新車試乗レポート
更新日:2018.10.31 / 掲載日:2011.05.19
アバルト プント エヴォ試乗レポート

文●森野恭行 写真●GooWORLD アバルト TEL:0120-130-595
よりアグレッシブになったエアロパーツやアルミホイールの造形が示すように、サソリマークのプントは、“グランデ”から“EVO”への進化で一段とスポーティ度を高めた。しかも、たんなるフェイスリフトではなく、より進化しているのは中身。最大の注目点はズバリ、新しい心臓だ。
ボア72mm×ストローク84mmの1368ccという基本は不変だが、ヘッドはDOHC4バルブから、最新アルファ・ミトと同様のマルチエアに変更されている。マニアなら、吸気バルブの開閉時期とリフト量を自由に設定できる油圧式バルブ駆動メカ(マルチエア)の革新性を、すでにご存じなのでは!? インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーの獲得が、実力の証明でもある。
名実ともに“進化”を遂げたホット・コンパクト

気になるのは性能だが、パワーは155から163馬力、トルクは20.5(23.5)から23.5(25.5)kgm(カッコ内はスポーツスイッチ使用時)へとアップ。本領を発揮するのはやはりスポーツスイッチをONにしたときで、鋭いレスポンスと迫力のパワー感を味わわせてくれる。最高速213km/h、0→100km/h加速7.9秒の実力と言えば、ホットな性能を容易に想像できることだろう。
だが、感動はそこに止まらない。そう、マルチエア導入に合わせて、サスや電動パワステ、さらにはボディにも改良のメスが入れられたのだ。ゴツつきやロードノイズが減少し、乗り味がグッと上質になったことは、乗ればすぐにわかる改良点。加えて、本気の走りにおけるハンドリングの一体感や、フットワークのキレも向上している。こだわりのマニアだって満足する仕上がりぶりだ。
で、トドメは……高効率エンジンとスタート&ストップシステムがもたらしたエコ性能の進化。つまり、アバルト プントEVOは、今の時代にも胸を張って乗れるホットハッチということだ
Detail Check
コックピット
コックピット
マイチェン前と比べて演出がグッと大人っぽくなり、質感も全体に向上した。左ハンドル+6速MTのみの設定で、ステアリング中央にサソリの紋章が輝く。スポーツモードの切り替えレバーは、シフトレバーの前にある。
エンジン
エンジン
「BMWのバルブトロニックを超えた」と絶賛される、革命的な可変バルブ機構がマルチエア。ターボとのコンビで、119馬力/Lにあたる163馬力を発生する。さらに、スタート&ストップシステムの導入にも注目。
インテリア
インテリア
ヘッドレスト一体型スポーツシートのサポート性は良好。欧州Bセグメントとしては後席空間が広く、大人4人の乗車も楽々。意外なほど実用性に優れる。
タイヤ
タイヤ
17インチ45タイヤと、ブレンボ製のフロント4ピストン式ブレーキを標準で装備。
ラゲッジスペース
ラゲッジスペース
後席はもちろん可倒式で、275~638Lという十分な荷室容量を確保している。
主要諸元:アバルト プント エヴォ(6速MT)
全長×全幅×全高 | 4080×1720×1490mm |
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ホイールベース | 2510mm |
トレッド前/後 | 1480/1475mm |
車両重量 | 1260kg |
エンジン | 直4マルチエアターボ |
総排気量 | 1368cc |
最高出力 | 163ps/5500rpm |
最大トルク | 23.5kgm/2250rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/トーションビーム |
ブレーキ前/後 | Vディスク/ディスク |
タイヤサイズ前後 | 215/45R17 |
全国メーカー希望小売価格(発売・発表 2010年10月)
アバルト プント エヴォ(6速MT) | 289万円 |
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