輸入車
更新日:2022.03.16 / 掲載日:2022.02.04
賢い買い方特集/2022年版 賢い輸入車購入法

写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2022年3月号の内容です)
※中古車参考価格はすべてグーネット2022年1月調べ。
世界規模でさまざまな大変革が起きている今、クルマを取り巻く環境の変化もそのスピードがかなり増している。そんな状況のなか、私たちはどんなクルマを、どのように選べばシアワセになれるのだろうか? 今号では、そんな壮大なテーマを「賢い輸入車購入法」という切り口でまとめてみた。
知性を感じる最新モデル その進化に思わず膝を打つ〈第1章 賢い最新モデル〉
文●大音安弘 写真●ユニット・コンパス
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
「賢い最新モデルとは何か?」。その難しい問いに、編集部が自信を持ってオススメするのがこの2台。話題のBEV開発に早期からトライし続けてきたBMWと、時代にあったモデルを展開し続けるボルボ。両ブランドの発信力は、今後のクルマがどのように進化していくかを知る道しるべになる。
激動の時代を象徴するその新しい魅力とは?
100年に一度と言われる大変革を迎えている自動車は、スマートフォンなどのIT機器同様に、最も身近な時代の最先端ツールへと発展。次世代車の主力として飛躍的な進化を遂げるEVは、その象徴といえる。
最新鋭のEVは、値が張るものも多いが、その中身は、まさに最新技術の見本市だ。たとえば、BMWのフラッグシップEVである「iX」のxDrive50は、650kmの航続距離に加え、2モーターによる電動4WDシステム、トータル523馬力/78.0kgmの動力性能は4.4LのV8ツインターボを積むX5 M50iとほぼ同等の性能となる。意外かもしれないが、平均燃費と燃料タンクを掛け合わせた航続距離も近い値となる。数字の比較だけならば、エンジン車に迫るスペックを実現させているのが最新EVなのだ。しかも意外なことに価格は、M50iよりもiXの50のほうが安い。いずれも1千万円越えの高級車であるが、大衆車と異なり、価格差が抑制され、同じ予算で購入可能なクルマになろうとしている現実がある。その上、内外装のデザインや先進機能では、エンジン車よりも一歩先を行く未来感が味わえるように、しっかりと演出。それらの体験が、ユーザーの新車選びの大きなアドバンテージになっている。むしろEVに特別感を求めるならば、各社が熱心に次世代モデルとなるEVの投入を始めた今が、絶好の機会といえるだろう。
一気に電動車へのシフトを目論むボルボは、30年までに、すべての新車をEVにシフトすると断言しているが、その裏で、現行モデルをいち早く次世代コネクテッドカーへ生まれ変わらせる取り組みも始めている。その象徴が、グーグルナビの標準化だ。すでに多くのメーカーのインフォメーションシステムが、車載通信機によるインフォメーション機能の強化を進め、さらにスマホとの連携を図るCarPlayやAndroid Autoに対応しているが、ボルボは一歩踏み込み、インフォメーションシステムにグーグルを取り込んだ。これをボルボは、クルマのスマホ化と表現する。つまりスマホの利便性をクルマに取り込むことで、デジタルな時代の新しいカーライフを提供しようという試みなのだ。現時点では、グーグルナビや音楽配信アプリなどが主役だが、スマホのように対応アプリが増えるほど、利便性は高まっていく。ボルボ独自のアプリも投入されていくので、クルマが専属秘書になる日もそう遠くはないのだ。その鍵となる音声認識に、日進月歩のグーグルアシスタントが使えることは、今後の大きな強みとなるだろう。
このように、高性能の意味も時代と共に変化する。そんな時代の流れを肌で感じる愛車選びの知的な遊びといえるのではないだろうか。
[PROFILE]自動車ジャーナリスト 大音安弘
1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者へ転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車はすべてMT車という大のMT好き。
【BMW iX】未来感にあふれるBMWのニューBEV

