新車試乗レポート
更新日:2021.12.23 / 掲載日:2021.12.21

【試乗レポート VW ゴルフTDI】遅れて登場したディーゼル仕様の実力を確認

文●大音安弘 写真●ユニット・コンパス

 約8年振りに刷新されたフォルクスワーゲンの主力モデルゴルフ8の登場から約半年が経過し、街中で新型を見かけるシーンも増えてきた。先代の後期型となるゴルフ7.5でも、だいぶモダナイズされていたが、改めて新旧を比較すると、新型のデザインは、かなりポップだ。長年のゴルフファンからは賛否の声もあるかもしれないが、世代を問わず、アクティブな人たちが増える時代には、これが最良の選択なのだろう。特にゴルフ8では、ハッチバックとステーションワゴンのキャラクターを機能と走りでも切り分けるなど、モデルの進化だけでなく、ゴルフの在り方も見直している節もある。世界のベンチマークである王者ゴルフとて、世界的に台頭するSUVを前に危機感を覚えずにはいられない時代なのだ。

追加されたクリーンディーゼル「TDI」の特徴

ゴルフ TDI Rライン

 その新型ハッチバックに、早くもクリーンディーゼル「TDI」が追加された。

 2.0LのTDIエンジンは、最高出力150ps/3000~4200rpm、最大トルク360Nm/1600~2750rpmを発揮。最高出力こそマイルドハイブリッドとなった1.5Lの直列4気筒ターボである1.5 eTSIと同等だが、より発生回転数が低いうえ、トルクについては110Nmも増しとなるのが強みだ。

 しかも燃費(WLTCモード)は、1.5 eTSIと比較して、+2.7km/Lとなる20.0km/Lと優秀だ。エンジン本体もゴルフ7に搭載されたものに改良が加えられ、燃費改善とトルクアップ、レスポンスアップなどの性能向上に加え、騒音の低減や環境対策も強化されている。

 特筆すべきは、クリーン性能の強化だ。ディーゼルエンジンで課題となるNOx処理の更なる強化を図るべく、これまで1基だったSCR(選択触媒還元)を2基に拡大。2段階で従来型エンジンと比べ、NOxの排出量を最大80%削減できるという。これは従来型がダメという話でなく、より徹底した後処理をしましょうということ。なので、SCRでNOx処理に使われるAdBlue(尿素水溶液)の量は、全く変わらないそうだ。

 ビジュアル的な変化はなく、見た目は新型ゴルフと全く同じ。グレード構成も近いものだが、ガソリン車との最大の違いは、エントリーのアクティブベーシックからスポーティなRラインまで同じパワーユニットが搭載されること。どのグレードを選んでも、力強い走りが得られるので、装備やデザインはエントリーのアクティブベーシックで十分だけど、長距離走行が多い人には嬉しい設定といえる。

「TDI」はエンジンの力強さはもちろん、上位版相当のシャシーを採用するため全体的な走りのレベルも高い

「TDI」が搭載するEA288 evoエンジン。NOxを低減させつつ、性能とレスポンス、静粛性そして燃費性能を向上させた

 静粛性が高められたゴルフ8だけに、クリーンディーゼル「TDI」搭載車でも静かだ。

 低回転でのトルクに優れるディーゼルだけに、シグナルスタートも力強い。ガソリン車もマイルドハイブリッド化で発進時にモーターアシストが受けられるようになったため、1.0Lターボでも不足はない性能を備えるが、やはりTDIとは大きな差がある。車両の静粛性を磨き、よりTDIエンジンの進化も図られたため、エンジン音も抑制されていることも実感できた。

 ただ強いて言えば、かすかにディーゼルエンジン特有の音は車内に侵入してくる。しかし、これは低・中速域でオーディオを使わない状態でのこと。ラジオや音楽を楽しんでいるときは気にならないはずだ。もっとも加速時のようなエンジン回転数が2000回転以上の走行状況では、ドイツ車らしい心地よく伸びやかなエンジン音にかき消される程度のものだ。

 さてTDIが強みを見せるシーンといえば、やはり高速走行だろう。インターチェンジの合流から一気に加速する際のエンジンの伸びやかさは、流石ゴルフと褒めたくなる。巡行時もアクセルを少し強めに踏み込むだけで力強い加速が得られるのでラクチンだ。やはりロングラン派には、エンジン車らしい力強い走りの味わえるTDIは良い選択だと思う。

 高速走行だとエンジン回転数も極低回転とはならないので、先に述べたエンジンノイズは全く感じなかった。またTDIは、ガソリン車では上位に位置する1.5LeTSIとメカニズムも近く、リヤサスペンションもマルチリンク仕様となるので、高速走行時のリヤの安定感も高く、ワインディングなどのスポーティな走りを楽しんでもリヤ追従性が良い。またTDIエンジンは、レスポンスが高まったことで、ワインディングでもドライバーの期待にしっかりと応えてくれることも追記しておきたい。

同等のガソリン仕様に対して価格アップは約28万円

ゴルフ TDI Rライン

 価格については、344.4万円~408.8万円となる。

 エントリーモデルの1.0eTSIの「アクティブベーシック」と比べ、48.5万円高となるが、これはエンジンに加え、装備差もあるため。仕様が近い1.5eTSI搭載の「スタイル」と「Rライン」で比較すると、約28万円差に。これがTDIの価格分と考えれば良いだろう。

 TDIには、ガソリン車にはない「アクティブ アドバンス」というグレードがある。これは1.0eTSIの「アクティブ ベーシック」にナビゲーションシステム「Discover Pro」とLEDライトや駐車支援機能、ヘッドアップディスプレイなどを含む「テクノロジーパッケージ」を標準化。さらに17インチアルミホイール、シートヒーター、ステアリングヒーター、ドライビングプロファイル(ドライブモード選択)などの機能が加わったもので、398.9万円だ。

 因みに、TDIの「スタイル」や「Rライン」に、上記のパッケージを追加すると、約40万円高に。そこまでの予算をかけるかはあなた次第だが、TDIに関しての違いは、基本的にビジュアルのみだ。ガソリンターボで、ビジュアルと装備を充実させるか。充実装備で400万円切りの「TDIアクティブアドバンス」にするか。TDI狙いならば、「アクティブアドバンス」でも十分ではないだろうか。そこまで欲張るならば、クルマ好きの憧れとなるゴルフGTIまで含めて検討すべき。その方が結果的にはメリットが大きいはずだ。

フォルクスワーゲン ゴルフ TDI Rライン(7速AT・DCT)

  • ■全長×全幅×全高:4295×1790×1475mm
  • ■ホイールベース:2620mm
  • ■車両重量:1460kg
  • ■エンジン:直4DOHCディーゼルターボ
  • ■総排気量:1968cc
  • ■最高出力:150ps/3000-4200rpm
  • ■最大トルク:36.7kgm/1600-2750rpm
  • ■ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
  • ■タイヤ前後:225/40R18
  • ■新車価格:408万8000円(ゴルフ TDI Rライン)
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大音安弘(おおと やすひろ)

ライタープロフィール

大音安弘(おおと やすひろ)

1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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