっかり主張する。ストロークが長く気持ちのいい乗り心地なのだ。もちろん、それでいてコーナリングのスタビリティは頼もしい。リアの粘りがあって、高速コーナーを得意とする。まさにこれぞレンジローバーマジックといったところだろう。
といった走りを踏まえSVRが万能であることを体感した。ラグジュアリーで居住性は高く、それでいて走りに不満がないのだから恐れ入る。全方位を網羅する仕上がりはさすがである。
[PROFILE]自動車ジャーナリスト 九島辰也
外資系広告会社から転身、現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆する。
ランドローバー レンジローバー スポーツSVR
シリーズ最強の575馬力を発生
レンジローバースポーツには数多くのパワーソースがある。ディーゼル+マイルドハイブリッド、ガソリンエンジン+マイルドハイブリッド、プラグインハイブリッド、V8+スーパーチャージャーなど。そしてその頂点に立つのが575馬力を発揮するSVR。専用のエアロパーツを装着し迫力のフォルムを司る。
ランドローバー レンジローバースポーツ SVR(8速AT) ●全長×全幅×全高:4855×2020×1800mm ●ホイールベース:2920mm ●車両重量:2420kg ●エンジン:V8DOHC+スーパーチャージャー ●排気量:4999cc ●最高出力:575ps/6500rpm ●最大トルク:71.4kgm/3500-5000rpm ●新車価格:1723万円(レンジローバースポーツ SVR)
ジャガー Fペイス SVR
走りを極めたジャガー最強のSUV
2019年にFペイスのフラッグシップとして登場したSVR。パワーユニットは5LV8+スーパーチャージャーで550馬力を発揮する。と同時にサスペンション、制御系電子デバイスなどは専用チューニング。走りに振った味付けを濃くする。見た目は前後の専用バンパーと22インチの大径ホイールでドレスアップ。ジャガーネスをSUVでも強調する。
ジャガー Fペイス SVR P550 AWD(8速AT) ●全長×全幅×全高:4755×1960×1670mm ●ホイールベース:2875mm ●車両重量:2110kg ●エンジン:V8DOHC+スーパーチャージャー ●排気量:4999cc ●最高出力:550ps/6500rpm ●最大トルク:71.4kgm/3500rpm ●新車価格:1356万円(Fペイス SVR P550 AWD)
可能なら2台所有したい!? まさしく原点と未来
文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
オンロードを得意とするSUVが多数登場した反動で昨今注目を集めているのが、より悪路走破性を重視するクロスカントリービークル的なモデル。その最右翼ともいえるのが、ランドローバー ディフェンダーだ。
初代モデルを現代的に再解釈した新型
英国流のトレンドが高級サルーンから高級かつスポーティなSUVへ移行したのは前ページで説明した通り。グローバルでも人気が高まっている。と同時に、ティピカルなSUVスタイルもこのところ熱が上がってきた。ここで紹介するディフェンダーがまさにそれである。
言わずもがな、現行ディフェンダーは初代をオマージュして登場した。スクエアなボディスタイルに丸型ヘッドライト、ルーフサイドのアルパインウインドウや背面タイヤなど、ご先祖を象徴するアイテムを装備する。今どきタイヤを後ろに背負っている新車はほとんどない。そして、それをうまい具合に現代的にアレンジして蘇らせた。アルミ製モノコックフレームをベースにライト類はLEDを多用する。見た目はかなりモダンだ。で、これが見事に成功し、販売は絶好調となる。
エンジンは当初2L直4ターボのガソリンのみで登場した。ボディは110(ワンテン)と呼ばれる5ドア。そして今年、同じエンジンの90(ナインティ)と呼ばれるショートボディと110の3L直6ターボディーゼルが追加された。当初から本国にはあったので、これらを待っていた方も多いことだろう。
日本導入が遅れた要因は、コロナによる工場停止と半導体不足。もちろん、それはどのメーカーにも言えることだが、新型ディフェンダーにとってはタイミングが悪かったのはたしか。まぁ、それでも日本のファンは辛抱強いからメーカーは一安心ってところだろう。じわじわと納車は進んでいる。