電動ブランドBMW iの新世代フラッグシップとして誕生。電動パワートレインと未来的な内外装、そして充実の先進機能が特徴。全車2モーターの4WD車で、トップモデルの航続距離は最大650kmを実現。150kWまで対応する急速充電により、40分以内に電池容量の約8割まで回復も可能。ユニークな機能としてAmazon Alexaに対応し、 移動中の音楽ストリーミング再生やアマゾンでの買い物も行える。
BMW iX xDrive50 ●全長×全幅×全高:4955×1965×1695mm ●ホイールベース:3000mm ●車両重量:2530kg ●最高出力(前・後):258ps・313ps ●最大トルク(前・後):37.2kgm・40.8kgm ●新車価格:1070万円~1280万円(全グレード)




【ボルボ XC60】人気のボルボに新しい魅力が!

21年9月の改良で、一部の内外装デザイン変更と共に、グーグル搭載のインフォメーションシステムに刷新。カーナビがグーグルマップに、音声操作がグーグルアシスタントになった。ボルボ独自のアプリも展開され、スマホとの連携も強められる。
ボルボ XC60 B5 AWD インスクリプション(7速AT) ●全長×全幅×全高:4710×1900×1660mm ●ホイールベース:2865mm ●車両重量:1870kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1968cc ●最高出力:250ps/5400-5700rpm ●最大トルク:35.7kgm/1800-4800rpm ●新車価格:649万円~914万円(全グレード)

空前のアウトドアブームで光る極めて合理的な選択の2台
文●大音安弘 写真●ユニット・コンパス
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
とかくスペックやステイタスで語られることの多い輸入車だが、実際に長く輸入車に乗り続けているユーザーに本音を聞くと、所有し続ける理由が違うことが多い!? 彼らは真の意味での使い勝手のよさや、使い減りの少ない走りに魅力を感じているのだ。
有能な脇役がこれからのメインストリーム!?

お一人様を楽しむ「ソロキャンプ」から自然のなかで贅沢な時間を過ごす「グランピング」まで幅広い楽しみ方が注目されるようになり、時代は今や空前のキャンプブームが到来。さらにコロナ禍の今、安心安全に遊べる郊外のレジャーにも関心が高まっている。今や空前のアウトドアブームが到来しているのだ。しかし、ホテルや観光地で過ごす余暇を楽しむのと異なり、自然のなかでの遊びや宿泊には、さまざまなギアを持ち込む必要があることも多い。むしろ、そういう場所でギアを活用することも楽しみのひとつといってもいいだろう。そのためには、優秀な移動手段がマストとなる。そこで注目したいのが、優秀なギアとなる輸入車だ。
昨年、フルモデルチェンジを果たしたゴルフVIIIに追加されたワゴン「ゴルフ ヴァリアント」は、カーゴを拡大したゴルフだが、なんと新型では、基本となるハッチバックとヴァリアントでホイールベースを差別化。ヴァリアントをロングボディ化することで後席とラゲッジスペースを拡大し、広々したゴルフへと進化させた。実用性や機能はゴルフ譲りなので、まさにマルチな存在といえよう。しかも価格差は、ハッチバックの14万円高と、バリューも高い。輸入車ワゴンの選択肢は、国産車に比べると豊かだが、高価格帯が中心。選びやすさでも、ゴルフ ヴァリアントがピカイチなのだ。
ゴルフ ヴァリアントでは、王道過ぎるという個性派のあなたには、シトロエン ベルランゴがオススメ。ゴルフ ヴァリアントと価格帯で競合するフランスのMPVで、個性的だが、温かみのあるデザインは、ファミリーにもぴったり。全幅こそ1850mmとややワイドだが、全長は4405mmとゴルフ ヴァリアントよりも短いので、見た目よりずっと取りまわしもしやすいのだ。
乗員は5人となるが、頭上が高いうえグラスルーフが備わるので、ゆったりとしている。フランス車らしくシートの作りもしっかりしているので、後席でも疲れにくい。奥行きが短く映るラゲッジスペースは、無駄な出っ張りもないスクエアな空間なので、想像以上に荷物を飲み込む。拡張性も高く、後席は3分割可倒式で、さらに助手席まで倒せる仕様なので、約2.7mの長尺物まで飲み込む。しかも小物入れの充実ぶりでは、日本車にも引けを取らない。前席用サンバイザー上部には、約18Lのラックを備え、キャビン頭上中央には、列車のようなラックが存在。ここにも約14Lの荷物を収めることができる。極めつけは、ラゲッジスペース頭上の約60Lの収納ボックスまで備えるのだ。オーソドックスなデザインが好みならば、姉妹車であるプジョー リフターという選択もある。リフターはクロスオーバー仕立てとなり、最低地上高が180mm確保されるのも特徴だ。
手頃でアクティブに使えるMPVは、同じフランス車であるルノー カングーの独壇場であったが、フルモデルチェンジを控え、事実上販売は終了している。しかし、新型も今年中の発表が予定されており、再び魅力的な選択のひとつとなるだろう。
現実的な価格と高い実用性、そして洒落た見た目を兼ね備えたアウトドア派に最良なモデルが輸入車にも、存在することを覚えておこう。
【フォルクスワーゲン ゴルフ ヴァリアント】機能美が光る質実剛健な1台

