サスペンション・足回りパーツ取付[2018.02.22 UP]

スバルサンバーを懐走仕様! 【第9回】ブレーキライニング交換

SUBARU Samber V-KV3[1995]

前回、リヤブレーキカップ交換を行ったが、ついでにブレーキシュー(ライニング)も同時交換予定だった。だが部品誤発注というミス!ようやくライニングが届いたので、DIYでも迷わず確実に交換できるように図鑑スタイル(!?)で展開してみた。KV系はほぼ特殊工具いらずで力も使わない楽々交換だ。

関連情報

ボディタイプ:軽自動車 旧車 メンテナンス・整備・修理
おさらい/ドラム脱着(詳しくは前回記事を参照)
前号で交換予定だったライニングセットは、外径が同じだったがシューの形状が若干違うので組み込めず。確認したらTV用だった。

アクスルナットを緩めたらサイドブレーキをリリースして、アジャストネジを10回転緩める。組み立て後元に戻すので記憶しておく。

リヤアクスルは36ミリのソケットで緩める。インパクトを使用したが、タイヤを地面につけエクステンションで緩める手も。

コニカルスプリングは向きがある。若干テーパーになっていて、OUTの刻印が外側にあるので、洗浄して刻印を確認しておく。

テーパー形状のセンターピースは簡単に手で抜けてくれるはず。動かない時はプラスチックハンマーでコンコン叩くと抜けてくる。

サイドブレーキがリリースされていれば、ドラム本体は割と簡単に抜けるはず。コトリとも動かない場合はプラハンで周囲を叩く。

複雑なパズルが難解さを増す。ライニング交換は見て覚える

 ディスクブレーキだとパッド交換と表現するが、ドラムブレーキの場合ライニング交換、シュー交換と表現が違う場合がある。サンバーコーナーではライニング交換と表現しているが、一体なにが違うのか。
 ライニングは磨材の部分だけを表現するものであり、シューはライニングが貼り付けてある土台の部分を指しているのだ。その昔、ドラムブレーキ全盛の時代はライニング貼り替えが一般的で、部品商でブレーキアッセンブリーを購入すると、シューだけを返却していたからなのだ。今でも貼り替え屋さんは存在し、外国車の一部や、摩擦係数の高いライニングに貼り替えなどをやってくれるところもある。
 ということで、本来はブレーキライニング&シュー交換というのが正しい表現になるが、ここではライニング交換に統一している。
 で、前号でシューの形状が違うものを発注してしまったので、カップ交換と同時にやるはずだった、ブレーキライニング交換をやってみる。
 ドラムブレーキの構造は複雑で、ディスクパッド交換のように簡単にはできない。各パーツが立体的に交差して組み合わされているので、誰でもチャレンジできるように、図鑑形式にしてみた。
 右に大きくKVサンバーのドラム部分を掲載したが、スプリングの位置関係などを間違えると組み込めなくなるので、作業をはじめて、もし迷ったらこのページを見ればどう組み合わさっているか分かるようになっている。
 ドラムブレーキは回転方向の前側、シリンダーから押し出されたピストンから下に向かっていく側をリーディングシューと呼び、ドラムに押し付けられた力が倍増する側になる。反対側はサブになりシリンダーの反対側(アンカーと呼ぶ)から徐々にピストン側へと力がかかるので、それほど利きが強くないトレーリングシュー。
 写真を見ても明らかに減りが違っていて、トレーリング側はほとんど減っていない。サンバーの場合どちらも同じシューが使えるので、今回はリーディング側だけ交換とした。
 よほどの積載をしているサンバー以外はまずトレーリング側が減ることはないだろう。車検時にドラムを外してみればメンテができるので、洗浄も兼ねて作業をしよう。

迷ったらココを見よう
リヤブレーキ全体図。向かって左がリーディング側、右がトレーリング側、回転方向は反時計回りだ。組み立てなどで迷ったら、図をじっくり見ると、どこにどう付いているかよく分かるはずだ。迷ったらココ!

