新車試乗レポート
更新日:2018.11.30 / 掲載日:2015.10.15
フォルクスワーゲン ゴルフ オールトラック 試乗レポート(2015年10月)

すべてのワゴンのお手本となる秀作
パサートシリーズの中で、先代パサート・ヴァリアントでも人気のあった「オールトラック」はワゴンボディを基本として、「4駆+余裕の地上高」の魅力を加えたRV指向のモデル。レジャーユースのテリトリーを大きく拡大し、積雪&寒冷地への適応性を高めた有能な存在だ。そんな特別な才能を持つ「オールトラック」がついにゴルフ・ヴァリアントにも設定された。
最低地上高はベース車+25mmの165mm。4駆メカは第5世代ハルデックスカップリングを使う4モーションで、これに電制デフロックのXDSやヒルディセントコントロールも加えて十二分な悪路対応力を整えている。大径タイヤやホイールハウスエクステンション、アンダーガード付きバンパーなどが醸し出すSUV的なルックスも魅力的だ。

走り出してすぐに顔をほころばせるのは、新搭載の1.8L TSIユニットがもたらす豊かなトルクと上質な回転フィール。2WDのハイライン比で160kg重くなったが、心臓の増強はそれをカバーして余りある感じ。湿式多板クラッチを使う6速DSGとの相性もよく、ひとクラス上の洗練させた走りと快適さを楽しませてくれる。1.4L TSI比で40馬力/3.1kg mも強力なのだから、当然のことだろう。
フットワークについては、4駆ワゴンならではの高速走行での落ち着きや安心感とクロスオーバー車らしからぬ峠道でのスポーティなハンドリングを見事に両立させているのが心憎い。25mmの車高アップのネガはまず感じさせない。適度に引き締められたサスは、低速域ではややハードめの印象を与えるが、速度を上げていくと期待通りに乗り心地はフラットライドになっていく。うねりのいなしも見事で、ロングクルーズでの安心と快適を保証する。
ということで、「オールトラック」はゴルフ・シリーズに加わった新たな秀才。日本のワゴンフリークのハートを、ガッチリと掴むことだろう。
文●森野恭行 写真●GooWORLD
問い合わせ フォルクスワーゲン カスタマーセンター TEL:0120-993-199
Detail Check
コックピット
コックピット
たかが25mmの違いだが、高めの目線がクロスオーバーらしいムードを演出する。専用デコラティブパネルを採用するインパネは上質な仕上がり。新設の「オフロードモード」はセレクター左奥のスイッチで選択する。
インテリア
インテリア
内装色はチタンブラック。ブラウン系レザー内装もオプションで用意する。前席は拘束力が強くない形状で、日常生活やツーリングユースにマッチ。後席の快適度も優秀だ。
ラゲッジスペース
ラゲッジスペース
605~1620Lの容量はFFモデルと同じ。床下にも収納空間を確保する。レジャーユースで頼りになる本格ワゴンだ。
エンジン
エンジン
心臓は1.8L TSI。ボア・ストローク値や圧縮比はポロシリーズのポロGTI用と共通だが、新しい設計だという。洗練のフィールが光る。
主要諸元:フォルクスワーゲン ゴルフオールトラック TSI 4MOTION アップグレードパッケージ(6速AT)
全長×全幅×全高 | 4585×1800×1510mm |
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ホイールベース | 2635mm |
車両重量 | 1540kg |
エンジン | 直4DOHCターボ |
総排気量 | 1798cc |
最高出力 | 180ps/4500-6200rpm |
最大トルク | 28.6kg m/1350-4500rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/4リンク |
ブレーキ前/後 | Vディスク/ディスク |
タイヤサイズ前後 | 205/55R17 |
全国メーカー希望小売価格(発売 2015年7月)
VW ゴルフオールトラック TSI 4MOTION(6速AT) | 347万円 |
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VW ゴルフオールトラック TSI 4MOTION アップグレードパッケージ(6速AT) | 367万円 |
Body Color
■トルネードレッド ■タングステンシルバーメタリック ■パシフィックブルーメタリック ■ナイトブルーメタリック □ピュアホワイト ■ディープブラックパールエフェクト □オリックスホワイト マザーオブパールエフェクト |