では、走らせた印象はというと、これが意外に楽しい。単なるコスプレではなく、ファンな走りが楽しめる。驚いたのは90とガソリンエンジンのマッチングで、走りはとにかくスポーティ。この保守的なスタイリングが今日的なパフォーマンスで機敏に走るのだ。ボディは堅牢で足は柔らかい。よって乗り心地は良好。豪快なその走りはオンロードで日常的に楽しめる。また110とディーゼルエンジンの組み合わせもグッド。SUVとディーゼルの親和性を長年説いてきたが、まさにそれだ。低速での力強さはディフェンダーのイメージそのままとなる。オフロードコースも走らせたが、低回転でのトラクションの効き方は昔ながらのオフローダーといった感じだった。
そんなディフェンダーの魅力のひとつにアクセサリーパックがある。アーバン、カントリーなど、4つのパッケージングが用意されているのだ。ホイールやデカール、ルーフラック、ギアキャリアなどそれぞれ個性あるアイテムが装着される。個人的にはエクスプローラーパックのレイズドエアインテークが気に入っているが、こりゃ購入を前提に考えたら、相当迷いそうだ。
いずれにせよ、魅力満載なのはおわかりのとおり。先代とガレージに並べると男の世界が完成する。
ランドローバー ディフェンダー
街中で注目のスタイリングだが悪路走破は本物
レンジ、ランドローバー系とは別の柱となるディフェンダー。オフロードキャパシティを売りに開発された。なのでエアサスを巧みにコントロールするほか、前後のアングルなどを深くしたりタイヤの接地性を高めている。ヨンクの制御はもちろんテレインレスポンス。道なき道を行く感覚だ。
ディフェンダー110 S(8速AT) ●全長×全幅×全高:4945×1995×1970mm ●ホイールベース:3020mm ●車両重量:2240kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1997cc ●最高出力:300ps/5500rpm ●最大トルク:40.8kgm/2000rpm ●新車価格:576万円~1197万円(ディフェンダー全グレード)
ディフェンダー90
こちらがショートボディの90。3ドアの5名乗車モデル。驚くのはリアシートが足もとを含めかなり広いこと。ただし、スペースはあっても乗り降りがしにくいのは否めない。ある意味気軽な2シーター的だ。
ジャガー Iペイス
2022年仕様にアップデート、内外装や性能も進化した
ジャガーブランド初となる100%電気自動車がこれ。専用のプラットフォームはロングホイールベースで床下一面にリチウムイオン電池を敷き詰める。モーターは前後に配するAWD。400馬力のパワーを4つのタイヤで駆動させる仕組みとなる。
ジャガー Iペイス EV 400PS HSE(電気式CVT) ●全長×全幅×全高:4695×1895×1565mm ●ホイールベース:2990mm ●車両重量:2230kg ●バッテリー総電力量:90kWh ●モーター最高出力:400ps/4250-5000rpm ●モーター最大トルク:71.0kgm/1000-4000rpm ●新車価格:1005万円~1221万円(Iペイス全グレード)
※諸元データは2020年モデル
ジャガーもランドローバーも2022年モデルは「BLACK×SPORTY」
文●ユニット・コンパス 写真●ジャガー、ランドローバー
既存のラインアップについても注目。定番モデルについても見逃せないアップグレードが行われている。
印象的な黒の使い方でスポーティなルックスに
絶え間なく進化を続けるジャガー、ランドローバーのラインアップ。2022年モデルで注目したいのが、マイナーチェンジを受けたばかりのディスカバリーで、各所を黒で引き締めたルックスはスポーティ。パワートレインを電動化し、48Vシステムのマイルドを組み込んだ直6エンジン(ガソリン、ディーゼル)を搭載した。CO2削減につながるだけでなく、発進がよりスムーズになるなど走行フィーリング面でのメリットもある。ストップ&ゴーの多い日本では、恩恵が大きいはずだ。