ゴルフVIIIヴァリアントは、ゴルフⅢで初のワゴンが誕生以来の大革命を達成。専用ホイールベースを与えることで、自慢の積載性だけでなく、後席のゆとりも拡大し、ワゴンの魅力を高めている。また、後部のオーバーハングが短くなったことで、デザインもよりスポーティに仕上がった。グレード構成は、ハッチバックと共通。価格差はワゴンボディ分の約14万円のみ。先進安全機能も充実している。
フォルクスワーゲン ゴルフ ヴァリアント eTSI(7速AT・DSG) ●全長×全幅×全高:4640×1790×1485mm ●ホイールベース:2670mm ●車両重量:1430kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1497cc ●最高出力:150ps/5000-6000rpm ●最大トルク:25.5kgm/1500-3500rpm ●新車価格:310万1000円~395万3000円(全グレード)



【シトロエン ベルランゴ】フランス車の魅力が凝縮された1台

インスタ映えする見た目が好評のシトロエンMPV。スライドドアとガラスハッチ付きテールゲートを備え、アクセス性も抜群。取りまわしやすいサイズながら、車内も広く積載性も高い。経済的なディーゼルエンジンと良好な乗り味も魅力的だ。
シトロエン ベルランゴ シャイン(8速AT) ●全長×全幅×全高:4405×1850×1850mm ●ホイールベース:2785mm ●車両重量:1630kg ●エンジン:直4DOHCディーゼルターボ ●排気量:1498cc ●最高出力:130ps/3750rpm ●最大トルク:30.6kgm/1750rpm ●新車価格:335万8000円~374万9000円(全グレード)

