新車試乗レポート
更新日:2021.12.22 / 掲載日:2021.10.09

【試乗レポート 日産 ノートオーラ】「走りの日産」復活を思わせるドライバーズカー

日産 ノートオーラ

文●大音安弘 写真●ユニット・コンパス

 かつて日産には、コンパクトセダン「ローレル・スピリット」というクルマがあった。その名が示すように、ミドルサルーン「ローレル」の弟分で、大衆車サニーに優雅なスタイルと豪華な仕様を与えたもの。いうなれば小さな高級車である。80年代以降、販売店の多チャンネル化により生まれたモデルであったため、正直、やや間に合わせ的な企画であったことは否めないが、目の付け所は悪くなかった。あれから30年以上の歳月を経て、日産が真面目に作り上げた小さな高級車が「ノート・オーラ」なのだ。少なくとも私はそう思っていた。試乗を終えるまでは……。

上質感だけでなく、機能面でもノートとはしっかり差別化されている

ノートオーラ G FOUR

 基本を共有するノートとオーラだけに、5ドアハッチバックというフォルムは共通だ。しかし、オーラは、入念な化粧直しを行うことでノートとは異なるイメージを作り上げている。具体的には、ボディパネルの多くを専用化することで3ナンバー化。このため、ノートよりもグラマラスなデザインを実現している。3ナンバー化のために、リヤドアパネルさえ、専用品にする拘りようだ。具体的なボディサイズの差は、全長は全く同じだが、全幅は40mm拡大されている。左右それぞれ20mmの違いだが、この差がデザインの自由度を生むのだ。決して3ナンバー化は上級車の主張のためでなく、デザイン性の向上にある。この点について、2台を見比べれば異論はないはずだ。

 その一方で、インテリアのノートと基本デザインを共有するノート同様に、デジタル化を強調したコクピットだが、ツイード調トリムやウッド調パネルで加飾することで、温かみのある空間に仕上げている。さらに人が触れる部分の素材もアップグレードされており、触感にも優れる。細かいところだと、メーターパネルの液晶サイズやステアリング、装着スピーカーの数など、同様に機能するパーツもしっかりと差別化しているのだ。ノートとオーラは、まさに似て非なるものなのだ。

 見えない部分だとe-POWERの仕様も異なる。1.2Lの発電エンジンとモーターを組み合わせたシリーズハイブリッド車であることは同じだが、モーター出力が向上されているのだ。具体的には、最高出力が+20psの136psに。最大トルクが+20Nmの300Nmに強化されている。因みに、後輪を専用モーターで駆動する4WDシステムのリヤ側モーター性能は、ノートと共通だが、最高出力68ps、最大トルク100Nmとリッターカー並みの性能を誇り、なかなかパワフルなシステムとなっている。今回の試乗車は、この4WD仕様車だ。

「SPORT」モードでは水を得た魚のような俊敏な走りを見せた

ノートオーラ G FOUR

 オーラのe-POWERは、第2世代となり、発電時のエンジン作動タイミングなどを変更するなど改良を加えている。さらにオーラ専用の車両側の静粛性向上対策もあり、街中を走行する際の車内は静か。この移動中でも上級感をしっかり感じられるように演出されている。しかし、ノートよりもパワーアップを図ったという割には、加速はゆったりとしているように感じた。見た目同様に、上品な味付けなのかと考えたが、その割には、やや足やタイヤも硬いのが、腑に落ちない点であった。その理由に気が付かされるのは、試乗の場を高速道路に切り替えた時だった。

 高速道路に乗る際に、e-POWERのモードセレクトを、それまでの「ECO」から「SPORT」にシフト。すると、オーラは水を得た魚のように俊敏な走りを見せだした。モーターらしい鋭い加速に対して、硬めに感じた足回りは息を合わせるように動きを重ねる。高速でのレーンチェンジや高速コーナーも狙ったラインをしっかりとトレースしてくれ、不安な動きを見せない。フルタイム4WDなので、後輪側のトランクションもしっかり。だから、アクセルコントロールで気持ちよくコーナリングをすることもできる。こいつをワインディングに持ち出しても楽しめそうだ。なんとオーラの上品な見た目は世を欺くための姿であり、その中身はスポーティハッチだった。その本性を呼び起こすのが、モード切替の「SPORT」というわけだ。しかし、過度な味付けではないので、日常から積極的にSPORTモードも使える。そういう意味では、「ECO」や「NORMAL」にももっと特徴を出して欲しいものだ。今回は、4WDのみだったので、FFとのキャラの違いが気になるが、少なくとも4WDは単なる生活四駆ではなく、走りの四駆であるのは間違いない。

ノートオーラは運転を愛するドライバーへのプレゼント

 小さな高級車を目指したと思ったオーラが、なぜここまでスポーティな味付けとしたのか。走りの良さも上級感の演出には違いないが、これは長年クルマを愛してきた人たちへの日産からのプレゼントなのだと思う。今のクルマは、電動化、環境対応、ダウンサイズなど、時代に合わせた流れとはいえ、クルマ好きにとっては素直に喜べない部分があるのも確かだ。その上でオーラの開発者たちは、どんな環境下でも自動車の愉しさは失われないことを表現したかったのではないだろうか。そう考えると、新型では、ノートではなく、オーラにNISMOが設定されたことも納得がいく。オーラは、時代に沿った作りのクルマだが、日産の秘伝の旨味もしっかりと効いている。特に長年日産に乗り続け、最後の1台をコンパクトにしようと考えている人には、ぜひご賞味いただきたい。

日産 ノートオーラ G FOUR(電気式CVT)

■全長×全幅×全高:4045×1735×1525mm
■ホイールベース:2580mm
■車両重量:1370kg
■エンジン:直3DOHC+モーター
■総排気量:1198cc
■エンジン最高出力:82ps/6000rpm
■エンジン最大トルク:10.5kgm/4800rpm
■モーター最高出力:136ps/3183-8500rpm
■モーター最大トルク:30.6kgm/0-3183rpm
■サスペンション前/後:ストラット/トーションビーム
■ブレーキ前・後:ディスク/ドラム
■タイヤ前後:205/50R17
■新車価格:261万300円-295万7900円(NISMOを除く)

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執筆者プロフィール:大音安弘(おおと やすひろ)

1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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