新車試乗レポート
更新日:2025.04.01 / 掲載日:2025.04.01

新型GRカローラ実力チェック

最新改良で車両全体に細かく手が入るなど、スポーツモデルの資質がさらに高まったGRカローラ。台数が限られた限定モデルから入手しやすいカタログモデルになったことでも話題を集めているが、それ以上に注目したいのが、走りの進化ぶりだろう。今回は狭い雪道というシビアな状況でのテストドライブとなったが、それでも従来モデルとの違いは大いに実感することができたのだ。

●文:山田弘樹 ●写真:トヨタ自動車

どこまで進化した? 雪上テストで実力をチェック!

細部に及ぶ緻密な改良で、より野心あふれるモデルへ
2月中旬、長野県・苗場スキー場に作られた特設コースで、進化型GRカローラに試乗することができた。2024年8月に世界初公開されたモデルの、国内初試乗だ。
ここでまず思い出して欲しいのは、かつてGRカローラが500台限定だったこと。それがこの進化型からは、カタログモデルとなったことが、まず喜ばしい。
さて進化型モデルのアップデートとしては、まず1・6ℓ直列3気筒ターボの最大トルクが370Nmから400Nmへと高められた。ちなみに最高出力は、304PS/6500rpmのままだ。
この高出力化に伴い、各部の冷却性能も強化された。具体的にはまずバンパー形状を変更し、右側内部にはエンジン冷却用のサブラジエター(RZにメーカーオプション)を配置可能にした。対して逆側は、遂にラインナップされた8速AT「GR-DAT」車用に、ATFクーラーが標準装備される。
対するシャシーは、前後ショックアブソーバーがリバウンドスプリング内蔵式となった。併せてスプリングレートを約16%高め、リヤ・トレーリングアームの取り付け点を従来よりも30mm上げた。
さらにはステアリングコラムとインパネ・レインフォースの締結ボルトを高剛性な溝付きワッシャータイプに変更し、電動パワステ作動時の歪みを抑制。同じくロアアームとロアボールジョイントの締結部、リヤ・ショックのアッパー側取り付け部にも、締結剛性が高いボルトを採用している。
試乗は雪壁に覆われた、極めて道幅が狭いラリーステージのようなコースで行われた。まず最初に走らせたのは、6速のiMTだ。
完熟走行で真っ先に感じ取れたのはボディ剛性感の高さで、その頼もしさから2周目には積極的にアクセルを開けて行けた。
GR-FOURの制御は駆動配分を50:50に固定する「グラベル」モード、走行モードは「スポーツ」で、VSCは「エキスパート」モードを選択した。
速度レンジが低いためギヤは1/2速が主体になったが、それでもこの6速MTが扱いやすいことは十分に理解することができた。ショートストロークでタッチが明確だから、シフトミスをしない。

卓越したコントロール性。意のままにクルマを操れる
エンジンは低速からパワフルだが、それ以上に4WDの制御がトルクをうまく吸収するから、扱いにくさはまったくない。それがアンチスクワット効果なのかは正直わからなかったが、滑りながらでも前へ前へと加速してくれる。
その上で4WD制御の印象を述べると、個人的には「グラベル」モードが走りやすかった。加速度や車速に応じてトルクを60:40から30:70まで可変する「トラック」モードの方が曲げやすそうなイメージだが、体感的には挙動が安定し過ぎてしまうように感じた。ここは開発主査の坂本尚之氏いわく「運転のスタイルによって、好みが分かれます」とのことだ。
ターンミドルでは、固めた足回りが突っ張らないのが見事だった。今回の改良はサーキットの高速コーナーで安定性を高めるためのものだと聞いたが、スタビを柔らかくしてバランスを取った成果は低ミュー路でも出ていた。またGRヤリスより80mm長いホイルベースも、安定性に貢献していた。滑り出してからのコントロール性も優秀。 
最後はトランスミッションの比較だが、ここは実に悩ましい。双方のギヤ比の違いは速度が低いこともあって分からないが、2ペダルのGR-DATの方がパドルレスポンスも良く、クラッチ操作がない分だけ運転に集中でき、かつ左足で運転の幅も広げられる。ただ6速MTの方が運転そのものが刺激的だ。そんな違いを考えると今回のステージだと勝敗は五分。だから次は開発のステージとなった富士スピードウェイで、その走りを確かめたい! と強くリクエストして最後を締め括ろうと思う。

