新車試乗レポート
更新日:2023.03.29 / 掲載日:2023.02.27
マツダ新型CX-60試乗!PHEVモデルの走行性能に注目!
注目のプラグインモデルの走りは如何に!?
MAZDA 新型CX-60PHEVロングドライブリポート
新型FRプラットフォームを採用した贅沢なニューモデルとして注目を集めているCX-60。これまでに直6ディーゼルモデルの試乗は行っているが、その真打ちとも言うべきプラグインモデルをようやくドライブする機会を得た。
●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之
MAZDA 新型CX-60
●発表&発売:’22年9月(ディーゼルモデル)/’22年12月(ガソリン&PHEVモデル)
●価格:299万2000~626万4500円
●販売店:マツダ全店
●問い合わせ先:0120-386919(マツダコールセンター)

CX-60PHEV Exclusive Modern(エクスクルーシブモダン)
●価格:584万6500円(4WD・8AT)
●ボディカラー:プラチナムクオーツメタリック
※試乗車はメーカーオプションのパノラマサンルーフ(価格12万1000円)を装着しています。
■主要諸元(CX-60PHEV Exclusive Modern・4WD・8AT)
●全長×全幅×全高(㎜):4740×1890×1685 ●ホイールベース(㎜):2870 ●車両重量(㎏):2090 ●パワートレーン:2488cc直列4気筒DOHC(最高出力188PS/6000rpm、最大トルク25.5㎏・m/4000rpm)+モーター(最高出力129kW/5500rpm、最大トルク270Nm/4000rpm) ●トランスミッション:8AT(トルクコンバーターレス) ●WLTCモードEV走行換算距離(㎞):75 ●WLTCモードハイブリッド燃料消費率(㎞/ℓ):14.6【市街地モード:11.1、郊外モード:15.7、高速道路モード:16.0】 ●燃料タンク(ℓ):50(レギュラー) ●サスペンション前/後:ダブルウィッシュボーン式/マルチリンク式 ●ブレーキ:前/ベンチレーテッドディスク、後/ベンチレーテッドディスク ●最小回転半径(m):5.4 ●タイヤサイズ:235/50R20

自由自在!! エンジンでも、電気でも!!
大パワーを気兼ねなく!
マツダらしい人馬一体感
ついに本命登場!と言うべきであろう、PHEVモデルがデビューした。これで直6ディーゼルと二枚看板が揃ったことになる。
ハイブリッドシステムは2.5ℓとトルコンレスATをベースにした2クラッチ1モーターのパラレル式。モーターがあるからトルク増幅機能は不要。トルコンに換えて多板クラッチを用いるのはクラウンのデュアルブーストハイブリッドと同じだ。モーターはエンジンとミッションの間に置かれているので電動走行時も変速が可能なレイアウトとなっている。
PHEVなら走りの目玉は純電動走行。応答遅れなく踏み込み追従する加速や神経質な反応を抑えながらの力強い加速性能など、良質なドライバビリティを発揮。ただし、全域電動走行可能なほどのモーター出力ではなく、深く踏み込めばエンジンも稼働させてハイブリッド走行に移行する。
純電動走行はPHEVらしさではあるが、エンジンと二人三脚のほうがCX-60には似合う。ドライブモードをスポーツに設定すればエンジンは常時稼働となり、即応性高くフルアクセルまで力強さを維持。ダッシュも利けば伸びやかさもあり、しかも粗野な部分がない。システム最高出力が327PSにもなるパワーユニットにしては極めて紳士的で扱いやすい。半面、昂揚感も目減りしてしまうところもあるが、その分、肩肘張らずに素直に愉しめるのがいい。
フットワークはXDハイブリッドに対して約100㎏増の車重と後輪荷重の増加で若干リヤサスの動きにしなやかさが増したような印象も受けたが、大まかな特性や味わいには変わりない。フラットな車体姿勢を旨としたサスチューニングであり、重質な味わいは少なめ。細かな路面凹凸の吸収は悪くないが、踏切等の明らかな段差では揺すられ感が強い。
ハンドリングは緩みなく追従する素直さが見所。揺れ残りや過剰反応等の癖もなく、車体サイズを感じさせない操縦性である。ただし、若干鷹揚さに欠くため、舵角の保持等で多少神経を使わされる。車体サイズや重量を意識させないのはいいが、サイズや重量がもたらす重厚さや据わりのよさも目減り。軽快俊敏という方向性であり、ドライバーの好みによるが車格を感じさせる悠々とした味わいを求めるならCX-8の方に分がある。
全体を通しての印象はXDハイブリッドと大きく変わらない。CX-60らしい、あるいはマツダらしい走りをPHEVにそのまま投影。純電動走行は時代性、走りの味や志向はマツダ流。エコ度向上に左右されずに人馬一体なのだ。








