新車試乗レポート
更新日:2022.04.01 / 掲載日:2021.11.17

【試乗レポート ボルボ XC60】Google開発の新インフォテインメントシステムを試す

ボルボ 新型XC60

文●大音安弘 写真●ユニット・コンパス

 ボルボの特徴といえば、四角いデザインで……なんて話は、もう過去のもの。今や日本では、洒落たプレミアムブランドとしての地位を確立しつつある。その最新ボルボの中核となるのが、SUVシリーズだ。その中でも最も売れているのが、今回の主役ミッドサイズSUV「XC60」である。しかもミッドサイズというやや大きなサイズながら、世界だけでなく、日本でもXC40に続く売れ筋モデルというから驚かされる。この点も、ブランドポジションの変化を感じさせるところだ。

 日本では、2017年に現行型となる第2世代に進化したXC60だが、プラットフォームを含む全面刷新と新デザインが取り入れられたこともあり、電動化対応の新パワートレインの採用を除けば、ブラッシュアップを中心に磨き上げが進められてきた。そんな人気者の新型の大きな改良点は、大きくふたつ。一部デザインの変更と新インフォテインメントシステムだ。

マイナーチェンジでルックスもアップデート

XC60 B5 AWD インスクリプション

 まずはビジュアル面を見ていくと、新世代デザインが好評な人気モデルだけに、敢えて大幅な改良は加えていない。具体的な改良点は、前後バンパー、フロントグリル、ホイールデザインと限定的。なので、お馴染みのXC60のテイストを受け継ぎつつ、SUVらしいタフさを強めたようだ。そのアクセントとなるのが新フロントバンパーで、メッキ加飾で左右のロアグリルを際立たせ、ロアグリル自体も縦長に改められ、サイズアップを図った。リヤスタイルでは、リヤバンパーの形状を変更し、エキゾーストパイプを隠すものとなり、よりシャープなデザインに纏めた。これもEVの未来に向けたボルボからのメッセージといえるだろう。フロントグリルは、先進安全運転支援機能のセンサーを搭載するための改良が主なもの。同時に少し化粧直しも受けている。

XC60 B5 AWD インスクリプション

Googleとボルボが共同開発した新インフォテインメントシステムの中身

XC60 B5 AWD インスクリプション

 インテリアはほぼ従来のままだが、最大の変化は、新インフォテインメントシステムだ。これはGoogle社が開発したandroidベースのシステムで、一言で言えば、android スマートフォンを搭載したボルボだ。従来の独自のインフォテインメントシステム「Sensas」から切り替えて採用されるものだ。これによりナビゲーションシステムも、スマホでお馴染みのGoogle mapに変更。さらにandroidスマートフォンのように音声操作システム「Googleアシスタンス」が利用できるのも強みという。さらに自動車で使えるアプリを追加できる「Google Apps and Services」と緊急通報サービスや故障通報サービスなどと連携する「Volvo Cars app」にも新たに対応している。音声操作は、これまでも対応する部分があったが、Googleアシスタントのサポートで、対話による操作を実現しており、運転操作に集中しながら、語り掛けるように、エアコンやオーディオ操作、ナビ設定などができるというわけだ。もちろん、通信機は車載されており、車載機能に関するデータ通信は、使い放題。但し、通信とGoogleのシステムは、4年間の無料期間以降は、契約更新が必要となる。その中でもエンジンリモートスタートやドアロック機構、盗難車両検索機能など一部の機能は、15年間アプリによる通信の利用が可能としている。

緊急通報システムについては、15年間無料で利用可能。このあたりもボルボの安全に対する考え方が表れている

 ボルボの伝統である安全機能も強化されており、センシング機能を最新世代にアップデート。新機能として、「先行車発進告知機能」と「リア衝突回避・被害怪訝ブレーキシステム」が追加されている。なおメカニカルなアップデートについては、アナウンスされていない。

