新車試乗レポート
更新日:2025.04.03 / 掲載日:2025.04.03
乗り味刷新! 改良型CX-60実力判定
FRレイアウトが本領発揮!? よりフレンドリーな乗り味を獲得!!
エンジン縦置きのFRプラットフォームを採用する「ラージ商品群」第一弾としてデビューしたCX-60が走りに関わる改良を実施。ドライバーの操る楽しさを追求した初期型よりも幅広いユーザー層を狙い、足回りやパワートレーンに手が加えられた。従来モデルからどのように変化したのか。その実力を探った。
●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之
改良型CX-60実力判定

しなやかな身のこなしで家族もより快適に
上質な走りがマツダ流の“プレミアム”を生み出す
マツダ・ラージ商品群の第一弾として登場したのがCX-60だ。ラージ商品群で最もコンパクトなモデルであり、キャビン実用性はCX-5と同等だが、新たなプラットフォームとパワートレーンによる走りが上位設定の要点になる。
その走りの車格感の核となるのがFRレイアウトだ。登場時は操舵の正確性や切れ味、姿勢変化の抑制を重視したフットワークでファントゥドライブ志向が強く、時に突き上げを感じる乗り心地はツーリング用途でも泣き所だった。今回はバネやダンパーだけでなく、リヤサスを中心にスタビやブッシュ類など大幅に見直された。
劇的という表現は不適切だが、以前よりもしっかりとFRプラットフォームの良さが意識できる乗り味となった。具体的には、ハンドリング面では前後の荷重の掛かり具合や挙動の心地良さ、乗り心地ではリヤサスを中心とした突き上げの減少だ。どちらもリヤサスの滑らかかつ抑制された沈み込みストロークが改善の要点だ。サイズや重量を感じさせる挙動や乗り心地と言い換えてもいい。
硬柔を基準に言えばまだ硬めだが、ドライバーや乗員が意識できるわずかな沈み込み感と揺り返しの少なさが、車格を感じさせる重質な味わいを生み出す。従来とはフットワークの考え方が変わったように思えるほどだ。付け加えれば2WD車の方がよりリヤサスの動きを意識できる。SUVとしては操安や悪路踏破も考慮して4WD車を選ぶのが本筋だろうが、走りの味わいとして上級FR車の走りの質を求めるのも悪くない。
パワートレーンの改良はトルコンレスATのクラッチ制御を変更し、滑らかさの改善を図ったもの。トルコンATに対する駆動制御のアドバンテージは感じないものの、匹敵するくらいの領域まで改善されてきた。もっとも、パワートレーンの最大の魅力は直6ディーゼルであり、威圧感がなく軽やかに、しかも高精度な回転体のように回る。ドライブフィールの心地よさは他のディーゼルと一線を画している。また、標準型でもかなり満足度が高いが、MHVなら細かなコントロール性が向上。本格HVと比較すると電動感が少々物足りないが、直6ディーゼルの存在感がそれを補って余りある。
キャビン実用性など、アウトドア趣味のSUVとしてはミドルSUVの標準レベルだが、未だ発展途上の感はあるものの走りの車格感の高さは高く評価できる。ツーリングを主体とした用途ではディーゼルの完成度も含めて魅力的なモデルであり、マツダの求めるプレミアムを実感できるだろう。




MAZDA CX-60
●車両本体価格:326万7000円〜646万2500円 ●発表年月(最新改良):’22年6月(’24年12月)
ユーザーの声をフィードバックして、より万人向けなキャラクターに
CX-60がこだわるハンドリングの良さを維持しながら、より幅広いシーンで快適な移動を楽しめるように乗り心地の向上を図るとともにグレード体系の見直し等を実施。XD/XD Sパッケージを廃止してスポーティなXD SPを新設定し、XD LパッケージとXD エクスクルーシブモードはサイドシグネチャーガーニッシュが黒からメッキに変更された。






■主要諸元 (XD SP・FR) ●全長×全幅×全高(㎜): 4740×1890×1685 ●ホイールベース(㎜):2870 ●最低地上高(㎜):180 ●最小回転半径(m):5.4 ●車両重量(㎏):1820 ●駆動方式:FR ●パワートレーン:3283㏄直列6気筒DOHC直噴ディーゼルターボ(231PS/51.0㎏・m) ●使用燃料・タンク容量(ℓ):軽油・58 ●トランスミッション:8速AT(トルクコンバーターレス) ●WLTCモード総合燃費(㎞/ℓ):19.7 ●タイヤサイズ:235/50R20
《特別仕様車》XD-HYBRID Trekker