1)ブレーキアッセンブリー上部のアップ。カップシリンダー下がリターンスプリング(太)、その下がブレーキオートアジャスター。

2)シューホールドスプリングはバックプレートからピンが刺さっていて、U字型のバネで押さえながら固定されている。よく見ておこう。

3)ブレーキアッセンブリーの下側アップ。リターンスプリング(細)とその奥にサイドブレーキワイヤーのスプリングが見える。

4)ブレーキアッセンブリーを取り外して分解したところ。右側のシューにはサイドブレーキアームが付いている。シュー本体は左右共通パーツ。

5)シュー本体の形状確認。前号で失敗したので、新品を並べてみて、穴の形状などを細かく観察し、どこにナニがハマるか確認しよう。

6)ライニングの厚さをチェックしてみた。トレーリング側の4.5ミリはほとんど減っていないので無交換でいけそうだと判断した。

7)リーディング側を新品と比較してみる。中央からカップピストンに向かって減りが酷く、まだ使えるとは思うがこれは新品に交換。

8)トレーリング側はドラム面をほぼなぞるだけなので、新品と比較しても減っていないことがよく分かる。無交換に決定である。

9)トレーリング側のアンカー近くはまったくドラム面に当たっていないかのように綺麗だった。動いてはいるだろうが、全周では当たっていない。

10)今回使用したライニングはエムケーカシヤマのZ7750-10。純正品を作っているメーカーだ。2個1セットで2000円前後で購入。

11)ブレーキアジャスターはKV専用の形状で、完全に自動だ。左側の突起が刺さり、反対側はスプリングで軽く固定されている。

12)小さいスプリングはフック形状が違っていて、小さいほうがシューにハマる。サイドブレーキのプレートに当たらないようになっている。

13)全シューを交換の場合はサイドブレーキプレーをピン抜きする。ハンマーで叩くと抜けるがプレートは再使用不可なので注意する。

14)スプリングの外し方。バネ部分を少しつかんで引くとフックが外れやすくなる。ロングノーズ系のプライヤーが力を入れやすい。

15)はめる時はフックをつかんで先端側を先に引っ掛けるようにすると、スプリングを飛ばして紛失することが少ない。

16)アジャストカムは取り外した時にはカムが奥の位置まで行ってる状態が多く、斜めになっている。この状態でシューは取り付けにくい。

17)カム位置を垂直にして、一番アジャスターが緩んでいる位置にするとブレーキアッセンブリーを組み立てる時に楽になる。

18)先に二つのシューをリターンスプリングで連結しておいて、その下部にブレーキアジャスターを組み込んでいく。まったく力は不要。

シューアッセンブリーで脱着をすると力任せの部分はゼロに

 ブレーキアッセンブリーでスプリングの説明をしておこう。スプリングがいくつか付いているが、上から、リターンスプリング(太)、ブレーキアジャスタースプリング(銀)、アジャスターホールドスプリング、シューホールドスプリング(左右板バネ)、リターンスプリング(細)となる。下部の奥に見えるスプリングはサイドブレーキワイヤーだ。
 シューホールドスプリングを外して、カップシリンダーの溝からシューを下方向にスライドして抜き、サイドブレーキワイヤーを外せば、アッセンブリーで外すことができる。まずはその状態でよく観察しよう。
 二つのシューを手前に折りたたむようにするとスプリングが外せるようになるので、全部をばらして洗浄する。
 ブレーキアジャスターはライニングの減りに合わせてノッチが進んでいるので、組み上げ時に一番縮まった位置に戻して組み立てると、スプリングを伸ばさない状態で左右のシューの穴にハマるはずだ。
 しゅう動部にはわずかにブレーキグリスを塗布してアッセンブリーで組み立ててから本体に戻してやる。そうすることでほぼ力を使うことなく、ライニング交換ができる。
 組み立てが終わったら、ドラムを元に戻してロックナットを規定トルクで締め付けて、サイドブレーキのアジャストナットを元に戻す。
 サイドブレーキを数回引き戻しを行った後にエンジンを始動して、ATはD→N
→Rに入れた状態で空転させて、ブレーキを数回踏むと、あるタイミングからドラムがカツンと止まるようになる。MTも要領は同じだ。これでオートアジャストが正規の位置に戻ってくれるので、タイヤを取り付けて完成となる。

19)リーディング側だけ新品を組み込んだアッセンブリー。トレーリング側は減らないので、逆に組み込んでどんどん使うというのもアリ。

20)シュー側にグリスを塗って、下側のアンカーにはめ込む。斜め下側からひとつずつはめ込んでいくようにするとスンナリ入る。

ブレーキグリスは飛散しないものならなんでもいいが、WAKOSのものは色も白で分かりやすく、熱でグリスがなくなることがない。

21)斜めから見ると、サイドブレーキワイヤーが付いたトレーリング側を先に入れて、ある程度決まったらリーディング側を入れる。

22)ライニング表面は#100程度のサンドペーパーで軽く荒らしておく。経験上ブレーキアジャスターのなじみが早くなるような気がする。

23)カップピストン側の溝はトレーリング側を先に入れて、ライニングごと押さえながら反対側のピストンを押し込むと溝に入れやすい。

24)ドラムは内周のダストを洗浄して当たり面を#100程度のサンドペーパーでならして、当たり面にできたバリなどを落としておく。

25)ドラムを組み付け、サイドブレーキアジャスターのネジを戻したら195Nmで締め付けて、さらに締め込んで穴を合わせ、割りピンを入れる。

26)エンジンを始動して、D-N-Rで回転を繰り返しながらブレーキを踏むと、あるタイミングでカツンとドラムが止まってアジャスターが利く。

→次回はキャリパーOH

提供元:オートメカニック

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