新車試乗レポート
更新日:2022.05.27 / 掲載日:2022.05.23

【試乗レポート スバル 改良新型XV】成熟の領域に入った等身大のクロスオーバーSUV

文●大音安弘 写真●ユニット・コンパス

 スバルSUVのエントリーを担うクロスオーバーハッチバックモデルである「スバルXV」が、2021年12月に一部改良を行い、最新仕様に進化した。3代目となる現行型は、2017年4月にフルモデルチェンジされ、既に登場から5年目を迎え、これまでにも、年次改良の中で、デザインやメカニズムへのアップデートが行われてきた。

完成の域に到達した現行型XV

スバル XV アドバンス

 まずは最新型の改良ポイントを見てみよう。なんとアナウンスされたのは2点だけ。ひとつが、XVとして初めてファブリックシートとフロントシートヒーターの組み合わせが選べるようになり、「2.0L e-Sアイサイト」と「アドバンス」に標準化されたこと。もうひとつは、XV誕生10周年を記念した特別仕様車「アドバンス スタイルエディション」が設定されたことだ。節目となるタイミングとしてはちょっと肩透かしにも感じるが、それには理由がある。何しろ、2019年の改良では、自動運転レベル2となる全車速追従機能付ACCと車線中央維持支援を行う「アイサイトツーリングアシスト」を全車に標準化。さらにSUVの機能性を高めるグリップコントロール機能「X-Mode」のバージョンアップを図るなどの性能強化を図った。装備面では、LEDヘッドライトとリアフォグランプ、マルチファンクションディスプレイなどの新デザインに変更。日常の利便性を高めるべく、ドアミラーの機能として、施錠時の自動格納やリバース連動動作を一部グレードに標準化した。さらに2020年9月の改良では、フロントバンパーとグリルを変更するフェイスリフトを実施。ハイブリッド車であるe-BOXER車では、アダプティブ変速制御「e-Active Shift Control」を搭載。これはドライブモード「SI-DRIVE」でスポーツを選択した際に、よりスポーティな走りが楽しめるような変速制御を行うもの。全車共通の大きな改良点として、サスペンションの見直しも図り、SUVらしいしなやかさとスポーティさを高次元で両立したとする。このように、大きな改良は織り込み済みであることから、今回の改良には、大きな目玉はないのだ。しかし、それをガッカリと捉えるのは早計だろう。つまり、スバルXVが熟成域に達したとも言い換えられるからだ。

試乗したのはハイブリッドを搭載する最上級グレードの「アドバンス」

スバル XV アドバンス

 試乗車は、自然吸気の2.0L水平対向エンジンに、駆動用モーターを積み合わせた「e-BOXER」の最上級グレード「アドバンス」。フロントバンパーガードを始めとするシルバーのアクセントパーツを採用することで、よりアクティブさを強調した最上級グレードだ。インテリアも、ブルー基調のトリコット/フェイクレザーのコンビシートが与えられるなど専用仕様となるが、機能装備のレベルは、一つ下の「2.0e-Sアイサイト」とほぼ同じである。金運アップも期待できそうな煌びやかなボディカラーは、「プラズマイエロー・パール」で、e-BOXER車のみの選択可能。因みにルーフレールは、全車でオプションとなる。

アウトドアでも活躍できる使い勝手のよさ

スバル XV アドバンス

 久しぶりにXVをドライブしたが、そのバランスの良さを再認識できた。まずボディサイズは、ベースとなるインプレッサハッチバックと同じだから、取り回しに優れる。使い勝手の良さを守るために、全高にも配慮しており、ルーフレールが非装着なれば、1550mmに収まるので、一般的な機械式立体駐車場にも収まる。だからといって、単なる街乗りクロスオーバーでは終わらないのがポイント。そのサイズ感が武器になるのは、街中だけではなく、アウトドアも同様だ。流行りの整備が行き届いたキャンプ場ならば、キャンプサイトに向かう未舗装路もしっかりと整備が成されているが、昔ながらのキャンプ場では、そうとは限らない。道は細く、路面の凹凸も大きい。そこでXVの強みが発揮される。最低地上高200mmを確保しているから、多少の凹凸など問題なし。しかも全車に4WDも標準なのだ。そんなSUV的な機能も手抜きがないところが、アウトドアやスポーツ愛好家のユーザーからの支持される秘密でもあるのだ。

 インプレッサベースなので、日常での使い勝手も変わらないが、走りのキャラクターは少し異なる。もちろん、いずれもスバルらしいスポーティな味付けなのだが、軽快な走りやしなやかな動きとなると、インプレッサに分がある。如何なる路面でもしっかりと走行できるように目指したXV故、姿勢変化を抑えるべく、乗り心地は硬めにセットされている。ただ誤解してはならないのは、乗り心地が悪いというわけではないということ。これは最新スバルに使われる新世代プラットフォームSGPで開発されたボディの持つ強固でありながら、しなやかさな動きを見せる柔軟さがなせる技なのだ。とはいえ、もう少しソフトな乗り味でも良いとは思う。そこまで頑張ってしまうのも、スバルの真面目さの表れともいえよう。

 試乗車のパワートレインは、e-BOXERと呼ぶ、エンジンとトランスミッションの間に、駆動モーターを備えたハイブリッドシステムを持つ。巡行や減速時などにエンジンオフにでき、発進時もモーターを使えるので、燃費には有利だ。しかし、システムの構造上、他社のストロングハイブリッド車のような電動車感はない。どちらかといえば、モーターはサポート役なのだ。なので、その点は期待すべきではないだろう。またハイブリッドシステムで残念に感じるのが、発進加速時の動きだ。加速による差はあるものの、モーターからエンジンへと切り替わりにスマートさが欠ける。もちろん、加速や走りには全く影響はないが、シームレスな動きとは言い難い。そこが改善されると、より魅力が増すだけに勿体ないと思う。なので、敢えてピュアエンジンの1.6L車を選ぶという選択もありだ。現在のグレード構成では、1.6Lの上位グレード「1.6i-Lアイサイト」ならば、悪路走破を高めるX-Modeも搭載されるし、上級グレードのアイテムも、その多くをオプションとして選択できる。ややパワーダウンとなるが、スバルXVのキャラクターならば、問題となるシーンはないだろう。何より価格も少し安くなる。その分を冒険に必要なアイテムに費用をまわせば、より愛車との生活を楽しむきっかけになるだろう。それはSUV本来の使い倒してナンボという空気感をXVから感じられるからではないかと思う。小さくとも本物志向。それがスバルの末っ子SUVなのだ。

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大音安弘(おおと やすひろ)

ライタープロフィール

大音安弘(おおと やすひろ)

1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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