新車試乗レポート
更新日:2015.06.16 / 掲載日:2004.09.17
ダイハツ ムーヴラテ 試乗レポート
ダイハツ ムーヴラテ 試乗レポート
試乗
発表:2004年8月23日
文:横越光廣 写真:犬塚直樹
■この上質感とレベルの高さはトップクラス。マイルドさがラテらしい
女性をメインターゲットに、丸みを帯びたムーヴラテがデビューした。スタイルのみならず、性格までがおだやかなのが特徴的で、その完成度はかなり高い。軽自動車もここまできたかと感じるほどの好仕上がり。直列3気筒は、NAとRS系ターボの2タイプ、駆動はFFと4WD。4ATは、RS系が電子制御式となる。
■ドライビング/ユーティリティ
ムーヴラテのいちばんの持ち味は、クラスを超えた走りのクオリティ。エンジンは3気筒とは思えないほどの静粛性を備えている。たしかに高回転時にはノイズが高まるものの、ヒステリックさはない。「本当に3気筒なのか・・・」というのが、NAモデルに乗ってのファーストインプレッションだった。これは、徹底した遮音対策が奏功したことによる。
パワーは必要にして十分。というより、58馬力/7600回転としては軽快な部類。Dレンジフル加速では、1→2速が45km/h、2→3が85km/hほどでシフトアップ。変速ショックも小さく、すべてにおいてスムーズ。3.5回転の油圧式パワステが素直なハンドリングをもたらし、扱いやすいこともラテのイメージを高めている。ドライバーと乗員を選ばず、だれでも優しく迎えてくれるという感じだ。
ならば64馬力のRSでは・・・。Dレンジフル加速時では、7000~7300回転でシフト。さすがにパワーもあってスポーティ。注目できるのは、いわゆるドッカン・ターボではなく、トルクフルで全域スムーズなこと。タント・ターボではピーキーさが気になったもの。それと同じ仕様とのことだが、性格がまるで違う。もちろん、マイルド感はラテにふさわしい。ちなみに100km/hは4速3200、3速5000回転相当。
ターボと4WDの3.3回転パワステは電動式で、軽く素直。至って扱いやすく、若干の腰高感もとくに気にはならない。マイルドな乗り心地を併せ持つところがナイス。走りを含め、全体のクオリティの高さには感じ入った。
■インテリア/エクステリア写真[1]
質感高くおしゃれ、しかも機能的と申し分ない出来栄えのインパネまわり。非のうちどころがないとさえ言えるほど。ダッシュ下のトレーなど、ポケット類は各所に豊富に設定。まさに使う身になっての設計といえる。XリミテッドとRS系にはタコメーターも付く。
後席は、フロアがほぼフラットで断然広いレッグルームと相まって、ゆったりくつろげる。ヘッドルームは余裕十分。窓面積が広いだけに開放感満点。
ファブリックのフロントシートは、センターアームレスト付き。ラチェット式のリフターは有効だが、右ドアとの隙間がなく操作性が悪いのが難。
■インテリア/エクステリア写真[2]
直3DOHC12バルブは、電子制御によりバルブタイミングを最適化するDVVT機構付き。高効率かつ低燃費が自慢だ。
荷室は広々。左右分割リクライニング&フラット、ロングスライド(250mm)という後席で、断然のスペースが生まれる。
2390mmのホイールベースに前後のオーバーハングを短縮、全高は1630mmあるが、角を面取りして丸みを帯びたマイルドなイメージを強調する。
ムーヴラテX(4AT)主要諸元
全長×全幅×全高 | 3395×1475×1630mm |
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ホイールベース | 2390mm |
トレッド前/後 | 1310/1300mm |
車両重量 | 820kg |
エンジン | 直3DOHC |
総排気量 | 659cc |
最高出力 | 58ps/7600rpm |
最大トルク | 6.5kg m/4000rpm |
10・15モード燃費 | 19.4km/L |
サスペンション前/後 | ストラット/トーションビーム |
ブレーキ前/後 | ディスク/L&Tドラム |
タイヤ前後 | 145/80R13 |
全国メーカー希望小売り価格
100万8000~159万750円 |
※価格は全国メーカー希望小売り価格。北海道地区のみ一部価格が異なる。