ここだけはチェックしてほしい中古車購入時のポイント〈第2章-1 賢い最新モデル〉賢く輸入車を購入するためのアドバイス

文●ユニット・コンパス
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
残価設定ローンからサブスクリプションまで、クルマの買い方も多様性の時代。もしもねらっているのが中古車の場合、購入方法の前に押さえておくべき知識がある。ここでは、賢く輸入中古車を購入するために必要なポイントをお伝えする。
中古車購入で押さえたい3つの重要なポイント
輸入車の中古車を買うハードルはここ数年で本当に低くなった。
スマホを使ってどこでも好きなときに物件を探せるし、写真も複数は当たり前で動画が用意されることも。さらに業界の自助努力によって消費者保護の機運が高まり、おとり広告や騙し討ちのような不当な契約を行う店舗も激減している。輸入中古車においても、正規ディーラーが保証付きの認定中古車を当たり前のように販売するようになり、初心者でも安心して購入できる条件が整っている。もう輸入中古車は特別なクルマ好きだけのものではない。
しかし、「よいものを安く買いたい」ユーザーと「できるだけ高く手早く売りたい」販売店の間には、立場が違うことから生まれる齟齬や誤解が生まれる余地はまだまだ多い。だからこそ、中古車は個体ごとに価値と価格が異なる特性があり、価格に対する物件の品質とサポート体制はトレードオフの関係にあるという原理原則を忘れてはならない。
では、どのように立ちまわれば、賢い消費者となれるのだろうか。
購入までの流れを1から10まで完璧に把握してコントロールするのは大変だが、3つくらいのポイントであれば、きっと集中して気を付けることができるだろう。
第1のポイントは物件を探すとき。気になる車両をいくつか選んだら、それら店舗に総額でいくらになるのか、まずは見積りを依頼しよう。大切なのは車両本体価格ではなく、諸経費を含めた総額がいくらなのか。まだ複数の物件を比較している段階で販売店に現車を確認しに行ってしまうと、大抵の場合はそのお店で購入することになりがち。相手は接客のプロなのだ。
第2のポイントは現車確認。ここで重要になるのは、価格と実車との釣り合いが取れているか。現代の中古車ビジネスは高度に情報化されているので、掘り出し物というのは基本的に存在しない。高いものにも、安いものにも理由がある。大切なのは、自分が中古車に何を求め、どこは妥協できるのか。自分自身の本当のニーズを掴んでおこう。
第3のポイントは契約。ここまでかなりの時間とエネルギーを使っているので、気持ち的には契約はさっさと済ませてしまいたくなるもの。だが、契約が完了してしまったあとからでは、条件を交渉することはできない。なので契約書にサインする前に、一度深呼吸して本当に正しい選択だったのか、保証や整備の内容に納得できる説明があったのかを振り返って考えよう。
では、中古車ならではの一期一会の出会いを楽しんでほしい!

[POINT-1 見積り]大事なのは総額でいくらか引き返す勇気も必要

インターネットで物件情報が気軽に検索できるようになってから、ユーザーの目を引くように車両価格をできるだけ安く表示する販売店が増えてきた。そういった店舗は、総額で比べると安くないというケースも。店舗に行く前に、複数の店舗から見積書をとって、総額でいくらになるのかを見比べるべき。内容がいいクルマが、相場より安く買えることはほぼない。
[POINT-2 コンディション]相場と比べて極端に違わないか消耗品の状態も忘れずに

年式に対して走行距離が多いのか少ないのか、またデータと現車を見比べたときに違和感がないかを確認しよう。中古車の場合、タイヤの製造年月日(サイドウォールに記載)を確認し、5年以上経過しているものは交換すべきなので、それらを含めた総額が妥当かどうか考えよう。また、納車整備も店舗や車両によって内容が異なるため内容を事前に打ち合わせしたい。
[POINT-3 書類]記録簿の内容や契約書に目を通すべき理由

インターネットで物件情報が気軽に検索できるようになってから、ユーザーの目を引くように車両価格をできるだけ安く表示する販売店が増えてきた。そういった店舗は、総額で比べると安くないというケースも。店舗に行く前に、複数の店舗から見積書をとって、総額でいくらになるのかを見比べるべき。内容がいいクルマが、相場より安く買えることはほぼない。
安心して購入できるよい中古車販売店の条件
・在庫車の写真を多数掲載している
・アフターサービスまで提供している
・認証または指定工場と取引がある
・自動車公正取引協議会会員である
・口コミの評価が高い
・お店が整頓され居心地がいい
中古車は、同じ品質のものがどこでも手に入る新車と違い、販売店が目利きをして仕入れ、商品化を行って販売するもの。販売店の良し悪しが商品の良し悪しに大きく左右するため、店選びは非常に重要。物件に飛びつくことなく、冷静に判断したい。
ちょっとした工夫と手間で輸入車の維持費はグンと安くなる〈第2章-2 賢い最新モデル〉賢く輸入車を維持するために
文●ユニット・コンパス
クルマは車両を手に入れてからも維持にお金がかかる。そこを知恵と工夫で賢く節約すれば、次に乗り換えるクルマがグレードアップするかも!? ここでは、今日から実践できる賢い節約法を紹介しよう。