ジャガーブランドの中核モデルであるXFとXEについても標準装備やオプションの見直しが行われている。注目は新グレードの「Rダイナミック ブラック」で、新色のホワイトに各部をブラックアウトすることで、洗練された上質なスポーティスタイルを作り上げている。
[ランドローバー ディスカバリー]マイナーチェンジでルックスもシャープに生まれ変わった
現行世代となって初めてのマイナーチェンジを受けたディスカバリー。パワートレインに48VマイルドHVシステムを備える直6ガソリン&ディーゼルエンジンを新たに採用した。3Dサラウンドカメラなど装備類も充実している。
[ジャガー XF]各部をブラックアウトした新グレードを導入
22年モデルのハイライトは新グレード「Rダイナミック ブラック」の導入。黒をテーマカラーとした引き締め効果のあるカラーリングを実施し、スポーティイメージを高めた。セダンに加えてスポーツブレイクにも同様のグレードを用意する。
[ジャガー XE]新色と黒をテーマにした装いで洗練されたスポーティを提案
XFと同様XEにも「Rダイナミック ブラック」を設定。ルックスはさらにスタイリッシュになり、装備類を充実させたことで利便性も向上している。写真のボディカラー「オストゥーニパールホワイト」は、2022年モデルからのニューカラー。
NEW RANGE ROVER/WORLD PREMIERE[受け継がれた伝統]
文●ユニット・コンパス 写真●ランドローバー
高級SUVの代名詞として、進化を続けてきたレンジローバーが、フルモデルチェンジを受けてついに登場。ここでは新型がどのように進化したのか、注目のポイントを解説する。
時代の要請に応えつつ伝統を継承した新型
ついに5代目レンジローバーが姿を現した。新型はプラットフォームを刷新、電動化技術を盛り込んだ「МLA-Flex」アーキテクチャを採用し、喫緊の課題となっているカーボンニュートラルにも積極的に取り組む姿勢を見せている。
2022年初頭に注文受け付けを開始する日本では、ガソリン仕様とマイルドHV仕様でラインアップをスタートする。なお、本国では100km(WLTP)ものEV走行を可能にするPHEV仕様も存在、さらに2024年にはBEV仕様も投入される。BEV仕様については日本での発売も予告されており、上陸が今から楽しみだ。
新型の進化は環境対応だけではない。あらゆる道で快適な走行を約束するという、レンジローバー本来の能力も当然引き上げられている。インテリアには、アクティブ・ノイズ・キャンセレーションやウイルス除去のための高性能空気清浄機を搭載。シャシーの統合制御はますます高度化し、穏やかな乗り心地と運動性能を両立。4輪操舵システムによって小まわり性能も高められている。
このように最新テクノロジーが凝縮した新型レンジローバーではあるが、そのスタイリングは極めてクリーンで洗練されたもの。シンプルに徹することで、豊かさが表現されており、まさにモダン・ラグジュアリーそのものといった姿である。
レンジローバーの伝統は、今回も正しく受け継がれたというわけだ。
これぞ大人のクルマ遊び/雄大な自然でディフェンダーの真価を体験
文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス
シーズンオフのスキー場を舞台に行われたランドローバーのイベントには、普通では味わうことのできないオフロード体験が用意されていた。
クルマが備える能力を安全に楽しめるイベント
クルマは買って終わりじゃない、そこから楽しいカーライフが始まる。というのは当然のこと。趣味の足に、家族旅行に、ときは仕事にと走らせてナンボとなる。
でも、それだけではつまらない。同じクルマを選ぶということは、趣味嗜好が似ているはず。ということで、インポーターであるジャガー・ランドローバー・ジャパンが主催で、ユーザー向けのイベントが行われた。場所は長野県の白馬。そこで、オフローダーであるディフェンダーをガンガン走らせてください! という催しだ。
ユニークなのはそこがスキーのゲレンデであること。雪のない舗装されていない傾斜面をみんなで走ろうというアイデアだ。また、その近くにはモーグルやヒルクライムなどを専用器具で再現したコーナーが用意される。普段とは異なる経験ができるのは素晴らしいことである。
