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更新日:2018.02.01 / 掲載日:2018.02.01

【旧車趣味】TOYOTAセリカ その1

単に高性能エンジンを載せましたというわけではなく、その企画段階からクーペ専用として開発された経緯を持つ初代セリカ。そんな開発陣のこだわりもあり、日本で最初の“スペシャリティカー”は、後世にも名を残す名車に仕上がっているのだ。

マスタングをリスペクト商売的にも大成功をおさめる

 これまでのスポーツカーとは異なる新しいジャンルのパーソナルクーペとして開発が進められたクルマは、1970年12月にセリカとして誕生した。日本で最初に「スペシャリティカー」を名乗ったセリカは、これまでのクーペモデルとは異なりセダンをベースにした派生モデルではなく、最初からクーペモデルとして開発されている。同年の2月に発売された4 代目コロナとシャシーを共用しているために、コロナをベースにしたと思われがちだが、共通のシャシーを用いて同時期に開発が進められていただけで、セリカは企画の段階からクーペ専用モデルとして開発されている。また、前年のモーターショーに出品されたコンセプトカー「EX-I」がセリカのプロトタイプだといわれることもあるが、この時点ではすでに市販モデルとしてのデザインはほぼ完成しており、セリカ開発当初の初期のデザインをモチーフに製作され、新型クーペの登場を想像させるコンセプトカーとして発表されたのが「EX-I」だった。
 セリカの開発には1964年に発売が開始されたフォード・マスタングが大きく影響している。戦後のベビーブーマー向けに企画されたコンパクトなパーソナルクーペは、発売から3 か月で10 万台以上の売り上げを記録する大ヒットとなった。これをヒントにトヨタはスパルタンなスポーツクーペではなく、若者や女性も気軽に乗れる、スタイリッシュなクーペの開発を開始した。また、マスタングは低価格に設定したベース車両に、エンジン、トランスミッション、装備などを自由に組み合わせて購入できる「フルチョイスシステム」を導入していたことも売り上げに貢献していた。セリカもこのマスタングに倣って日本で最初のフルチョイスシステムを採用している。

●‘73CELICA1600GTV
全長×全幅×全高:4165×1600× 1310mm、ホイールベース:2425 mm、トレッド( 前/後)1280 /1285mm、車両重量:940kg、乗車定員:5名、ミッション:5速MT、駆動方式:FR、エンジン:1588cc水冷直列4気筒DOHC、圧縮費:9 .8:1、ボア×ストローク:85×70mm、最高出力:115 PS/6400 rpm、最大トルク:14 .5kg・m/5200 rpm、使用ガソリン:プレミアム(50リットル)、ブレーキ(前/後)ディスク/ リーディングトレーリング、販売価格:87万5000円(東京地区店頭渡し価格)