インフォテインメントシステムにGoogleが搭載される価値

Google搭載の新インフォテインメントシステムは、スマホ用アプリ

 早速、Google搭載の新インフォテインメントシステムを試してみた。残念ながら、現時点ではGoogleアシスタントは、日本語に非対応。ただ来年早々には、日本語対応するのでご心配なく。この辺は、自動車用に向けて「Google」が開発に力を入れていることが伺える点だ。なので、まずは簡単な英語で操作を試みてみた。通信機能備わる新システムでは、車内でSpotifyなどが音楽配信も利用できる。そこで音声コマンド認識のための「Hi! Google」に続き、「Play musicアーティスト名」と簡潔に話しかけると、それだけで希望したアーティストの曲を自動的に再生してくれたことに感激。ただ具体的な曲名など、英語の発音の良し悪しが関係する表現となると上手く聞き取れず、理解できなかったり、希望と異なる曲が流れたりすることもあった。この点は日本語版に期待だ。

 続いて、重要なナビだが、見た目は、Google mapに近い。ただ地図の精度がより高いようだ。この辺は縮尺も関係しているかもしれない。ズームインやズームアウトなどをタッチスクリーン上でも色々と操作できる。早速、ドライブに向けて、「I go to Tokyo Disneyland」と呪文のように唱えると、東京ディズニーランドを目的地として表示してくれた。曖昧な英語でも理解しようと努力してくれるのは、さすがGoogleアシスタンス。ナビ音声案内は、スマートフォン同様に日本語化されているので、文字入力で目的地を探すならば、Google mapと同じと思って良さそうだ。ただ基本シンプルイズ ベストを旨とするGoogleのシステムもあり、国産ナビのようなランドローバーマーク表示などはないので、ナビ機能を地図替わりよりも、ずばり目的地を設定してしまった方が使いやすいだろう。ただこれまでのandroid AutoによるGoogleマップと決定的に違うのは、GPSだけでなく、車速などの車両側の情報も使えること。このため、トンネルや地下でも、自車位置を見失うことが無くなった。つまり、既存のGoogle mapの弱点が解消され、よりクルマで使いやすくなっているのだ。これはGoogle mapの革命といっても良いだろう。

新インフォテインメントシステムに合わせてメーターパネルも進化した

 新インフォテインメントの導入でメーターパネルの表示も進化した。これまでもスピードメーターとタコメーターの間に地図が表示されたが、それがGoogleマップへと変更され、全体のデザインも一新された。提供される情報量に変化はないが、より見やすくなった。またドライバーに、より先進的なインフォテインメントシステムを搭載することを実感させる象徴的なアイテムともいえるだろう。

 今回は、XC60を走らせながら、Googleシステムを試してみたが、まだ日本語非対応ということで、試しきれなかったというのが本音。次回は、日本語対応の精度や機能に加え、変更された車両設定などの全体システムの操作性まで試してみたい。改良型より、ドライブモードセレクトも、メカニカルスイッチが無くなり、インフォテインメントシステムのみの操作に変更されているので、気軽に運転中の変更ができないので、その点は好みが分かれそうだ。ただ新システムでは、自分のandroidスマートフォンと連携ができるので、よりGoogleの機能を自分好みにカスタマイズできるメリットがある。そして、心配だったのが、iPhone派の人たちへの対応だ。なんと現時点では非対応で、Bluetoothによる連携まで。ただ、そう遅くならないタイミングで、CarPlay対応を図る予定だという。まさかここでApple VS Googleの厳しい戦いの一面が垣間見ることになるとは……。その点を含めて、今後のシステムの進化と成長にも興味津々だ。なおこのシステムは、V90シリーズや新C40にも搭載される。

ボルボ XC60 B5 AWD インスクリプション (8速AT)

  • ■全長×全幅×全高:4710×1900×1660mm
  • ■ホイールベース:2865mm
  • ■車両重量:1870kg
  • ■エンジン:直4DOHCターボ+モーター
  • ■総排気量:1968cc
  • ■エンジン最高出力:250ps/5400-5700rpm
  • ■エンジン最大トルク:35.7kgm/1800-4800rpm
  • ■モーター最高出力:13.4ps/5400-5700rpm
  • ■モーター最大トルク:4.1kgm/2250rpm
  • ■ブレーキ前後:Vディスク
  • ■タイヤ前後:235/55R19
  • ■新車価格:649万円-959万円(全グレード)
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大音安弘(おおと やすひろ)

ライタープロフィール

大音安弘(おおと やすひろ)

1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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