目的はクルマのパフォーマンスを広く知ってもらうため。スポーツカーをサーキットで走らせるのと同じように、オフローダーであるディフェンダーをこうしたコースで走らせ、パフォーマンスの高さを知ってもらうという主旨だ。「俺のクルマ、こんなことできるんだ!」てな感じ。皆さんもこんな機会があったらぜひ参加してみてはいかが。楽しめますよ。
ディフェンダーをアウトドアで使いこなすという贅沢
文と写真●ユニット・コンパス
世界中の道なき道を行くディフェンダーのキャンピングカー仕様。じつはこれ、誰でも借りることのできるレンタカーなのだ。
イベント会場で見つけた本格キャンパー仕様
クルマは移動の自由を与えてくれる乗り物だが、それがランドローバーともなれば、まさにどこにだって行けてしまう。特にディフェンダーは冒険に使われるのを前提に作られており、堅牢さはもちろんのこと、使い勝手をさらに高めるアクセサリーパックも用意されている。
さらにディフェンダーというクルマは、それを使いこなす人たちが世界的にたくさんいる。ユーザーが多ければマーケットが盛り上がり、関連商品やサービスのレベルが上がる。まさにディフェンダーこそ、アウトドアで楽しむのにうってつけ。白馬で行われたイベントでも、多数のユーザーが自分仕様の新旧ディフェンダーを持ち込み楽しんでいた。
そんな会場で目を引いたのがこちらのディフェンダー110S。「オーバーランド・キャンパーズ・ジャパン」がレンタカーとして運用しているキャンピングカーで、大きなルーフトップテント(2.5人用)が印象的。ほかにも野外簡易更衣室兼シャワー室やカスタムメイドのキッチン、大容量ポータブル電源までセットになっている。レンタルには保険や寝具、冷蔵庫、キッチン用品、ガス式BBQセットなど旅に必要なものが丸ごと備わっていて費用は1日あたり3万3000円から。
本格オフローダーでアウトドアに出かける贅沢さは格別だし、ディフェンダー購入希望者にとってもオーナー体験としてぴったり。人気になりそうなサービスだ。
スポーツマインドが息づくジャガーサルーンに乗る[セダン]
文●ユニット・コンパス
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
※中古車参考価格はグーネット2021年11月調べ。
ジャガーはスポーツサルーンを製造してきた由緒正しきブランド。その伝統は現在のジャガーにもしっかりと受け継がれている。
[ジャガー XJ]戦前から続くジャガー製高級セダンの頂点
ジャガーは、戦前「マークⅣ」と呼ばれるスポーツセダンを製造していた。その後、「XK120」のようなスポーツカーも手がけ、スポーティなイメージを高めていった。「マークⅣ」の系譜はモデルチェンジを重ねて進化し、その後継として1968年に登場したのが「XJ」である。低い車高により高いハンドリング性能を実現し、以来ジャガーブランドの看板モデルとなった。
そんなXJはモデルチェンジを繰り返し進化を続けてきたが、大きな転機となったのは2010年にデビューした現行型XJのこと。すでに先代モデルでオールアルミ製ボディを採用していたが、新型は新世代のアルミボディを採用したことで、軽量化を実現。しかし、何よりデザインが大きく路線変更したのがトピックだろう。初代からXJのアイデンティティだった丸目4灯のヘッドライトやクラシカルなデザインから一転し、流線型フォルムに横長ヘッドライトを組み合わせた、未来的なデザインとなったのが特徴だ。パワートレインは当初V8のみだったが、後にV6や直4も登場するなど、幅広い展開となっている。
中古車市場に目を向けると、相場は大幅に下がり、現実的な予算で購入できるようになった。平均価格は420万円だが、初期型なら200万円以下の予算でも購入可能。エンジンはV8モデルが多いが、それ以外も流通する。ただし高性能なXJRは依然高値となっている。
中古車参考価格帯:170万円~1100万円(※10年~21年 全グレード)
[ジャガー XF]モダンジャガーのエッセンスを凝縮したアッパーミドルセダン
XJよりもひとまわり小型のセダンがXF。現行型は2015年にデビューし、アルミをふんだんに用いたボディにより洗練された走りを身につけている。エンジンは、3Lスーパーチャージャー、2Lガソリンターボと2Lディーゼルターボを用意。中古車は、5年落ちで半額以下にまで下がった。