日々かかるコストをどうやって節約するか
クルマは、購入したらそれでおしまいではない。むしろ購入してからがカーライフのスタート。楽しい輸入車生活を送るためには、維持費を賢く圧縮することが大切になる。
そもそも維持費にはどのような項目があるのだろうか。下に維持費の一覧と、それを節約できるもの、節約できないものとに分類した。税金や自賠責保険の金額を下げるには車格を下げざるを得ず、また駐車場を変えるのもあまり現実的ではないだろう。一方で、節約できる可能性があるものとしては、任意保険料やガソリン代、メンテナンス費が挙げられる。ここではガソリン代の節約についてご紹介しよう。
ガソリン代は、燃料代×使用量で表すことができる。燃料代については、安いガソリンスタンドを探したり会員価格などのサービスを活用するのが王道。あまりここで大きな差は生まれにくく、じつは使用量にこそ節約のポイントがある。
では、どうすれば使用量を減らすことができるのか。今日からできるのが、アクセルワークの改善。市街地では、時速50〜60kmで巡航するのが最も燃費がいいと言われている。一方、高速道路では時速90km程度がスイートスポット。いずれもスッと加速し、あとは無駄な加減速を減らすことが好結果につながる。そのためにはある程度車間距離を広げ、先を見通した運転が必要。車間距離を広げることは、交通安全だけでなく節約にも効果的なのだ。
無駄を省いたスマートな運転は、余裕が感じられてカッコもいい。
節約できない維持費
・税金(自動車税、自動車重量税)
・自賠責保険料
・駐車場代
節約できる維持費
・任意保険料
・ガソリン代
・メンテナンス費
〈今日から始められる節約術〉任意保険料の削っていいところ危ないところ

維持費のなかでもウエイトが重い任意保険。ここは節約したくなるところだが、最近のクルマはライトや自動ブレーキ関連の部品など、非常に高価なパーツが車両の前側に集中していて、ちょっとした事故のつもりでも想像を超える高額修理につながるケースがある。高年式でハイテク系の機能が備わっているクルマの場合は、車両保険を節約するのは危険。いずれにせよ、10万円以下の修理に車両保険を使うのは総合的に損となるため、免責金額を高く設定するのも手。あとは保険会社を変えることも費用節約につながるケースがある。だが、保険はいざというときに手厚く保証されなければそもそも意味がない。保険会社の口コミも確認しておきたいところだ。
〈「わからないから人任せ」を卒業すれば〉メンテナンス費は無理なく節約できる

情報こそ節約の大いなる源泉
いま自分のクルマに起こっている問題、課題は大抵誰かが経験済み。しかもSNSの発展で莫大な情報やデータが検索すれば無料で手に入る。同じ車種に乗っている人のブログやSNSのやりとりは、節約ネタの宝庫だ。
「クルマ版かかりつけ医」を作ろう
ディーラーは設備も情報も集約されている、人間でいうところの大学病院。メンテナンス費用を節約したいなら、ディーラー以外の「かかりつけ医」を探そう。グーピットを使えば、近所の整備工場が簡単に見つかるはずだ。
油脂類の定期交換で健康寿命を延ばす
エンジンやトランスミッションなどの機関類は、定期的な油脂類の交換で寿命が大きく変わってくる。調子を崩してから添加剤などに頼るよりも、純正または相当品のオイルを規則正しく交換することが効果的だ。
タイヤ交換は合わせ技で安くなる
タイヤ交換を最安値で行いたいなら、タイヤをネット通販で購入し、持ち込み可能なお店で交換してもらおう。手間ではあるが、場合によっては数万円の節約になることも。タイヤ購入時は古い在庫タイヤを買わないように注意したい。
DIYでアンチエイジングを楽しもう
経年劣化による見た目の劣化は気になるもの。たとえば樹脂パーツの白化はケミカルの塗布でケアできるし、オークションなどを探せばパーツが格安で手に入ることも。できることを自分でやれば、楽しみながら節約できるだろう。
2022年の動向と賢い買い方は?〈第3章 賢い中古車の選び方〉中古車マーケット大予想
文●ユニット・コンパス
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
※中古車参考価格はグーネット2022年1月調べ。
新年を迎え、これからクルマを買おうという人も多いのではないだろうか。しかし、自動車業界は電動化がさらに加速していく激動の真っ只中。また、新型コロナウイルスや半導体不足という世界情勢もあり、自動車の需要はますます増大している。今回は、2022年の市場動向と、それに伴う賢い中古車の買い方を探ってみたい。

