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故障・修理
更新日:2018.03.29 / 掲載日:2018.03.29

金属&溶接でDIY レカロを作業椅子にコンバージョン

ボロボロで捨てるしかなかった作業椅子を蘇らせる。

物置の肥やしとなりつつあったお宝の再利用に最適!
 オフィスチェアやパソコンチェアを長期にわたって使用していると、衣類と擦れる座面端が破けてくる。
 そんな状態になっても、ガス圧昇降機構を備えた座面から下の脚の部分はたいてい無傷。そのまま捨てるのは惜しく、なにかに利用できないかと考えてしまう。たとえば、工具箱を載せる台。自由に移動できて高さを変えられるためなにかと便利だ。だが、狭いガレージでは邪魔になる。
 そこで、誰しも考えるのがクルマ用シートからのコンバートだ。クルマを乗り換えたり廃車する際、レカロなどのブランドシートを装着していたらたいてい取り外して保管する。乗り換えるクルマに取り付けたり、ブランドものならそこそこの価格で転売できるからだ。しかし、往々にして物置の肥やしとなりがち。そんなお宝の再利用に最適だ。
 筆者がまさにそのケース。パソコンチェアがボロボロになってしまったため、座面を取り去って保管してあったレカロシートに換装することにした。

ボロボロになったイスの座面を撤去してベースに利用する

長年使ったことで座面端が裂けてスポンジが顔を出してしまったが、5本脚のベースは生きている。

そこに保管しておいたレカロを組み替えるで、生まれ変わらせる。

肘掛けも再利用すべく取り外して分解する

ボロボロになった肘掛けも再利用する。これは脚ベースに固定されていたと思っていたが、裏返してみたら座面へのねじ留めだった。

ねじを外して肘掛けをそっくり取り外す。

アームからパッドを取り外す。

ボロボロになった被覆とスポンジをベース板から取り去る。

ベースの材質は合板で、被覆を固定していたステープルを残さず引き抜いておく。

座面を撤去して5脚ベースのみとする

背もたれも座面へのねじ留め。

固定ボルトを外してブラケットごと取り外す。

座面を固定しているボルトを外す。

座面を5本脚から取り外す。

この5本脚と肘掛けアーム以外のパーツはすべて処分する。なお、構造上の問題でねじ穴まわりに歪みが生じてしまっていた。

シートレールの設置方法を検討する

レカロは座面裏の左右末端にシートレールの取り付けベースが設けられている。レール幅やボルト穴位置はモデルによって異なるため、取り付けブラケットは現物合わせで作っていく。

座面裏が盛り上がっているため、5本脚は取り付けベース面より浮かす必要がある。

Lアングルを固定し、立ち上げ面に固定ブラケットを設けることにした。

Lアングルを加工してシートレールベースを製作する

シートレールの取り付けベースの長さに合わせて……

用意したLアングル材をカットする。

計測しておいた固定ねじ穴位置に止型スコヤ(もしくは直角定規や差金など、直角を出せる定規)を当て、側面と直角に交わる線を記入する。

横幅の半分の位置をマーキング。同様にして反対端の固定穴位置も印しておく。

記入線の交点にオートポンチを押し当て、ドリルの誘導穴を設ける。

固定ボルトはM8だが、取り付け時の余裕をみて固定穴はφ9mmとする。そこで、まずφ6mmで下穴を開ける。

ドリル刃を付け替え、φ9mmに広げる。

シートレールベースを仮留めして重心位置を確認する

M8ボルトで取り付け穴を開けたシートレールベースをシートに仮留めし、5本脚をあてがってどこに重心をもってくるか検討する。

位置的にはお尻が収まるる面の中心。利用するレカロの場合、座面裏の盛り上がり面の前方で、最適な位置に目印となる突起があった。その位置をシートレールベースに印す。

固定ねじ面にも位置を印しておく。

使用したパーツ

鋼材/Lアングル、帯板。 シートレールのベースに25×25mmのLアングル材を、5本脚への固定面に30mm幅、肘掛け取り付けベースに60mm幅の帯状の平鋼を利用した。

