新車試乗レポート
更新日:2020.11.09 / 掲載日:2020.11.09
MITSUBISHI「eKクロス」先進機能アップデートでさらに魅力増
軽ハイトワゴンのeKワゴン/eKクロスが運転支援機能の向上をはじめとする一部改良を実施。早速eKクロスを走らせてみた。

主要諸元(T・FF)
●全長×全幅×全高:3395×1475×1640mm●ホイールベース:2495mm●車両重量:870kg●駆動方式:FF●パワートレーン:659cc直3DOHCターボ(64PS/10.2kg・m)+モーター(2.7PS/4.1kg・m)●トランスミッション:CVT●WLTCモード燃費:25.2km/L●最小回転半径(m):4.8●タイヤサイズ:165/55R15
●発売日:8月20日
●価格:146万3000~182万500円
●販売店:ミツビシ全店
●問い合わせ先:0120-324860


高い走行性能はそのままに、安全&運転支援をレベルアップ
比較的高いエンジン回転数を積極的に用いる加速性能。ロール量を抑えたサスストローク制御。最近の軽乗用のトレンドとは違った印象を受けるが、ひと昔前の元気よく走る小排気量車の味わいがある。ターボ車としてはもっと常用回転域を抑えてトルクの余裕を感じさせて欲しくもあるが、この辺りはパワートレーンや運転感覚に求めるものの違いだろう。
これらはこれまでと変わっていない。走行ハード関連の変更情報はなく、試乗した印象も同様だった。今回の改良要点の多くは安全装備関連である。ミツビシ版プロパイロットのマイパイロットには単眼カメラに加えてミリ波レーダーを採用。検知精度向上だけでなく、前々車検知などの機能が加えられた。これにより雨天のACCやLKAの作動領域が拡大。また、追従走行からの追い越し時にはウインカーと連動した緩加速制御などを加え、滑らかさと実効性が向上した。
雨天走行は試せなかったものの、ACCとLKAの制御の自然さは上級クラスに引けを取らない。元々軽乗用では洗練度が高かったが、これまで以上にドライバーの感性に合った制御となっていた。
標識認知機能や追突回避予測警報、ふらつき警報などを追加し、危険回避機能も充実。運転補助では降坂時に自動速度抑制を行うHDCを設定。降雪地域のユーザーには有り難い装備だが、SUV志向のeKクロスにはなおさらだ。内外装や走りに新旧の変化はなくとも、安全&運転支援機能をしっかりアップデートして車両全体の魅力も一段と高まっていた。

●サファイアブルーメタリック×スターリングシルバー
デザインや走行メカに変更はないが、ボディカラーにサファイアブルーメタリックとサファイアブルーメタリック×スターリングシルバーメタリックが追加されている。
●パワートレーン:659cc直3DOHCターボ(64PS/10.2kg・m)+モーター(2.7PS/4.1kg・m)
主要メカに変更はない。試乗車はスターター/ジェネレーターを駆動補助&回生発電に使うマイルドハイブリッド仕様をベースにインタークーラー付ターボを加えた「T」だ。

ヘッドライトスイッチのOFFポジションを廃止し、センターパネルに充電用USBポートを新採用するなど、安全性と利便性が向上している。
内装はブラックが標準で、写真はプレミアムインテリアパッケージ(5万5000円)を装着。シートが合成皮革&ファブリックのツートーン(ブラック&タン)となっている。
軽自動車とはいえ、スペース効率に優れたハイトワゴンだけに広さも十分。開口部も荷室自体もスクエアで使いやすい。
「eKクロス」改良のポイント:安全&運転支援機能が最新版に
■マイパイロットの機能向上
ミリ波レーダーの追加により、eKスペースシリーズと同等の最新版マイパイロットに。追い越し時の加速機能が加わり、ワイパーと同時に作動させることも可能となっている。■パッシブセーフティの装備向上
ニーエアバッグ、リヤシートベルトのプリテンショナー機構&非着用警告機能を設定。
■アクティブセーフティの機能追加
予防安全技術「e-Assist」に標識検知機能、前方衝突予測警報、先行車発進通知、ふらつき警報が追加された。衝突被害軽減ブレーキシステムの夜間の検知性能も向上している。
■ヒルディセントコントロール
スイッチを入れるとクルマがブレーキを制御して車速を約4~20km/hに維持。急な下り坂でも安心して下ることができる。