今年は決断する年!? 購入計画を立てよう
中古車物件をチェックしている敏感な読者ならお気づきかと思うが、ここ最近中古車の相場が高止まりとなっている。以前よりも中古車のニーズが高まっているということだ。その大きな原因のひとつが、新型コロナウイルスによるもの。自動車の減産や、公共交通機関を避けるため自動車を新たに購入する人が増えたことが影響を与えたと考えられる。この相場の高止まり傾向は、今後しばらく続くものと思われる。
一方で時代は電動化がさらに進み、多くの自動車メーカーがEVのニューモデルを発表。今後、内燃機関の一部のクルマは希少価値が高まると考えられる。自動車メーカーは、近い将来内燃機関のモデルは生産しなくなるだろう。つまり、中古車市場が、唯一これらのクルマを入手できる場所となるのだ。
それらを踏まえると、2022年のクルマ選びは「決断」がキーワード。「あのクルマ、いつか買えたらいいな」の「いつか」が間際に迫っていることを考えると、具体的な購入プランを立てる年にしておきたい。もちろん2022年の間に買わなければダメというわけではない。ただ、欲しいクルマがあるなら、購入へのロードマップを作っておくとよい。将来相場が高騰し、現在よりも買いにくくなる可能性も考慮しよう。
なお、本誌が注目するのは、メルセデス・ベンツ Cクラス。昨年の夏に新型が登場したことで、良質な先代モデルが市場に多く流通する。相場変動も比較的安定しており、100万円台の予算でも買いやすい。また、将来廃止されそうなV8のAMGを検討するのもありだろう。
EVの中古車動向はどうなる?

EVはまだ過渡期であるため、モデルによって相場動向はまちまち。例えば2014年に登場したBMW i3の場合、初期型は100万円台で購入可能。ただし物件数が少なく、コンディションの見極めが重要。EVは物件や車種が出揃ってからねらうのもありだろう。
[賢い買い方-1]値落ち幅に注目
新車時に高額なモデルは中古車価格が下がりやすい。今回は3モデルに注目!
[メルセデス・ベンツ Sクラス(先代)]フルモデルチェンジで相場が大幅ダウン

2021年にモデルチェンジを受け、先代Sクラスの相場が下がっている。2013年発売時のS 550 ロングの新車価格は1535万円だが、現在の平均価格は517万円。特に2017年のマイナーチェンジ以前の物件が手頃に購入できる。
たとえばS 550 ロングの場合(2013年発売時)新車時から66%DOWN

中古車参考価格帯620万円~1260万円(13年~20年 ※AMGを除く)

[ジャガー XJ]魅力のスポーツセダンも今では現実的な価格帯

ジャガーの最上級モデルがXJ。2010年のデビューゆえ、中古車の多くはリーズナブルな価格帯にある。高性能版XJRでも平均価格は550万円に留まり、発売時から68%もダウン。ほかのグレードなら100万円台でも購入可能だ。
例えばXJRの場合(2013年発売時)新車時から68%DOWN
中古車参考価格帯150万円~840万円(10年~21年 ※全グレード)

[アルファロメオ ステルヴィオ]4年落ちでも3割ダウン!? ステルヴィオもお得に買える

アルファ ロメオの人気SUVがステルヴィオ。2018年デビューと新しいモデルだが、現在は300万円台後半の予算から購入可能。2Lターボの場合、発売時から31%下がった。ただし、全体的に物件が少なめなので注意しよう。
例えば2.0ターボ Q4の場合(2018年発売時)新車時から31%DOWN
中古車参考価格帯350万円~880万円(18年~21年 ※全グレード)

[賢い買い方-2]維持費に注目
排気量で自動車税が決まるので、ダウンサイジングのモデルがねらい目!
[フォルクスワーゲン パサート]この車格で排気量は1.4L 維持費を抑えるならコレ!