TOYOTA 新型GRカローラ

パワーユニットの1.6ℓ直3ターボは、中速域でのエンジントルクを従来型に対して30Nm増加させ、最大トルクを400Nmまで向上。

■主要諸元(RZ・8AT) ●全長×全幅×全高(㎜):4410×1850×1480 ●ホイールベース(㎜):2640 ●最低地上高(㎜):120 ●車両重量(kg):1500 ●乗車定員:5名 ●パワーユニット:1618cc直3DOHC(304PS/40.8kg-m)●トランスミッション:8速AT ●WLTCモード総合燃費:10.4km/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)ベンチレーテッドディスク(R) ●サスペンション:ストラット式(F)ダブルウィッシュボーン式(R) ●タイヤ:235/40R18

新型GRカローラ 価格&グレードバリエーション

トヨタ GRカローラの中古車を探す
  • 支払総額:597.2万円
  • 車両本体価格:580万円
  • 車種 : GRカローラ
  • 年式 : 2023年
  • 走行距離 : 0.6万km
  • 車検: 検8.1
  • 支払総額:656万円
  • 車両本体価格:648万円
  • 車種 : GRカローラ
  • 年式 : 2024年
  • 走行距離 : 1.5万km
  • 車検: 検9.2
  • 支払総額:1340万円
  • 車両本体価格:1320万円
  • 車種 : GRカローラ
  • 年式 : 2023年
  • 走行距離 : 28km
  • 車検: 検8.4
  • 支払総額:620万円
  • 車両本体価格:608.8万円
  • 車種 : GRカローラ
  • 年式 : 2023年
  • 走行距離 : 0.4万km
  • 車検: 検8.7
  • 支払総額:640.8万円
  • 車両本体価格:618.8万円
  • 車種 : GRカローラ
  • 年式 : 2023年
  • 走行距離 : 0.1万km
  • 車検: 検8.7
  • 支払総額:629.8万円
  • 車両本体価格:616.3万円
  • 車種 : GRカローラ
  • 年式 : 2024年
  • 走行距離 : 0.7万km
  • 車検: 検9.1
  • 支払総額:640.8万円
  • 車両本体価格:618.8万円
  • 車種 : GRカローラ
  • 年式 : 2023年
  • 走行距離 : 799km
  • 車検: 検8.4
  • 支払総額:621.3万円
  • 車両本体価格:603.2万円
  • 車種 : GRカローラ
  • 年式 : 2023年
  • 走行距離 : 0.6万km
  • 車検: 検8.4
  • 支払総額:910万円
  • 車両本体価格:890万円
  • 車種 : GRカローラ
  • 年式 : 2023年
  • 走行距離 : 19km
  • 車検: 検8.5
  • 支払総額:870万円
  • 車両本体価格:858万円
  • 車種 : GRカローラ
  • 年式 : 2023年
  • 走行距離 : 0.4万km
  • 車検: 検8.4
  • 支払総額:992.1万円
  • 車両本体価格:968万円
  • 車種 : GRカローラ
  • 年式 : 2023年
  • 走行距離 : 0.2万km
  • 車検: 検8.3
  • 支払総額:868.8万円
  • 車両本体価格:838.8万円
  • 車種 : GRカローラ
  • 年式 : 2023年
  • 走行距離 : 0.1万km
  • 車検: 検8.4
  • 支払総額:1300万円
  • 車両本体価格:1280万円
  • 車種 : GRカローラ
  • 年式 : 2023年
  • 走行距離 : 35km
  • 車検: 検8.2
  • 支払総額:588.2万円
  • 車両本体価格:575万円
  • 車種 : GRカローラ
  • 年式 : 2023年
  • 走行距離 : 2.3万km
  • 車検: 検8.7
  • 支払総額:695万円
  • 車両本体価格:678万円
  • 車種 : GRカローラ
  • 年式 : 2024年
  • 走行距離 : 583km
  • 車検: 検9.5
  • 支払総額:893万円
  • 車両本体価格:868万円
  • 車種 : GRカローラ
  • 年式 : 2023年
  • 走行距離 : 0.2万km
  • 車検: 検8.3
  • 支払総額:949.3万円
  • 車両本体価格:931.7万円
  • 車種 : GRカローラ
  • 年式 : 2023年
  • 走行距離 : 0.2万km
  • 車検: 検8.3
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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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