中古車参考価格帯:230万円~700万円(※15年~21年 全グレード)
[ジャガー XE]コンパクトなボディで走りを磨いたエントリーモデル
ジャガーサルーンのなかで最も小型なのがXE。後輪駆動のコンパクトセダンなので、走りは上々。エンジンは2Lガソリンターボと2Lディーゼルターボが中心だが、当初は3LV6スーパーチャージャーも選べた。中古車は、ガソリンとディーゼルの割合が同程度。100万円台の物件も目立つ。
中古車参考価格帯:170万円~600万円(※14年~21年 全グレード)
スポーツマインドが息づくジャガーサルーンに乗る[SUV]
文●ユニット・コンパス
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
※中古車参考価格はグーネット2021年11月調べ。
ジャガーはスポーツサルーンを製造してきた由緒正しきブランド。その伝統は現在のジャガーにもしっかりと受け継がれている。
[ランドローバー レンジローバー]いつの時代も憧れイギリスの伝統的モデル
戦後、ローバー社が手がけた「ランドローバー・シリーズⅠ」と呼ばれるオフロードモデルを祖とするランドローバー。1970年には、当時の親会社ブリティッシュ・レイランドが「ランドローバー・レンジローバー」を発表。これが、現在まで続くレンジローバーの誕生である。ランドローバーブランドとして、ほかにも純オフローダーの「ディフェンダー」、レンジローバーよりも手頃な価格の「ディスカバリー」、エントリーモデル「フリーランダー」と、新しいモデルをリリースし、SUV専門ブランドとしての知名度と信頼を高めていった。
ここで紹介するのは、ブランドのフラッグシップであるレンジローバーの4代目モデル。レンジローバーでは初のオールアルミボディを採用し、従来型と比べて大幅な軽量化を実現したのが特徴。エクステリアも近代的なデザインとなった。インテリアは、スイッチ類を減らすことで、すっきりとした印象に。しかし、ラグジュアリーSUVとしての本質から外れない、快適な乗り心地を実現している。当初のパワートレインは5LV8、同スーパーチャージャーが用意されたが、後に6気筒、4気筒とダウンサイズされたエンジンも設定されている。
中古車市場には状態のよい物件が揃うが、極端に値落ちしたものは少ない。とはいえ、新車時価格(1000万円超)の半額程度まで下がり、かなり買いやすくなった。
中古車参考価格帯:530万円~1800万円(※13年~21年 全グレード)
[ランドローバー レンジローバー スポーツ]その名のとおり、フラッグシップのレンジローバーよりスポーティ
レンジローバーの車高を低め、全長を縮めたレンジローバースポーツ。積極的に走りを楽しみたいユーザー向けのモデルである。こちらも中古車の物件が揃っており、探しやすいのが魅力。相場は高値安定傾向にあるが、500万円台の物件も充実。エンジンはV8モデルの割合が多い。
中古車参考価格帯:500万円~1800万円(※13年~21年 全グレード)
[ランドローバー レンジローバー イヴォーク(先代)]物件豊富で買いやすいコンパクトなレンジローバー
レンジローバーのエントリーモデルがイヴォーク。重厚感のあるモデルが多いなか、イヴォークはカジュアルなデザインで新しいユーザーを獲得した。大きさが手頃なことも魅力だ。中古車物件が充実しており、現在は200万円台の予算から探すことができる。オススメの1台である。
中古車参考価格帯:200万円~550万円(※12年~19年 全グレード)
[ランドローバー ディスカバリー スポーツ]ディスカバリースポーツは相場がかなり下がった
2014年に登場した現行型ディスカバリースポーツ。中古車物件は充実しており、相場もかなり下がっている。特に初期型ならば300万円を切る物件も目立ってきており、ようやく手が届きやすくなったと言える。スポーティなルックスと高級な内装のマッチングもクルマの価値を高めている。
中古車参考価格帯:270万円~680万円(※14年~21年 全グレード)
ライタープロフィール
1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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