VWのミドルセダンがパサート。デビュー当初の排気量は1.4Lで、ターボを組み合わせることで日常域で不自由のないパワーとトルクを確保している。登場から6年以上が経過し、現行モデルながら100万円台後半の物件も目立つ。グレードは、装備が充実した「TSIハイライン」が多い。なおスポーティ仕様の「Rライン」は、デビュー翌年から2Lターボが搭載された。

中古車参考価格帯180万円~430万円(15年~21年 ※全グレード)

[フィアット 500]発売から14年が経過したロングセラーカー

2008年に導入されたフィアットのスモールカー「500」。これまで多くのグレードが設定されてきたが、今回注目したいのは875ccの2気筒ターボを搭載したツインエアシリーズ。低排気量ながら勇ましいエンジンサウンドと走りが魅力。維持費も抑えて一石二鳥のモデルだ。こちらの平均価格はおよそ130万円。

中古車参考価格帯30万円~250万円(08年~21年 ※全グレード)
[プジョー 208(先代)]大きく値下がりした先代プジョー208

走りの質感を一段と高めたプジョー208は、輸入コンパクトカーの隠れた名車だ。搭載エンジンはさまざまだが、中心となるのが1.2L3気筒エンジン搭載車。自然吸気とターボが存在し、後者なら排気量の多いモデルと比べても遜色ない。相場は大きく下がり、多くは100万円以内の予算で購入できる。

中古車参考価格帯30万円~220万円(12年~20年 ※全グレード)
[賢い買い方-3]改良のタイミングに注目
大幅改良後は、従来モデルが安くなる。改良時期を知ろう!
[ルノー カングー]モデルチェンジが近く今後値下がりの可能性あり

海外ではすでに発表されているルノー カングー。日本の導入時期は未定だが、発表後に現行モデルが値下がりする可能性がある。高値維持傾向の強いモデルだが、現在でも100万円以下の物件が少なくないので、動向を注視したい。
改良のタイミング「2022年にモデルチェンジ!?」
中古車参考価格帯60万円~360万円(09年~21年 ※全グレード)

[フォルクスワーゲン ゴルフ(先代)]これから買い時となる先代ゴルフシリーズ

2021年にゴルフVIIIが登場したため、先代モデルの中古車が安くなる可能性が高い。ガソリン、ディーゼルともに設定され、スポーツモデル「GTI」も存在するなどバリエーションが豊富である。平均価格はおよそ160万円。
改良のタイミング「2021年にモデルチェンジ」
中古車参考価格帯60万円~300万円(13年~21年 ※全グレード)

プレミアが付きそうなクルマは早めに検討を
内燃機関のモデルが今後購入できなくなる欲しいモデルがあれば、状態のよいものを探そう
往年の魅力的なモデルを探すラストチャンス!
90年代の国産スポーツカーが高騰しているのは有名な話だが、それは輸入車でも変わらない。一部のモデルは、今後プレミアが付いて価格が高騰する可能性がある。特にその傾向が強いのは、内燃機関のスポーツカー。ポルシェやフェラーリはもちろん、ほかのブランドのスポーツモデルも相場が高止まりとなっている。
また、直6エンジンを搭載したBMW、V12を搭載したメルセデスなど、趣味性の高いクルマもコレクターズアイテムとなるかもしれない。特に90年代のモデルは、現代的な快適性を持ちながら、ほどよくクラシックなのが魅力。欲しいなら今のうちに探しておこう。
たとえばこんなクルマ-1:BMW 5シリーズ(E39)

中古車参考価格帯50万円~140万円(96年~04年 ※M5を除く)
たとえばこんなクルマ-2:メルセデス・ベンツ SLクラス(R129)

中古車参考価格帯150万円~580万円(89年~01年 ※全グレード)

ライタープロフィール
1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。
また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。
1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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