競技車ベースのGTVは足回りも専用チューン
 1970年12月1日に発売が開始されたセリカ。発売当初のボディは全長4165mm×全幅1600mm×全高1310mmのクーペ1種類のみ。搭載エンジン別に「ET」「LT」「ST」「GT」の4タイプが用意され、エンジンはすべて直列4気筒で、「ET」には1.4LOHVのT型(最高出力86ps/6000rpm、最大トルク12.0kg・m/3800rpm)、「LT」は1.4LのT型と1.6LOHVの2T型(最高出力100ps/6000rpm、最大トルク13.7kg・m/3800rpm)、「ST」は1.6LOHVにツインキャブレターを装着した2T-B型(105ps/6000rpm、最大トルク14.0kg・m/4200rpm)、「GT」は1.6LDOHCの2T-G型(115ps/6400rpm、最大トルク14.5kg・m/5200rpm)が搭載されていた。このうち「GT」には専用の内装や装備、5速ミッションが用意されていたためフルチョイスシステムからは外されていたが、他のグレードはすべて自由に内外装のカラーやミッション、装備を選ぶことができた。
 1972年8月には最初のマイナーチェンジが行われた。ガソリンタンクの位置変更により給油口がリヤナンバー裏から左のリヤピラーに変更。また、道交法の改正によりテールランプが赤一色の一体型からアンバーのウインカーレンズを加えたコンビランプとなった。この時に追加されたのが1600GTVだ。DOHCユニットを搭載するGTに、Victoryの頭文字である「V」を加えたGTVは、エンジンはGTと同様の2T-Gユニットを搭載し、フロント・マクファーソンストラット式コイルスプリング、リヤ・4リンクコイルスプリング式のサスペンションは、フロント・コイルスプリングのバネレートを0.6kg/mmから2.3kg/mmに、リヤは0.5kg/mmから2.2kg/mmそれぞれ強化され、同時にリヤのショックアブソーバーの減衰力は30%増強されている。ホイールはデザインが施されたGTのものとは異なり、センターキャップのみが取り付けられたシンプルなスチールホイールが採用され、タイヤは6.45-13インチ4PRのバイアスタイヤが装着されていた。このGTVは競技用のベース車両としてラインナップされるために装備が簡略化してある。ラグジュアリー志向のスペシャリティクーペのセリカとしては異質な存在だが、ラリーやレースがクルマ好きに好まれていた時代だけに、大いに評価された。本来は装備が簡素なのだが、当時もカーマニアが購入した例が多く、パワーウインドウやAM/FMステレオ、純正エアコンが装着されている車両も存在している。
 1973年4月には大きなハッチバックを備えたセリカ・リフトバックが追加された。ボディはクーペより全長で50mm、全幅で20mm拡大している。このため、フロントマスクのデザインが変更されている。同時に2.0Lの18R系エンジンがラインナップに追加。クーペはSOHCの18R、リフトバックには18Rに加え、DOHCの18R-G搭載車も選べた。1974年1月にはクーペモデルで18R-Gエンジンが選べるようになり、クーペのフロントマスクがリフトバックと共通になる。1975年10月のマイナーチェンジで昭和50年排ガス規制に適合させるため、1.4LOHVと1.6LDOHCエンジンを廃止。リフトバックにもGTVが追加されるが、エンジンは2.0LDOHCとなり、1977年8月に生産が終了されている。

フロントノーズのデザインはリフトバックとは異なり、ボンネットフードも短くスラントしてエッジが立っている。

ただし、1974年以降はリフトバックと共通のフロントマスクに変更されてしまう。

1.6L DOHCエンジンを搭載したGTV、GT、STにはボンネットにダクトがつく。

取材車両には14インチのRSワタナベのアルミホイールが装着されているが、本来は13インチのスチール。

リヤのピラーにはルーバー状のエアーアウトレットがつく。

1972年のマイナーチェンジでウインカーが独立したコンビランプになった。

セリカ/カリーナ用に開発された新設計のDOHCユニット2T-G。シリンダーヘッドはヤマハ発動機製。

キャブレターはミクニソレックスのPHH40φS型。

純正のエアーエレメントはキャブレター前のボックスからダクトで繋がった丸型のボックス内にある。純正エレメントはパブリカと共通。

オイルフィラーキャップはスチール製。トヨタのロゴが刻印されている。

GTVのインテリアはブラックで統一されたスパルタンなイメージ。撮影車両のインテリアはほぼ当時のままを保っている。

シートはヘッドレスト一体型のバケットタイプ。GT/GTVはステッチが横縞に入る専用のデザイン。

リヤシートにも同じデザインの生地を使用。

インパネの左側には3連メーターが並ぶ。左から油圧&電流計、水温計、燃料計という配列になっている。

センターコンソールの空調レバー横には、丸型のアナログ時計を配置。

純正ステアリングは3本スポーク。スポーク部にはそれぞれ2個ずつのホーンボタンを配置。

ダッシュボード右下にリヤデフォッガーのスイッチがある。

グローブボックスの上に空調の吹き出し口が。ボックスの蓋にもソフトな内装生地が貼られる。

燃料タンクが移設されたため、スペアタイヤはトランクの下部に横置きされている。



【取材協力】オートサークル
TEL027-212-6988
所在地/群馬県前橋市石関町201
営業時間/10:00~20:00 定休日/月曜日
URL/http://www.auto-circle.net

比較的新しい世代の趣味車から人気沸騰の定番車まで幅広く手掛ける旧車専門店。特に趣味系のクルマは年代も幅広く揃えており、そのコダワリぶりでも注目を集めている。最新の在庫車両はHPをご覧いただきたい。



提供元:オートメカニック


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グーネットピット編集部

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