製作したシートレールを5本脚に固定するためのボルト&ナットで、5本脚の固定穴のサイズが大きかったため大径の平ワッシャーも用意した。

シートレールをシートに固定するボルトで、作業性を考慮して六角ボルトを使うことにした。肘掛けの固定に用意したが、短かったため実作業では60mm長に変更している。

固定穴位置に合わせてブラケットを設ける

 5本脚の座面固定ブラケットは横幅が極端に狭く、左右に離れた位置にあるシートレールベースを固定するために橋渡しが必要となる。
 距離があるため、使う材料には強度も求められる。そこで、後方はLアングル材を使用したが、前方は4mm厚の平鋼とした。座面下への突起を極力避けたかったからだ。が、これは失敗だった。着席時、身体を動かすと捻る力が加わるため完成後1週間ほどの使用で曲がってきたのだ。強固な鋼材とはいえ30mm幅では無理があった。チャレンジするならLアングル材を使用することをおすすめする。

後方の固定ステーから決めていく

左右のシートレールベースを横断できる長さをLアングル材に印し……

サンダーでカットする。

5本脚の油圧シリンダー中心から座面固定ブラケットの後方の固定穴位置までの距離を計測。シートレールベースに印しておいた重心から、その距離分だけ離れた後方位置に印を付ける。

その位置にバイスプライヤーを利用して切り出したLアングル材を仮固定する。

仮留めし、容易に外せるよう点付けする

シートレールベースの立ち上がり面の上端と接する仮固定したLアングル材の末端を溶接で点付けする。

反対端も同様に点付けする。

仮固定できたところでバイスプライヤーを取り外し、固定位置にズレが生じていないか確認する。

同様の手順で前方ステーを仮付けする

前部には30mm幅の平鋼を利用する。後部と同様シートレールベースを横断できる長さにカット。

シートレールベースに印した重心から、5本脚の油圧シリンダー中心から座面固定ブラケットの前方までの距離位置に仮固定し、溶接で点付けする。

こんな感じに仕上がる。

5脚ベースにあてがって収まり具合を確認する

シーレールを一旦取り外して5本脚の座面固定ブラケットに載せ、固定穴面を外すことなくカバーできるよう橋渡しできているか確認する。

キッチり収まることを確認したところで座面固定ブラケットを捻って、水平になるよう歪みを修正しておく。

重心位置に肘掛けベースを仮留めする

シーレールを再度シートに仮留めし、肘掛けの固定ベースを組み付ける。これには60mm幅の平鋼を利用。

左右端共にシートレールベースから20mm飛び出す長さにカットする。

重心から平鋼の半分の長さ位置に固定ポイントを印す。

その固定ポイントに平鋼の端を合わせ、バイスプライヤーでシートレールベースに仮固定する。

肘掛けベースを点付けして外し、本溶接!

仮固定した肘掛けの固定ベースと、シートレールベースの立ち上がり面上端とが接する面を溶接で点付けする。

反対端も同様に点付けで仮留めしたところで一旦、シートレールを取り外す。

溶接で点付けした各接続面を、外れないようキッチリ本溶接する。

肘掛けベースに取り付け穴を設ける

作業台の端にシートレールを裏返して置き、肘掛け固定ベースに肘掛けアームをあてがって現物合わせで固定穴位置を印す。

印した各固定ポイントの中心にオートポンチを押し当て、ドリルの誘導穴を設ける。

ドリルでφ6mmの取り付け穴(片側3か所)を開ける。

センター合わせして固定する

5本脚の座面固定ブラケットの固定穴間の中心を割り出してマーキング。シートレールの中心も割り出し、両中心点が合致するよう重ね合わせる。

油性ペンで座面固定ブラケットの穴の周囲をなぞって穴位置をシートレール側に書き写す。

転写した穴中心にφ8mmの穴を開け、M8のボルト&ナットで固定する。

ラバーを貼って仮運用する

肘掛けから取り外した合板に付着したスポンジカスをきれいに取り去り、黒色のスプレーでムラなく塗装する。

粘着剤付きの天然スポンジゴムに合板を重ねて外形を写し取る。

合板の形状に切り抜き、剥離紙を剥がす。

そして合板上面に貼り付ける。

合板を肘掛けアームに元通りねじ留めし、組み上がった肘掛けをシートレールの固定ベースにねじで留める。

しかしこの際、ピッタリ密着させると肘掛けが外側に大きく開いてしまう。そこで、長いボルトカラーを使ってアームが垂直に立つよう調整した。

完成! やはり肘掛けは低めだが座り心地は上々!

完成したシートレールを塗装するべく一旦取り外したが、物撮りしたところでタイムアップ。

塗料の乾燥を待っている時間はないため、とりあえずそのまま組み上げることにした。

レカロを組み付け、座り心地を確認する。肘掛けが低いが、座り心地は上々だ。




提供元:オートメカニック



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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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