新車試乗レポート
更新日:2018.11.30 / 掲載日:2010.07.16
フォルクスワーゲン ポロ 試乗レポート(2010年07月)
フォルクスワーゲン ポロ 試乗レポート
試乗
【追加グレード】
発表・発売/2010年5月24日・6月4日
フォルクスワーゲン・ジャパン/0120-993-199
文●中村孝仁 写真●森山俊一
■高効率エンジンと軽量化でCO2の低減を徹底的に追及
最近思うことは、自動車作りには2つの方向性があるということ。ひとつは持つ人がそれを生活に取り込んで、人生を豊かにする小道具としての自動車。もうひとつは、走りや性能にとことんこだわり、高性能、高機能それに対環境性能などを追及する移動ツールとしての自動車である。VWポロは、ズバリ後者である。
■ドライビング/ユーティリティ
新しいポロは、TSIと名付けられた高性能な過給機付きエンジンを搭載する。それ自体は、つい最近ゴルフシリーズのゴルフ・トレンドラインに積まれたものと同じだが、本命はこちらのようで、ドイツ本国からわざわざ開発者が説明にやってきていた。いわく、このクルマの動力性能ならバルブの数は気筒あたり2つのほうが効率がいい。主要テーマはCO2の排出量削減で、性能を落とさずにこれを達成することだったという。そのためには徹底した軽量化を断行し、エンジン単体重量はわずか89.5kg。この軽さを達成するために、タイミングチェーンカバーなどにわざわざマグネシウムを使うほどである。もちろんエンジンブロックはアルミ製。ターボエンジンにアルミブロックを採用したのは、VWにとってこれが初めてのことである。
じつは今回、新しいハイラインとともにベースグレードのコンフォートラインも従来の1.4L自然吸気から、この1.2Lターボにエンジンを載せ替えている。つまり、ポロはどのグレードも同じエンジンで、装備の差だけとなったわけだ。車両重量は1100kg。やはりライバルと比べて明らかに軽い。その効果は7速DSGと相まって、とくに静止からの加速感と中速域から追い越す時のトルクの盛り上がりを顕著に感じさせてくれるものだった。乗り心地も悪くない。ただ、少し元気になり過ぎたか、ダンピングの不足気味な点は気になるところである。
■インテリア/エクステリア写真[1]
ダッシュ中央のナビはオプション設定のもの。デザインは機能重視で遊びの要素はほぼ皆無。正直言えば面白みはない。見事なまでの質実剛健さを表現している。
横方向のサポートは少し不足気味で、ワインディングでは体が固定された印象が希薄。それでも座り心地はよい。
伝導効率に優れる7速DSG。細かい問題点はあるのだろうが、個人的には今もっとも優れたトランスミッションのひとつと思われるのがこれだ。
■インテリア/エクステリア写真[2]
タイヤサイズ自体は185/60R15でコンフォートラインと同じだが、アルミホイールとされるのがハイラインの特徴である。
軽量化のためにはエンジン全体を覆う化粧カバーも取り去った1.2Lターボ。見た目だけは、なんとなくひと昔前のエンジンのようだ。
フロントエンドはゴルフそっくりだが、サイドビューとリヤは独特。リヤの三角窓はドアではなくボディ側につく。外観も実直なデザインだ。
フォルクスワーゲン・ポロ TSI ハイライン(7AT) 主要諸元
全長×全幅×全高 | 3995×1685×1475mm |
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ホイールベース | 2470mm |
トレッド前/後 | 1455/1445mm |
車両重量 | 1100kg |
エンジン | 直4 SOHCターボ |
総排気量 | 1197cc |
最高出力 | 105ps/5000rpm |
最大トルク | 17.8kg m/1550~4100rpm |
10・15モード燃費 | 20.0km/L |
サスペンション前 | ストラット |
サスペンション後 | トレーリングアーム |
ブレーキ前/後 | Vディスク/ディスク |
タイヤ前後 | 185/60R15 |
バリエーション&価格
ポロ TSI コンフォートライン | 213万円 |
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ポロ TSI ハイライン | 242万円 |
※価格は全国メーカー希望小売り価格