新車試乗レポート
更新日:2022.01.25 / 掲載日:2021.12.05
新登場! レヴォーグ“2.4ℓターボ”サーキット試乗テスト
レヴォーグに2.4ℓターボモデルを追加!

●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之
上級ターボがもたらす
余力溢れる走りが魅力
WRXと同じ新開発の2.4ℓターボを搭載した新グレード「STIスポーツR」が設定された。そのパワートレーン及び駆動系は新型WRXと共通であり、ボディ違いのモデルと言ってもいいのだが、実際に乗ってみると走りの感触は少し違う。
サーキットで乗り比べた印象としては、WRXの同等グレードよりも多少穏やかな印象を受ける。動力性能は大きく変わらないのだが、車両重量やタイヤ径も含めた総合減速比の違いで、レヴォーグのほうが多少なりともマイルドに感じてしまう。
さらに明確な違いを感じさせてくれるのはフットワークだ。操舵や加減速による挙動や回頭反応、収束感はレヴォーグの方が明らかに緩い。切れの良いWRXに比べると、ワンテンポとは言わないまでも重たい感じが付きまとう。ワゴンボディによる影響とも考えたが、これはWRXとのサスチューンの差異が大きい。
レヴォーグのサスチューンは1.8ℓターボのSTIスポーツ系を基準としている。大まかにいってしまえばWRXの同等グレードよりも、柔らかめの設定が与えられている。ツーリング性能をより重視したキャラ設定や装着タイヤのサイズの違いを考えれば、このマイルドな味付けは納得もできるし、レヴォーグ単体で乗っている分には、ある程度のシビアさを持つサーキット走行でも不満は感じない。
むしろ気になったのは、レヴォーグの1.8ℓ車との違いだ。1.8ℓ車でもツーリング走行をこなせる十分な性能が与えられているが、全開加速、高回転の伸びやかさなど、負荷のかかる走行状況では2.4ℓ車のアドバンテージが予想以上に大きかった。
約2割減の燃費性能など経済性は見劣りするが、国産車トップレベルの280PS級を味わえることを考えれば、2.4ℓ車に魅力を感じるユーザーも多いだろう。


SUBARU レヴォーグ STI Sport R

主要諸元(STI Sport R EX)
●全長×全幅×全高(㎜):4755×1795×1500 ●ホイールベース(㎜):2670 車両重量(㎏):1630 ●パワーユニット:2387㏄水平対向4気筒DOHCターボ(275PS/38.2㎏・m) ●トランスミッション:スバルパフォーマンストランスミッション ●WLTCモード総合燃費:11.0㎞/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F/R) ●サスペンション:ストラット式(F)ダブルウィッシュボーン式(R) ●タイヤ:225/45R18

